校長室より

2024年3月の記事一覧

令和5年度後期終業式

 本日、1,2学年が体育館に集い、令和5年度後期終業式、表彰式、壮行会、グローバルリーダー育成プロジェクト報告会がありました。年度末休業中も各部活動等で大高生は活動を続けます。明日から全国大会に向かう部活動もあります。しかしながら、本日で本年度の学校全体での行事を無事終了することができました。令和5年度は、コロナ禍の影響も少なくなり、予定した教育活動も実施することができました。生徒の皆様、教職員の皆様、PTA後援会等の関係者の皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。終業式の校長挨拶を掲載いたします。 

校長挨拶 

 皆さん、おはようございます。昨日までのスポーツ大会お疲れさまです。こうして一つ一つの行事が終了し、今日は令和5年度を締めくくる終業式を迎えました。皆さんにとって、令和5年度の大高生活はいかがでしたか?1年生は、大高生となって早1年が過ぎようとしています。来月には後輩たちが入学してきます。よき先輩として、新入生に自分たちの経験を話してください。2年生は、間もなく最上級生になります。部活動や行事で下級生たちを引っ張ると同時に、自分自身の夢の実現に向けて、大学受験にもしっかり取り組んでください。

 先週卒業式がありました。1年生は式に参加できなかったので、元生徒会長の守岡さんの答辞の一部を伝えます。「大宮高校で苦楽を分かち合った私たちは、これからも苦難に負けず、仲間を信じて理想へと進むことができます。私たちの歩んだ道が後進の希望となるよう、誇りをもって踏み出します。在校生の皆さん。皆さんもまた努力する逸材です。自分を信じて前向きに進んでいってください。そして困ったときは周りに目を向けてみてください。きっと、皆さんを愛する人々がそばにいます。人と繋がり、これからの大宮高校を担ってください。」このような素敵な答辞でした。さあ、皆さんはバトンを渡されました。皆さんのこれからの活躍を楽しみにしています。

 私からは、皆さんに質問があります。「チーム大宮」という言葉をよく言います。この「チーム」と似ている言葉に「グループ」という言葉があります。「チーム」と「グループ」、この二つの言葉の意味の違いは何でしょうか?言葉の持つ印象の違いで結構です。近くの生徒と90秒間話してみてください。 

 (すぐに意見交換が始まり、意見を発表してほしいと伝えると数人の生徒の手が挙がった。発表してくれた3人の生徒の意見の概要は、「チーム」は、自らの意志で参加し、仲間意識をもって共通の目標を目指す。一方「グループ」は、共通項があるだけの、ただ分類された集団であるという内容であった。) 

 例えば、「チームワーク」という言葉と「グループワーク」という言葉比べると、その意味の違いがはっきりします。「チームワーク」というと、チームのそれぞれが役割を担い、状況に応じて誰もが入れ替わり立ち代わりリーダーシップをとり、他の人の心情を察して叱咤激励をしながら、チーム全員で目標に向かっていくという意味になります。ところが、「グループワーク」というと、ある集団で行う活動という意味になります。「チーム」という言葉には、心や魂が込められている気がしてきますね。

 元世界銀行副総裁の西水美恵子氏は、著書「あなたの中のリーダーへ」(英治出版)の中でグループとチームの違いをこう述べています。

 ●グループは強いリーダーに率いられる。

 〇チームは状況に応じてリーダーシップを分かち合う。

 ●グループは個人が責任を負う。

 〇チームは、誰の間違いでも、全員が共同責任を快く負う。

 ●グループの目標は、指令されるか、所属する組織の目標と同じ。

 〇チームの目標は、チームが自発的に設定し、行動に移す。

 ●グループは各々個人が成果を収める。

 〇チームは個人別の成果に執着せず、全員が共同成果を収める。

 ●グループは能率的に会議を進行する。

 〇チームは、幅の広い開放的な議論と、活発に問題を解決する会議を促す。

 ●グループは、外部への影響力を介して、間接的に業績を見る。

 〇チームは、共同成果を直接評価して、業績を見る。

 ●グループは、議論をし、結論は出しても、実行は委任する。

 〇チームは、議論をし、結論を出して、自ら実行に力を合わせる。

 ●グループは礼儀正しい議論を好む。

 〇チームは率直で正直な会話を好む。

 ●グループはただ黙々と働く。

 〇チームは仕事を楽しみ、笑いが途絶えない。

 ●グループは必要だから集まる。

 〇チームは仲間との集いを待ち遠しく思う。 

 長期休業あけ、新しい年度の始まりが待ち遠しいですね。「チーム大宮」のど真ん中にいる大高生の皆さん、夢を見つけて、その実現に向けての計画を練って、一歩一歩行動に移してください。そして、くじけそうになった時こそ、笑顔を忘れないでください。Dream, Plan, Action and Smile

第74回卒業証書授与式

令和6年3月14日(木)、天候にも恵まれ、第74回卒業証書授与式を厳かに挙行することができました。当日の朝、業務さんに言われました。「昨日の卒業式予行の後、3年生が下足箱を丁寧に掃除をしていたんです。隅々まできれいに拭き掃除をしていました。」これが大高生だと嬉しくなりました。とても寂しいですが、卒業生の前途を祝福し、式辞を掲載いたします。

 

