校長室より

令和5年度第76回入学式 校長式辞

令和5年度の大宮高校が始動しました。部活動の生徒たちが自分たちの部活紹介の看板を持ち声をかけ、吹奏楽部の演奏で生徒を迎え、音楽部が校歌を披露しました。コロナ前の様子がやっと戻ってきたと感じました。式後ホームルームを終えた新入生と保護者の皆さんが、長い列をつくり、次々と正門前のヒラヤマスギに掲げた入学式のボードと記念の写真を撮っていました。皆さんがこの日を待ち望んでいたのだと感じました。

 

令和五年度 埼玉県立大宮高等学校 入学式 式辞

 正門の桜の木も桜色から緑色となり、まさに若葉の季節となりました。これから色濃くなっていく柔らかな緑色をした若葉と本日大高生となった皆さんの姿とが重なります。本日ここに保護者の皆様と共に、令和5年度 埼玉県立大宮高等学校 第76回入学式を挙行できますことは、私たち教職員と在校生にとりまして誠に大きな喜びであります。

ただ今、入学を許可いたしました359名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎いたします。 

 皆さんは、新型コロナウイルス感染拡大が長期にわたる中で、中学3年間を過ごしました。臨時休校から始まり、学校行事や部活動が次々に中止や延期になりました。どこにも当たれない憤りをおぼえたり、もっと青春を謳歌したいと思ったり、自分の感情を抑えることが難しいこともあったと察します。その中で、皆さんは本校の入学者選抜を突破しました。これは、皆さん一人ひとりの努力の賜物です。よく頑張りました。同時に、皆さんの努力は、保護者をはじめとする御家族や、指導していただいた先生方など、多くの人たちの支えや励ましがあって成しえたことでもあります。そんな気持ちを改めて心に刻み、感謝の心を持って、大宮高校での生活を踏み出してください。

  さて、私たちは、今、「答えのない時代」を生きています。グローバル化の進展、目まぐるしい通信技術の進化、生産年齢人口の減少,など,社会構造は大きく,急速に変化しています。また、ウクライナでの戦争は未だ継続し、電力も物価も高騰し、平和で豊かな生活が続くという確信も持ちにくくなっています。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックにより日常生活は大きく変わりました。未来がどうなるのか予測することが困難な時代を生きています。

  こんな時代にだからこそ、私は皆さんに大きな夢や理想を頂いてほしいと強く願います。どんな未来を創りたいか、どんな社会を築いていきたいか、自分はどんな分野で社会に貢献したいのか、真剣に真剣に考えていただきたいのです。なぜなら、皆さんは、様々な分野で未来を創るトップリーダーとなる人材であり、そのために大宮高校の教育があるからです。 

 高校時代というのは、夢や希望を実現するための広い土台をつくる時だと思います。「未知なこと」「予測不能なこと」は日常的に起こります。一つの出来事が複雑に影響し合って事態が思わぬ方向に進むこともあります。将来、このような時代に対応できる力を持つようになるには、今、広い土台をつくることが必要です。皆さんには広い土台をつくって、将来、その上に専門性を高めていってほしいと願います。この土台作りの基本は、全ての授業を大切にすることです。保健や家庭など大学受験科目にない授業も含めて全ての授業を大切にしてください。また、大宮高校の授業には、生徒同士の話し合いの場面がたくさんあります。是非、自分の考えを多くの生徒と話し合ってください。各教科の学び合いで、広い土台をつくり、「自分の頭で考えて自分の考えを持てる力」を身につけてください。先生と生徒が共に学び、生徒同士が学び合えることが大宮高校の最大の教育力です。 

 部活動や学校行事も、皆さんの広い土台づくりにはとても重要です。是非とも、自ら主体的に参加して自主自律の精神を養ってください。また、何をしている時が自分は楽しいのかをよく分析して、是非、得意な分野をつくってください。同時に、苦手なこともどうすれば楽しくできるか考えてチャレンジし、多くの仲間と一緒に、楽ではないけど楽しい大高生活を過ごしてください。一緒に苦楽を共にした大高の仲間は、必ず生涯の財産になります。

 皆さんに、私が好きな言葉を贈ります。

「Dream, Plan, Action」

まずは、夢を持ってください。夢を見つけてください。そして、夢を実現するためには何が必要か、どんなことをすればよいか計画してください。計画したら、立ち止まらず、何でもいいからできることから行動してください。その一歩が、次の新たな一歩を生み出します。 

  最後に私から皆さんへの宿題です。一日に1回自分の笑顔を鏡で見てください。笑顔をつくると気持ちが前向きになります。私は、生徒から笑顔で挨拶をされるととても幸せな気持ちになります。皆さんの笑顔は、自分も人も幸せにする力があるのです。笑顔を大切にすること忘れないで、大高生活を過ごしてください。

「Dream, Plan, Action and Smile」

  ここで、保護者の皆様に申し上げます。皆様の大切な宝物をお預かりいたします。教職員一同全力で支えていきます。家庭と学校は、いわば車の両輪です。「子供の成長をともに喜びあう関係」を築くことができたらうれしい限りです。本校への御理解と御協力をお願い申し上げます。 

 結びになりますが、3年後、大きく成長した新入生の皆さんを保護者の皆様と祝福する日を祈念いたしまして、式辞といたします。

 令和5年4月7日 

                                    埼玉県立大宮高等学校長 鎌田 勝之