校長室より

2022年8月の記事一覧

前期再開 全校集会 校長講話

夏季休業期間が終わり、令和4年8月29日(月)から前期を再開しました。リモートでの全校集会校長講話を掲載いたします。

 

皆さん、おはようございます。

 夏休みも終わり、前期が再開します。皆さん、長期の休みを有意義に過ごせましたか。夏休み中も、多くの生徒が登校し、部活動や講習に熱心に取り組んでいました。部活動では、この後、報告会や壮行会が予定されていますが、多くの部活動で素晴らしい成果の報告を受けています。よく頑張りました。

 一方で、新型コロナウイルス感染症や怪我等で、大会への参加ができなかった生徒もいます。本当に辛い日々を送ったと思います。辛い経験を乗り越えたとき、人は成長します。新たな気持ちで、前に進んでほしいと願います。

 1年生は、ひと夏を越して体力がついた実感はありますか。長時間の通学にも慣れ、学校から家に帰るとそのままバタンと寝てしまうことはもうないはずです。勉強、部活動、学校行事に積極的に取り組みましょう。2年生は、学校の中核です。部活動や学校行事にリーダーシップを発揮してください。3年生、今年の夏は集中して勉強に取り組むことができたでしょうか。家族の方とは進路について話をしていますか。受験シーズンになると思い出す話があるので紹介します。17年程前に新聞に掲載された中学3年生女子生徒の投稿です。『高校受験を控えて、母親が勉強のことを言ってくるのがうとましく感じて、あまり話をすることがなくなった。でも、お弁当をつくってくれたり、受験を応援してくれたりする母親に、心の中では感謝している。感謝の言葉をなかなか口にできないから、ありがとうの気持ちを込めて、毎朝、元気な声で「いってきます」と言って学校に行く。』このような内容の投稿でした。皆さん、元気な声で「いってきます」と家族に言って、登校しましょう。

 前期を再開するにあたり、皆さんへのお願いが2つあります。

 一つ目は、長期休業明けは、悩んだり、不安になりやすい時期です。悩み事や不安に感じることがあったら、一人で悩まずに、担任、部活動の顧問、教科担当の先生、誰でもよいですから、相談できる人に話してください。悩みのない人はいません。ドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラーの『友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする』という名言がありますが、まさしくその通りです。一人で抱え込まずに、まずは誰かに話してみてください。悩みや不安は、立ち止まっていると膨れてきます。何もしないでいると理由もなく大きくなっていくものです。心の持ちようも大切です。よい例ではないかもしれませんが、自宅の庭の草取りの話をします。猫の額ほどの庭に草が生えてくると、今週末草取りをしなきゃと思うわけです。週末になると、炎天下で、いいや来週にしようと思うわけです。サボっていると、やらなきゃと悩むわけです。自分はダメな人間だなんてことも思うようになります。ところがある日の朝、何の気なしに1本の草を抜くと、そのまま一気に草取りができてしまう。実に不思議です。不安で立ち止まっていると思ったら、できることからを始めてください。その第一歩は誰かに話すことかもしれません。

 二つ目は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。まず、発熱等の風邪症状がみられる場合や家庭内に体調不良者がいる場合は、休みましょう。また、教室や部活動や文化祭の活動場所の換気を徹底しましょう。窓を開け、換気扇、エアコン、サーキュレーターで空気の流れをつくり、室内に空気がとどまらないようにしましょう。食事や更衣などマスクを外す必要がある時は、会話をせず、細心の注意を払いましょう。文化祭や修学旅行等、これから予定されている学校行事が実施できるよう、生徒も教職員も感染防止対策としてできることを徹底していきましょう。

 

 最後に、私からの宿題を確認します。夏休み中、一日一回は笑顔をつくった人、手を挙げてください。ある先生が笑った日にスマイルマークを手帳につけていますと報告してくれました。話を聴いていただけたと嬉しくなりました。私は、皆さんには笑顔が素敵な大人になってほしいのです。笑顔は、自分も前向きな気持ちになれて、人も幸せにできるのです。私も、生徒の皆さんの笑顔と挨拶からたくさん元気をいただいています。さあ、笑顔で有意義な学校生活にしていきましょう。Dream、Plan、Action!

 

 

「英治出版」でのインターンシップ

 8月1日から5日までの5日間、渋谷区恵比寿にある英治出版で、本校2年生1名がインターンシップを経験させていただきました。英治出版は、「学習する学校(ピーター・M・センゲ著)」「あなたの中のリーダーへ(西水美恵子著)」など、教育分野でも話題となる本を多数出版している会社です。

 8月5日(金)、インターンシップ最終日に英治出版を訪問させていただき、インターンシップ報告会に参加しました。一緒にインターンシップに参加した島根県立高校の生徒さんは、「どこで働くかよりも誰と働くかが大切であり、仕事に対して新しい視点をもつことができた。」と話していました、本校から参加した生徒は、「企画会議や書店回りにも参加させていただき、一つの本を出版するまでに多くの人々がかかわっていて、働くということはどういうことなのかを初めて実感した。」と話していました。2人の進路は大学進学ですが、高校時代に企業でのインターンシップを経験することで、大学卒業後を見据えた大学選びや、大学進学後も充実した学生生活が送れるのではないかと思います。

 さて、英治出版代表取締役社長の原田英治氏を紹介していただいたのは、独立行政法人国際協力機構(JICA)の高田健二氏でした。高田氏は、埼玉県教育委員会が実施したブラジルやフィリピンへの草の根技術協力事業で大変お世話になった方です。2017年4月から2021年5月まで島根県海士町に出向し自治体職員として活躍していました。その高田氏より、「英治出版の社長を紹介したい。素敵な方です。大宮高校の卒業生ですよ。」と連絡があり、5月中旬に会うことができました。原田氏は、海士町での親子島留学に参加し、海士町や髙田氏と深い絆ができたとのことでした。初めてお会いした原田氏は、話題の本を数々出版している社長でありながら、実に自然体な方で、「仲間とつくる現実は理想を超えていく」という理念が実に印象的でした。

 実は、大宮高校にも昨年度一年間、島根県に派遣された教員がいます。その先生が今回のインターンシップに本校生徒が参加できるよう働きかけ、実現することができました。年度当初、教育課程外で探究活動ができないかと考え、全校生徒に募集をかけ、9名の生徒とともに「グローカル探究」の活動を始めました。過日、不動岡高校と共同開催した「ウィキペディアタウン」のフィールドワークも「グローカル探究」の一環です。今回のインターンシップに参加した生徒もメンバーの一人です。島根県で学んだ地域との連携した探究学習を積極的に進め、一年間の派遣の成果を発揮しています。

 海士町の自治体職員として活躍したしたJICAの高田氏、海士町の親子島留学に参加した英治出版の原田社長、島根県に派遣された本校教員、今回のインターンシップは、人と人との繋がりで実現されたのだと思います。仲間とつくる現実は理想を超えていくと、人との繋がりを大切にしている英治出版の原田社長とスタッフの皆様のお陰で、参加させていただいた生徒は、本当に充実した5日間を送り、成長することができました。心より感謝申し上げます。