2024年11月の記事一覧
【理数科日誌】 データサイエンス探究報告会に向けて…
文部科学省「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の予算を活用して、本校のやまぼうし会館1階の整備を進めています。
大型モニターやプロジェクター、スクリーンなどの環境を整えて、「理数探究」の校内発表をはじめとしたICT機器を用いたプレゼンテーションの利便性向上を目指しています。
ICT機器だけでなく、現在の学校教育の潮流でもある「主体的・対話的で深い学び」を実現するために従来の四角い机から、組み合わせて六角形になる机(写真右)に変えて対話が促進される場所づくりも進めています。
11月29日(金)、理数科1年生42人の協力のもと、古い机と新しい机の入れ替え作業を行いました。
整備担当の教員からの指示に耳を傾け、作業内容を確認するやキビキビとした動きで予想よりも短い時間で作業完了!
現在進行中のデータサイエンスの探究活動、1/14(火)の午後に校内報告会を予定しています。
会場はもちろん、このやまぼうし会館。自分たちで整備して、リニューアル後第1号のイベントとして利用予定です。
(過去の記事)
・ データサイエンスの実験教室
・ 続・データサイエンスの実験教室
【11/16(土)理数科説明会の様子について】
11/16(土)午後に、理数科説明会および、理数科2年生による探究活動の中間発表会を開催しました。
(以下の写真は学校長、教頭による説明会の様子)
(以下の写真は理数科主任、生徒司会による説明会の様子)
日頃の探究活動では、数学、理科(物理・化学・生物)の中で生徒本人が興味関心を持った事柄を中心に研究しています。
(以下の写真は理数科生徒による探究活動の中間発表会の様子)
(以下の写真は理数科生徒による学校生活の話の様子)
本校までお越しくださった中学生ならびに、保護者の皆さま、ありがとうございました。このような機会が理数科に関して、さらに深く知っていただける場となれば幸いです。
【科学の甲子園埼玉県大会での様子】
11月16日(土)に東洋大学朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)で開催された第14回科学の甲子園埼玉県大会に本校から2チーム出場しました。
Aチーム(2年生の大島さん、大出さん、田邊さん、近岡さん、古川さん、矢野さん)
Bチーム(2年生の遠藤さん、小岩さん、高橋さん、谷川さん、宮﨑さん、山田さん)
(写真は大会に出場した生徒の集合写真)
この大会では筆記競技と実技競技による総合成績で順位を決定します。
(写真は筆記競技での様子)
(写真は実技競技での様子)
(写真は結果発表・表彰での様子)
競技の結果、入賞や全国大会出場権の獲得には至りませんでしたが、大会でこれまでの取り組みの成果をしっかりと見せてくれました。この貴重な経験を持ち帰り、今後の学校生活や来年度の大会に活かしてくれると思います。
【理数科日誌】 続・データサイエンスの実験教室
文部科学省「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」に関する取り組みの一環として、10月22日(火)に本校理数科1年生を対象にデータサイエンスの実験教室を行いました。今回はその続報です。
10月22日(火)の実験教室をスタートラインとして、11月5日(火)、11月19日(火)の「総合的な探究の時間」を利用して、理数科1年6組はAI解析ツール「CatData」を利用した探究活動を行いました。
11月5日(火)は、3人のグループをつくり、グループのメンバーと話し合いながら探究テーマを何するかアイデアを出し合いました。
11月19日(火)は探究テーマを具体化しつつ、Web上の公開データを収集して、どのようにCatDataによる解析を進めていくかグループ内で盛んにディスカッションをする様子が見られました。
生徒達は先月使い始めたCatDataを使いこなし始めており、その適応能力の高さに驚かされます。
とはいえ、ツールは使うことが目的ではなく、そのツールで何をするかが大切です。
来年1/14(火)の「総合的な探究の時間」に予定されている探究活動の報告会が楽しみです。
