校長室より

「誰だって、弱い自分を持っている」

大高生に求める自主自律、それは「自分で考えて、自分の意志で判断・行動し、その結果に自分が責任を持つ」ということ。

自信を持って決断し前に進むためにも、授業や行事、部活動に全力で取り組み、趣味や読書なども含めたいろいろなことを通して知識を深めるとともに、多種多様な経験を積んでくれることを願っています。

でも、誰もがみんな常に自信を持って行動できるものではありません。前に進むことができない自分に自信が持てなかったり、自分を否定したくなってしまったりすることが誰にでもあります。

そんな時は、ぜひ誰かを頼ってみてください。自分の心の内を誰かに伝える一歩を踏み出すことが打開策です。

 

 前期全校集会②

 

 皆さん、おはようございます。

 連日大変な酷暑が続いた夏休みが終わりました。この間、学校では、各種の補習や夏期講習が行われ、多くの皆さんが学校に足を運び、熱心に参加していました。特に、お盆の期間中も集中を切らすことなく講習に参加し、教室で黙々と勉強する3年生の姿は、大高生の頼もしさを感じるものでした。

 また、部活動では、皆さん一人ひとりが、この暑さの中で安全に活動するための工夫をしながら、自分たちの目標に向かって努力を重ねていました。いずれの生徒も、自分の意志で、自分の高校生活を創り上げているという印象を持ちました。「やらされている」のではないというのが、大高生の強みだと感じています。

 勉強や部活動はもとより、何事においても大切なのは、主体性です。自分にとって必要なことは何か、どのようにすべきかを自ら考え、行動することです。親や教員の支援を受けながらも、「自分で考えて、自分の意志で判断・行動し、自分が結果に責任を持つ」ということが、皆さんに求める自主自律の精神です。

 「結果に責任を持つ」ということは「環境や他人のせいにしない」ということですから、自信を持って自分が判断・行動する必要があります。そのためにも幅広く豊富な知識と経験を大切にしてほしいと思います。

 知識は、自信ある行動選択をする際の大切な判断材料になります。とりわけ情報過多ともいわれる今の時代にあっては、正しい情報を見極める上でも重要です。また、知識だけでなく、成功や失敗を重ねた多様な経験が、自分の判断を後押ししてくれるはずです。日々の学びや経験の一つひとつが、人生を創り上げる礎であるということを意識してください。

 ぜひ、授業や行事、部活動に全力で取り組み、趣味や読書なども含めたいろいろなことを通して、知識を深めるとともに多種多様な経験を積んでほしいと思います。

 とはいっても、誰もがみんな常に自信を持って行動できるものではありません。壁にぶつかったとき、自分一人で悩みや苦しみを抱え、前に進むことができない自分に自信が持てなかったり、自分を否定したくなってしまったりすることが誰にでもあります。

 そんな時は、ぜひ誰かを頼ってみてください。友人や親、教員、近くにいる誰かを頼ってほしいと思います。自分の心の中に悩みや苦しみを抱えているときが一番つらいものです。

 誰もがみんな、弱い自分を持っています。弱音を吐くこと、本当の自分の気持ちを伝えること、誰かに頼ることや助けを求めることは、恥じるようなことではありません。自分の心の内を誰かに伝える一歩を踏み出すことが打開策です。周りの人は意外と頼りになるものです。「案ずるより産むが易し」、教職員も必ずあなたの声に耳を傾けますし、校長室に来てもらっても大丈夫です。苦しいときこそ、一歩を踏み出してくれることを願っています。

  ところで皆さん、この夏休みは「南海トラフ地震 臨時情報(巨大地震注意)」という言葉に驚いた人も多いのではないでしょうか。

 幸い今のところ巨大地震は発生していませんが、神奈川や茨城で震度5弱の揺れを感じる地震も発生しており、改めて私たちは地震大国に住んでいることを実感します。埼玉県もいつ大きな地震の被害を受けるかわかりません。もしもの時は、どんな場所にいたとしても、まずはその場で周りの危険物を確認して、「身を低くする」「頭を守る」「動かない」という身を守るための3つの行動をとり、地震の揺れが収まったら冷静に避難することが大切です。 

 地震はいつどこにいるときに起こるかわかりません。もしかしたら明日かもしれませんし、今日かもしれません。文化祭の最中に大きな地震が発生するかもしれません。もしそうなった場合、あなたはどのような行動をとりますか。その場に教員がいないかもしれません。生徒以外の来校者「お客様」がいます。お客様に何という声をかけ、どのような指示や誘導をしますか。ぜひ想像してみてください。

 もしも、登下校中だったらどうしますか。どのようにして安全を確保し、どこに避難しますか。どのようにして家族と連絡をとりますか。ぜひ想像してください。そして、できる備えをしてください。

 自転車ヘルメットの話の時も言いましたが、自分の未来を守るためにできることは、可能な限り何でもするという意識を持ってほしいと願っています。

 それでは、文化祭から始まる前期の後半戦。メリハリをつけながら高校生活に精一杯取り組み、楽しく充実した毎日になることを願っています。皆さんのはつらつとした姿を楽しみにしています。