2024年7月の記事一覧
「あの渋沢栄一も期待している」
令和6年度夏休み前の全校集会。
明日から時間を有意義に使うことができる夏休みが始まります。
ぜひ身の回りに目を向け、関心を持ち、身近な課題や問題を考えてみてください。
きっと将来の社会や世界を変える力へとつながるはずです。
やりたいことや夢に出会う夏であってほしいと願っています。
だって、皆さん若者たちに未来を託しているのですから。
前期全校集会
皆さん、おはようございます。
4月の始業式、入学式で始まった令和6年度は、早くも夏休みを迎えます。皆さんにとってのこの3か月半は短く感じたでしょうか?それとも長く感じたでしょうか?1時間は60分、1日は24時間、誰もが同じ時間を過ごしているのに感じ方が違うというのは不思議なものです。
私は、とても短く感じました。あっという間に感じています。今日までの学校生活の中で、皆さんの頑張る姿、輝く姿、笑顔をたくさん見ることができました。私にとってはとても刺激的で楽しい毎日でした。
これまでいろいろなことがありましたが、その中で、一番感激し、うれしかったことを紹介します。
それは、ある日の放課後、教室前の廊下を歩いていた時に目にした光景です。
一人の生徒が、廊下においてあるペットボトルのゴミ箱のゴミ袋の交換をしていました。係でも当番でもないのにです。理由はゴミ箱がいっぱいになったから。私は本当にうれしく思いました。まさに「公共心」、他者の幸せ、みんなの幸せです。
私は、始業式の時に、公共心について話をしました。ぜひ、皆さんには、今一度「公共心」を意識してほしいと思います。
さて、先日7月3日に新紙幣が発行されました。皆さんもご存じのとおり、1万円札には、埼玉県が誇る近代日本経済の父、渋沢栄一の肖像が描かれています。
ところで、その渋沢栄一は、青年(若者)について、次のようなことを述べています。
「世の中は絶えず動いている。従って社会の進歩発達を期するには、時代に適応した人物を要すること勿論である。時代に適応した人物とは、言うまでもなく新人を意味するものであって、新人が出て絶えず世の中の空気を新しくし、向上進歩を計るところに国家社会の進歩発展があり人類の幸福増進もまたここに育まるるのである。この見地により、私は青年諸君に最も望みを属するものである。」
まさに、現在の皆さんに対する期待です。ここにいる皆さんが、未来をリードする人材となる可能性を秘めています。ぜひ、未来を創る人材へと成長してほしいと願っています。
そのために重要なのは、内発的な動機やモチベーション。自分のやりたいことや夢を持つことが大切です。
そこで、夏休みを迎えるにあたって皆さんにひとつお願いをします。
皆さんには、夏休み期間中に、勉強や部活動以外のことに対して、どんなことでもいいので、興味や関心を広げ、疑問や課題を見つけ、自分なりの思考を深めて欲しいと思います。
本や新聞、報道などから社会情勢や自然環境などに関心を持つこともよいですし、身近な課題や困りごとを考えるのもよいと思います。
例えば、お弁当をつくってくれる親を楽にする方法はないか?おじいちゃんやおばあちゃんの困りごとを解決できないか?など、身の回りのちょっとした課題を解決しようと考えてみる。
身の回りに目を向け、関心を持ち、隣にある問題を解決しようとする意識と行動が、社会を変える、あるいは世界を変える力につながっていくはずです。
目の前の問題を解決しようとする。すると何かが変わります。周りが変わり、自分も変わるという経験や自信が、大学受験の先にある将来に向けたモチベーションにつながるのだと思います。
時間を有意義に使うことができる貴重な夏休みです。明日からの38日間を、毎日ルーティンの繰り返しだけで終わらせてしまってはもったいない。いろいろことに関心を持ち、視野を広げ、思考を深めましょう。何か、自分が食いつきたくなるようなことに出会えることを期待しています。
最後にひとつ。皆さんの充実した今、そして、未来を守るために、自転車乗車中のヘルメットをぜひ着用するようお願いします。
どんなに気を付けていても、事故に遭うリスクがあります。例年多くの高校生が、自転車事故により、命を落としたり、頭に大きなけがを負って、後遺障害に苦しんだりしています。一瞬の出来事で、人生が大きく変わってしまう可能性があるということを、どのように受け止めるか、「想像力」がポイントです。
事故に遭ってから後悔したのでは遅いのです。皆さんには後悔してほしくありません。自転車ヘルメットに限らず、自分の未来を守るためにできることは、可能な限り何でもするという意識を持ってほしいと願っています。
それでは、充実した夏休みを過ごし、心身ともにひと回り成長して、8月27日、元気に会いましょう。