理数科日誌

【理数科日誌】大学セミナーを開催しました

12月16日(木)の午後、理数科1年生(+希望者)を対象に「大学セミナー」を開催しました。

講師は、東京大学大学院の 齋藤継之 准教授です。

齋藤准教授は、鋼鉄の 1/5 の重さで 5 倍強いとも言われる、木材由来の新素材“セルロースナノファイバー”を開発され、持続可能な循環型社会の実現に「農学」で貢献されています。

今年度は齋藤先生の研究室を訪問させていただく予定でしたが、コロナ禍で研究室訪問が難しい状況であったことから、昨年と同様に講演をお願いしました。

 

『農学と木とナノテクノロジー』というテーマで始まった講演では、先生の研究内容やその意義、専門の研究対象を見つける過程などについて、本校生徒に向けてとても分かりやすく工夫して説明していただきました。

 

       

 

  • 木材の重さの半分を占めるセルロースを、ナノスケールの繊維質であるセルロースナノファイバー(CNF)の状態に解きほぐす方法
  • CNFが持つ性能をどのように発揮するか(分散制御、集積制御、表面装飾)
  • “透明な紙”を何層も重ねて、強くて透明なCNFプレートが開発され、生分解性と難燃性が実現できていること
  • “透明な断熱材”により、光は通して熱は通さない性質を窓に用いることができれば、エネルギーの熱損失を低減できること
  • “透明な断熱材”の製造がフリーズドライの製法でも可能になるように研究が進んでいること
  • CNFとプラスチックとの複合化で、より軽くて堅くて強くて熱にも強い素材がつくれれば、化学資源材料を減らせること

 

最先端の研究内容はとても興味深く、本校生徒も熱心にメモを取りながら聞いていました。

 

(質疑応答の様子)

      

 

この1年間で「SDGs」や「脱炭素」という言葉を本当によく目にするようになりました。

 

『 より良い未来に向けて、これらの言葉が用いられ、世界で環境意識が向上していることは望ましい。 しかし、ただ漠然とこうすればよくなると考えるのでは実現は難しい。 個々の製品やサービスに対して行う環境影響評価(ライフサイクルアセスメント:LCA)により、いかに定量的に研究を進めていけるかが重要だ。 』

 

本校理数科の卒業生(4期生)でもある齋藤先生の科学者としての視点や取り組み方に、大きな刺激をもらった1日になりました。貴重な講演をありがとうございました。