【大高人×理数科推進部】 第3回 微生物実験教室(東京薬科大学)
実施会場 東京薬科大学(東京都八王子市)
実施日 7月10日(金)
本校卒業生、大高人の中南秀将教授(薬学部 臨床微生物学教室)による微生物実験教室が今年度も開催されました!
今回は過去最多、25名の生徒(理数科4名、普通科21名)が参加しました。
例年、中南教授のラボで行われていたこの実験教室。
さすがに25名は収容できない…!、ということで今回は薬学部内の実習室にお邪魔しました。
会場が広くなっても「濃度」は同じ。中南研究室のスタッフの皆さんの協力もあり、実験教室はスムーズに進んでいきます。
まずはガウンの着用から。不織布でつくられた医療用の使い捨てタイプです。理科系部活動で白衣を着たことのある生徒はいますが、医療用ガウンを着るのは恐らく今回が初めてでしょう。体の後ろで紐をしばる都合で、隣り合った生徒どうしで協力して準備を進めます。
実験は「 口内細菌のグラム染色 」です。
綿棒で自分の歯肉から「 サンプル 」をこすり取り、スライドガラスに塗り付けます。
ある程度乾燥したら、メタノールに浸して固定。ここからいよいよ「 秒刻み 」の染色がはじまります。
青色のビクトリアブルーで60秒染色、その後、純粋でやさしく洗浄。
黄色の脱色液で共洗いしてから、再度脱色液をたっぷり滴下して10秒脱色してから洗浄。
最後の赤色のフクシンで60秒染色して洗浄。生徒の緊張感と集中力が最大限に高まるひとときです。
染色が終わったら完全に乾燥させて、いよいよ観察に移ります。
細菌を観察するためには1000倍の倍率が必要です。スライドガラスにエマージョンオイルを滴下し、油浸レンズによる観察を行います。
生物の授業で光学顕微鏡を使ったことのある生徒たちにとっても、油浸レンズは初めての経験です。
専用オイルとはいえ、「レンズに油をつけていいのか?」「スライドガラスと対物レンズを接触させてしまっていいのだろうか?」という戸惑いが伝わってきました。
最初はおっかなびっくり操作していたものの、慣れてしまえば手際のよい生徒はピント合わせまでは比較的スムーズ。
ピント合わせに難航した生徒も、中南研究室のスタッフの皆さんの協力により、ついに自分の口内細菌と「 ご対面 」です。
クリスタルバイオレットで青く染色され、脱色されないグラム陽性細菌。
脱色されてフクシンで赤く染色されるグラム陰性細菌。
自分の口内細菌を観察する特別感はもちろん、染色された細菌の観察は、見た目にもシンプルな感動があります。
手書きのスケッチ、スマートフォンのカメラでの撮影。それぞれ記録を残します。
口内細菌の観察後は、中南研究室で培養したさまざまな細菌の観察です。
黄色ブドウ球菌や納豆菌などの比較的聞き覚えのあるものから、肺炎球菌や溶血性レンサ球菌のような代表的な病原菌まで。シャーレに培養したコロニーの様子とともに、顕微鏡で実際の姿かたちを観察しました。
特筆すべきはメチシリン耐性を持つMRSAのシャーレ。
白い円形のパッチにしみ込ませたメチシリン(抗菌薬)をものともしない様子がはっきりと分かります。
興味深そうにMRSAを観察する生徒たちへ、中南教授から耐性菌を生み出さないようにするために、抗菌薬の「 適正使用 」がいかに大切かが説かれました。
細菌の観察後、中南教授の研究室に場所を移してラボツアーを行いました。
研究テーマに関する紹介や、装置や設備の説明を受けます。毎年のラボツアーの目玉でもあるBSL-3(バイオセーフティレベル3)の実験室の見学もさせていただきました(無資格の生徒たちは実験室内までは入れません。実験室手前の通路までが近づける限界です)。国立感染症研究所と共同で研究することもある中南研究室。設備が非常に充実しています!
BSL-3の実験室見学(写真左) と 研究テーマの紹介(写真右)
参加した生徒たちの感想(一部を抜粋)
- 自分の口腔内細菌を実際に観察することができ、さまざまな種類の細菌を自分の目で見ることができて、とても興味深く楽しかったです。また、耐性菌などについても初めて知ることが多くこの分野への興味がさらに深まりました。今回の教室を通して、将来の進路について改めて考える機会になりました。
- ポスターや先生方のお話から、多剤耐性菌など現代医療の最先端に触れられてとても楽しかったです。特に、こちらの質問に先生方から詳しい回答をいただき、微生物への好奇心が加速しました。また、実際の研究室や菌株の保管庫、機材など、研究の現場を直で感じられる貴重な機会になりました。
- 染色体験も面白かったですが、個人的には研究内容やラボの見学がかなり面白かったです。この実験教室を通して薬学に興味を持つことができました。貴重な体験をありがとうございました。
今回も参加生徒から大好評の実験教室となりました。
中南教授、そして研究室のスタッフの皆様、今年もありがとうございました!