2学年 作家 二宮敦人さん講演会
在り方生き方教育講演会
11月29日(木)5時間目LHR
珍しい来校者がいらっしゃいました。リュックサックを前に背負ったその方の風貌は普通の様で普通の人ではありません。その方の名前は二宮敦人。今回の講演者でございます。
二宮敦人さんは1985年東京都生まれ。東京都出身。一橋大学経済学部卒業。ジャンルに富んだ数々の小説を世に送り出している小説家です。代表作は『郵便配達人花木瞳子が顧り見る』、『占い処・陽仙堂の統計科学』、『一番線に謎が到着します』、『廃校の博物館 Dr.片倉の生物学入門』など多数。『最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常―』が10万部を超える大ヒット作となりました。Googleで“最後のひk…”まで打ち込むと、予測変換の1番上に来ます。
そのような方がどのような話を…?
まったく予測ができない講演会が始まりました。
体育館に集まった2学年全員が見つめる先に映った最初のスライドは…(実際のものです)
お、なにか怪しい語りだし
そして…
一緒に?
今日は一体何が始まるのだろう
多くが講演会の行く末を不安に思ったことでしょう。
しかし
数々の講演会やラジオ出演の御経験のある二宮先生の言葉選びは絶妙で、生徒は次、その次と語られるその言葉に食い入るように耳を傾けておりました。
二宮先生が『小説は苦手』であり、小説を書こうとしている時は全然書くことはできないらしく、むしろ『何も考えずピアノをアドリブで弾くみたいにキーボードが打てる日がはかどる日』であり、自身を『小説を書くみたいに小説を書かないように小説を書かなければならない小説家』と語った際には、生徒はソウイウモノナノカ…とわかったような、わからないような顔をしているのですが、その口角が上がっておりました。笑っているわけではありません。口角が上がっている人の心理としてはその対象に対して好意的であり、むしろ自分の存在を相手に認識してほしいという意識であり、本校の生徒が話を聞く体制として理想的な状態なのです。
生徒は肩の力を抜いて聞くことができ、
二宮先生もゆったりとした優しい口調で話してくださりました。
それがかえって良い雰囲気を生み出していたのではないでしょうか。
講話は流れるように進んでいき、あっという間に時が過ぎ、20分ほどで終了したのでした。
ん、20分?
そう20分で講演は終了したのです。
しかし、そこからが今回の講演会の最高潮でした。
主役は講演者の二宮先生から生徒達にも分散されていきました
生徒は次から次へと質問をし、
その多岐にわたる質問に対し二宮先生が語り、
その質問と語りのキャッチボールはまた先ほどとは違った脳への刺激となり、
生徒達の興味関心態度は最高潮になっていったのです。
それを多くの生徒の表情から見て取ることができました。
良い講演会となりました。
以下生徒感想(抜粋)
・今回の講演は、今までの考え方に衝撃を与える講演だった。
・人生の中で一度は真剣に事に取り組むという経験が必要なのではないかと思った。
・今までの考え方とは、まったく違う新しいものの考え方でした。
・最近自分は進路選択にあたり、やりたいことや突き詰めたい分野をいまいち見つけられず、どう進むことが自分の将来として、また世間的に正しいのかを基準にしている面がありました。
・『楽をしてうまくいく方法を探すというのは、大変な努力をする』という考えは、学力向上のための手段が目的にすり替わらないようにするためにも大切な心構えだと思いました。
最後に
二宮先生曰く
『この世の中考えてもわからないこと意外に多いんですよ』
だそうです。
悩んでばかりでは駄目なのですね。