【大高人×理数科推進部】 微生物実験教室(東京薬科大学)
実施会場 東京薬科大学(東京都日野市)
実施日 11月9日(土)
本校卒業生、大高人の中南秀将教授(薬学部 臨床微生物学教室)による微生物実験教室が開催され、本校生徒10名(理数科5名、普通科5名)が参加しました。
本実験教室のテーマは「口の中のミクロの世界を覗いてみよう」でした。
生徒は自分自身の口腔内の細菌を採取してグラム染色し、油浸レンズを用いて1000倍の高倍率で観察しました。
その様子をご覧ください。
【実験の準備】
概要説明を中南教授から受け、いざ実験準備。
医療従事者が使用するものと同じ、使い捨てのガウンを着用します。これだけでもワクワク感、期待が高まります。
【微生物の採取】
観察対象は自分自身の口の中にいる細菌です。
滅菌済みの綿棒を口に含み、歯茎からやさしくこすり取り、スライドガラスに塗り付けます。
【グラム染色】
グラム染色は、検体中に存在する細菌を「青色(グラム陽性菌)」と「赤色(グラム陰性菌)」に染め分ける染色法です。
試薬によって染色時間が異なるため、はじめは戸惑う生徒も目立ちましたが、中南教授とスタッフの皆さんの指導によりスムーズに実験を進めていきます。
【観察、スケッチ、撮影】
染色を終え、試料にエマージョンオイルを滴下したら、いざ観察!
はじめは自分が観察しているモノが本当に細菌なのか確信がもてません。中南教授も生徒の顕微鏡をのぞき込みながら観察のポイントをレクチャーして回ります。自分の細胞(角質)と細菌の大きさの違いに驚きの声が上がる場面も。
細菌をスケッチしたり、スマートフォンで撮影したり、心ゆくまでじっくり観察しました。
【培養した細菌の観察】
口腔内の細菌観察の後は、中南研究室で純粋培養したシャーレを観察しました。
サンプルには枯草菌や表皮ブドウ球菌のような比較的安全なものから、肺炎球菌や化膿レンサ球菌、緑膿菌のような病原体まであり、生徒も興味津々。もちろん、シャーレを見るだけでなく、顕微鏡でそれぞれの細菌を観察しました。
【研究室見学】
研究テーマに関する紹介や、装置や設備の説明を受けます。危険な病原体も扱うため、装置内を陰圧にして細菌やウイルスが漏出しないようにするなど、中南研究室では細心の注意を払いながら研究しています。
そしてなんと、BSL-3(バイオセーフティレベル3)の実験室の見学もさせていただきました!
新型コロナウイルスやペスト、結核、腸チフスなどがBSL-3相当です。国立感染症研究所と共同で研究することもある中南研究室だけに、設備も充実しています(ただし、維持管理に年間かなりの予算を割いているとのこと…)。
最後は中南教授(前列左から2人目)と生徒達で記念撮影。貴重な体験をさせていただきありがとうございました!
(あとがき)
今回の実験教室、実は先日行われた1年生対象の大高人ワークショップでの出会いがきっかけです。
ワークショップの講師として来校した中南教授と、本校理数科推進部の小林(筆者)が「将来理数系人材として活躍する大高生の育成」で意気投合し、「まずはやってみよう!」ということで中南教授に今回の実験教室を企画していただきました。
事前に参加者を募集をしたものの、限られた候補日の中で急遽11/9(土)実施が決まったこともあり、希望者全員に参加してもらうことができませんでした。
第2回の実験教室実施に向け、中南教授とも調整中です。次回は余裕をもって実施日を案内できるようにしますので、今回参加できなかった生徒はもちろん、この記事を読んで参加したくなった大高生の参加をお待ちしています。
【理数科日誌】 最先端研究施設訪問
訪問先 高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)
訪問日 11月1日(金)
本校理数科1年生の恒例行事、高エネルギー加速器研究機構(以下、KEK)を訪問しました。
最先端の研究施設を訪問し、素粒子物理学の世界に触れる貴重な機会となりました。
【展示ホール】
小林誠博士のパネルとの記念撮影は最早お約束。触れる展示資料を楽しみ、この後の施設見学への期待が高まります。
【筑波実験棟】
SuperKEKB(スーパー・ケックビー)こと、電子・陽電子衝突加速器を見学……できませんでした!