校長式辞                          

 三寒四温を繰り返しながら、気が付けば木々の芽がふくらみ、春の訪れが感じられるようになりました。今日この佳き日に、PTA会長、後援会会長、同窓会会長のご臨席を賜り、保護者やご家族の皆様方とともに「埼玉県立大宮高等学第74回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。皆様、誠にありがとうございます。

 ただ今、卒業証書を授与しました351名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんの3年間にわたる努力と成長に心から敬意を表します。 

 皆さんは、3年前、コロナ禍の県立高校入試を突破し大高生となりました。当時はまだ学校行事や部活動が制限され、宿泊行事や部活動の大会が中止になるなど、辛い思いをした人も多かったでしょう。2年生になってからは、行事や部活動の制限も徐々に緩和され、文化祭や体育祭も実施できるようになりました。しかし、文化祭直前で学級閉鎖になり、感染を拡大させないために登校を禁じられ涙をのんだクラスもありました。準備の途中になったままの教室を思い出します。秋には、沖縄への修学旅行も実施できました。中学時代に経験できなかった修学旅行を大高の仲間と経験できた人というも多く、いつまでも語り合えるよき思い出となったことでしょう。3年生になってからは、部活動の大会や学校行事もコロナ前に戻り、ドイツ姉妹校への派遣も実施できました。皆さんは、最上級生として行事を盛り上げ、部活動では立派な成果をおさめました。体育祭で全団の団長と一緒に選手宣誓ができるとは、、、私にも素敵な思い出ができました。 

 私は、皆さんの授業をよく覗きにいきました。教室の前から、皆さんの真剣な眼差しを見るのが好きでした。教室の緊張感と時折起こる生徒の笑い声も好きでした。生徒同士での活発な話し合いも、聞いていて楽しいものでした。よき仲間、生涯の友ができましたね。ずっと大切にしてください。 

 コロナに翻弄された大高生活でしたが、皆さんはその時々の状況を真摯に受け入れ、今自分たちが置かれている環境の中で最善を尽くしました。これが、大高生のすごいところです。この「現況の中で最善を尽くすこと」はとても大きな力になります。少々不本意ながらも、このままでは十分でないと思いながらも、自分が置かれている環境の中で、努力していると次の扉が必ず見えてきます。これが本当にやりたいことなのかと迷いながら、もがきながらでも、自分ができることに真摯に取り組んでいる人には、別の道が必ず現れます。次の扉を開けたり、別の道に進んだりしても、これまで真摯に向き合い努力してきたことは絶対無駄にはなりません。むしろ、その経験が次に生きてきます。これから、今よりも広く新しい世界に進む皆さん、自分が置かれた環境の中で、楽しみながら最善を尽くしてください。心が折れそうになったら、もっと強くなろうなどと無理をする必要はありません。そんな時は、大高の仲間を頼ってください。 

 大学等に進学し、新しいスタートラインに着く皆さん、皆さんが活躍するフィールドは世界です。世界の同じ世代の人たちがどのような考えを持ってどのような活躍をしているのか、注目してください。高校時代が夢の土台作りの前期だとすれば、大学時代は、夢の土台作りの後期です。土台は広ければ広いほどその上に高いものがそびえます。まずは多くの人に出会ってください。自分と異なる価値観に出会ったら、そむけずにまずは関心を持ってください。価値観が多様に存在する中で全ての人が幸せで持続可能な生活を営むことができる社会を創ることはとても難しいことです。しかし、これが皆さんに求められている命題です。様々な分野で未来を創るトップリーダーとなるための、広い土台をつくってください。 

 来年、もう一度チャレンジする皆さんに、42年前に浪人生活を経験した者として私事をお話しします。私の予備校での最初の英語の講義でした。その先生は、小柄でぽっちゃりした男性で、教室に入ってくると生徒たちから笑い声がおこりました。するとその先生はこう言ったのです。「何がおかしい。大学生は学生だ。就職した人は社会人だ。お前たちは学生でも社会人でもない。何者だ。宇宙人か。宇宙人なら合格するまで上向いて歩くな。」強烈でした。私はなぜかその先生に惹かれ、英語が好きになり、英語教師となりました。今の自分があるのは、浪人したあの1年があるからです。浪人というのは、1つの目標だけを目指すことが許されるいわば贅沢な1年です。家族や周囲の人たちに感謝の気持ちを忘れずに全力で挑戦してください。過去の事実は変えることはできませんが、過去に起こった出来事の意味は変えることができます。朗報を待っています。 

 保護者・ご家族の皆様、お子様のご卒業、心からお祝いを申し上げます。コロナの状況が変化していく中で、感染拡大防止と教育活動の継続をどうのように両立していくか、私たちは常に悩みました。後になってみれば、こうした方がよかったという反省もあります。その中で、保護者の皆様のご理解とご協力を得ながら、お子様の成長を共に伴走できたことは、私たち教職員にとって心強い支えとなりました。PTA行事も再開していただき、「チーム大宮」の素晴らしさを改めて感じました。深く感謝の意を表します。ありがとうございました。 

 結びになりますが、卒業生の皆さん、私は、皆さんの真摯に取り組む姿に感動し、皆さんと目と目を合わせての挨拶や笑顔、そして何気ない会話で、いつも元気を頂きました。ありがとう。これからも、誰かに何かを与えられる人であり続けてください。皆さんのこれからの活躍を心から願っています。Dream, Plan, Action and Smile 

                           令和6年3月14日

                               埼玉県立大宮高等学校長   鎌田 勝之