なんと天井工事のため、全面ブルーシート。所員の方曰く「貴重なブルーシート姿」とのこと。見学ルート手前の模型で装置の特徴を説明していただきました。
【超電導リニアック試験施設棟】
SuperKEKBは見学できませんでしたが「その代わりに…」ということで、なんと国際リニアコライダー計画の試験施設を見学させてもらえました。地下トンネルに「潜入」し、巨大かつ精密な実験装置に生徒達も興味津々の様子でした。
【フォトンファクトリー(放射光実験施設)】
放射光は、光速近くまで加速された電子が磁場によって進行方向を変える際に放出される光(電磁波)です。
見学ルートから見下ろすことができる実験装置の周りでは、研究者が寝食を忘れて分析を行う姿が見られました。こちらの存在に気づいた研究者が手を振り、理数科生徒が手を振り返す和やかな場面もありました。
【講義、霧箱作成実習】
素粒子物理学に関する講義と、霧箱作成実習。
線源からピューン!と飛び出す放射線の飛跡はずっと見ていられます。本校のカリキュラムでは1年生で物理を扱いませんが、それでも素粒子物理を間近に感じられる体験でした。
【質疑応答】
講義・実習後のアンケート記入の時間、講師の與那嶺先生の「何か質問があればどうぞ」という言葉に目の色を変える生徒たち。ここぞとばかりに列を作って與那嶺先生を質問攻めに…!與那嶺先生も時間いっぱいまで生徒たちの質問に答えてくださりました。その光景に広報室の方も「なかなかこういう学校はないですよ」と驚きの様子。
大宮高校理数科。その名にふさわしく理数分野が好きで好きでたまらないんだなぁ、と思わされる一幕でした。
最後は全員で集合写真。理数科1年42名による最先端研究施設訪問が無事に終わりました。
【理数科日誌】 データサイエンスの実験教室
文部科学省「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」に関する取り組みの一環として、10月22日(火)に本校理数科1年生を対象にデータサイエンスの実験教室を行いました。
本実験教室は、AIやデータサイエンスといった最先端の技術に触れる機会を生徒に提供し、これからの社会で求められる能力の育成を目的として実施いたしました。株式会社リバネスの協力のもと、AI解析ツール「Humanome CatData」を用いて、以下の内容を行いました。
- データの収集と可視化
- データ分析の基本
- グループワークによる課題解決
生徒たちはノーコードで直感的な操作が可能なツール「CatData」を使い、本実験教室の講師(株式会社リバネス所属)のご専門であるレタスの成長に関する研究で得た膨大な実験データを分析しました。最初は戸惑いが見られた生徒たちも、徐々にツールの使い方に慣れていき、積極的にデータの可視化や分析に取り組む姿が見られました。
グループワークでは、生徒たちは活発に意見交換をしながら、与えられた課題解決に向けて協力し合い、夢中になって取り組んでいました。各グループが分析結果に関する考察を発表し、その後も活発な質疑応答が行われました。3時間という実施時間が短く感じられるほど、たいへん充実したものとなりました。
本実験教室に参加した理数科生徒からは…
「データは細かくて面倒くさいと思っていたけど、新たな発見をするためにはとても大切なものだとわかった」
「大量にあった方が予測の精度は高まるし、中央値や平均値、外れ値など、データで見るべき適切な部分があることがわかった」
「AIに学習させても必ずしも完璧に予測できるわけではなく、学習させるデータの選択など、人間のアプローチが大切だとわかった」
…といった感想が寄せられました。
データサイエンスへのAI活用という、まさに「旬」の実験教室でした。現役バリバリの研究者でもある講師の方々とのコミュニケーションを含め、来年度の「理数探究」に向け、理数科の生徒にとってとてもよい刺激になりました。
今回の実験教室を実施していただいた株式会社リバネスによるリリースは こちら からご覧ください。