理数科日誌
【理数科日誌】理化学研究所のオンライン講演会を開催しました
12月17日(金)の午後、理化学研究所の和光地区への見学訪問を希望していた生徒(募集20名)を対象に、オンライン講演会を開催しました。
コロナ禍において見学者の受け入れが難しい状況であったため、今年度はオンラインでのプログラムを本校生徒のために企画してくださりました。
【理化学研究所概要説明】 講師: 理化学研究所広報室 渡邉佑太 氏
【講義】 「夢の植物を創る」
講師: 仁科加速器科学研究センター イオン育種研究開発室 阿部知子 室長
【質疑応答の様子】
理化学研究所の規模や自由な発想に基づく基礎科学研究のスタイル、研究者同士のつながり、様々な分野の研究設備が利用できる環境に、目を輝かせている生徒もいました。
そして阿部先生とオンラインではありましたが直接お話しできたことは、実際の研究の進め方を知るうえで、とても勉強になりました。
お忙しい中、貴重な機会を提供してくださり、ありがとうございました。
【理数科日誌】大学セミナーを開催しました
12月16日(木)の午後、理数科1年生(+希望者)を対象に「大学セミナー」を開催しました。
講師は、東京大学大学院の 齋藤継之 准教授です。
齋藤准教授は、鋼鉄の 1/5 の重さで 5 倍強いとも言われる、木材由来の新素材“セルロースナノファイバー”を開発され、持続可能な循環型社会の実現に「農学」で貢献されています。
今年度は齋藤先生の研究室を訪問させていただく予定でしたが、コロナ禍で研究室訪問が難しい状況であったことから、昨年と同様に講演をお願いしました。
『農学と木とナノテクノロジー』というテーマで始まった講演では、先生の研究内容やその意義、専門の研究対象を見つける過程などについて、本校生徒に向けてとても分かりやすく工夫して説明していただきました。
- 木材の重さの半分を占めるセルロースを、ナノスケールの繊維質であるセルロースナノファイバー(CNF)の状態に解きほぐす方法
- CNFが持つ性能をどのように発揮するか(分散制御、集積制御、表面装飾)
- “透明な紙”を何層も重ねて、強くて透明なCNFプレートが開発され、生分解性と難燃性が実現できていること
- “透明な断熱材”により、光は通して熱は通さない性質を窓に用いることができれば、エネルギーの熱損失を低減できること
- “透明な断熱材”の製造がフリーズドライの製法でも可能になるように研究が進んでいること
- CNFとプラスチックとの複合化で、より軽くて堅くて強くて熱にも強い素材がつくれれば、化学資源材料を減らせること
最先端の研究内容はとても興味深く、本校生徒も熱心にメモを取りながら聞いていました。
(質疑応答の様子)
この1年間で「SDGs」や「脱炭素」という言葉を本当によく目にするようになりました。
『 より良い未来に向けて、これらの言葉が用いられ、世界で環境意識が向上していることは望ましい。 しかし、ただ漠然とこうすればよくなると考えるのでは実現は難しい。 個々の製品やサービスに対して行う環境影響評価(ライフサイクルアセスメント:LCA)により、いかに定量的に研究を進めていけるかが重要だ。 』
本校理数科の卒業生(4期生)でもある齋藤先生の科学者としての視点や取り組み方に、大きな刺激をもらった1日になりました。貴重な講演をありがとうございました。
【理数科日誌】最先端研究施設を訪問してきました
10月28日(木)、朝7時すぎにさいたま新都心駅のバスロータリーから貸切バス2台で出発し、茨城県のつくば市にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)を訪問してきました。
到着後には、研究員の方に「物理学で何がわかるの?」というテーマで、人類が『自然』に対して抱く“知りたい”という思いと実験の歴史、最新の素粒子物理学による『自然』の理解について、講義をしていただきました。また、KEKが世界で担っている役割や研究施設の概要についても講義の中で知ることができました。
● 地球上のすべてのものは何からできているのか → 原子(粒子)の発見
● 原子の中はどうなっているのか、どうすれば知ることができるか → 素粒子物理学の発展
● 見えているものだけが本当の姿ではないのかもしれない → 新たな実験計画
『自然』について、思い込みで説明するのではなく実験によって確かめようとしてきた科学者たちの姿勢は、科学研究において最も大切なものなのだなと気付かされます。
また、いま分かっていないことを理解しようとして最先端の研究が行われていること、世界の研究施設と共同で国際実験が行われていることを知り、これから見学するKEKの施設についてとても興味がわきます。
【超電導低温工学センター】
※加速器に用いられる超電導電磁石の研究施設です
高校生向けに超伝導現象についてのデモンストレーションと説明をしてもらいました。
生徒も積極的に質問し予定していた時間をオーバーしてしまうぐらいでしたが、ひとつひとつ丁寧に答えていただきました。超電導状態の超伝導体に流れる電流についての質問では、なぜ加速器に超電導電磁石の技術が必要になるのか、強くて安定した磁場と電流の関係について調べてみようというきっかけになったのではないでしょうか。
【放射光実験施設(フォトン・ファクトリー)】
※加速器から発生する波長の短い光「放射光」を用いて、物質や生命を原子のスケールで観察し、様々な研究が行われています
放射光を用いた解析が、物理・化学・生物・地学分野の様々な科学研究に利用されていることがわかります。現在、加速器が稼働しているため、施設内ではデータを解析する研究者の方々も目にすることができました。生徒にも憧れの姿だったのではないでしょうか。
【展示ホール】
【霧箱実習】
最後には、霧箱を用いてα線粒子(ヘリウムの原子核)とβ線粒子(電子)の飛跡を観察しました。
霧箱は、その装置の発明により放射線の飛跡の写真撮影に成功したこと(1927年)、電子の反物質である陽電子の発見がなされたこと(1936年)、光が電子と陽電子に変化することの発見がなされたこと(1948年)、これら3つについて、それぞれにノーベル物理学賞が与えられており、数々の重要な発見につながったことから「物理学の歴史上、最も独創的な装置」といわれているものです。
目には見えない粒子でもその飛跡は実際に観察できることの驚きや、霧箱の仕組みを知って感動している生徒もいました。科学研究の楽しさを学ぶことができたのではないでしょうか。
【その他】
高校生のうちに最先端の研究施設を訪問できたことは、本校生徒にとって大きな価値を持つことになると思います。
コロナ禍において見学者の受け入れができなかった時期もあったようですが、本校生徒のために貴重な時間をつくってくださったKEKの皆様には本当に感謝です。ありがとうございました!
【理数科日誌】大学セミナーが開催されました
7月8日(木)の午後、理数科1年生(+希望者)を対象に「大学セミナー」を開催しました。
講師は、東京大学大学院(薬学系研究科薬科学専攻)の 北川大樹 教授です。
『アカデミック研究者という生き方:東京大学での教育と研究』というテーマで始まった講演では、先生の研究内容やその意義、科学研究の進め方や研究者としての日々について、本校生徒に向けてとても分かりやすく説明していただきました。
研究者になろうと思ったきっかけや、進路決定のターニングポイントになった場面、実際に研究者として認められるまでの過程や日々の研究についてお話していただけたことは、研究者の生き方をイメージするうえでとても参考になりました。
・ 研究者の仕事とその楽しさ
・ 科学研究が世界でどのように行われ、研究者同士にどういった繋がりがあるのか
・ どんな研究を、どんな場所、どんなグループに身を置いて行うか
・ 研究者としての生き方、アカデミックな研究の意義
・ 東京大学での教育と研究
研究者になることを目標にしている生徒にとっても、憧れの仕事について具体的に知るきっかけになったのではないでしょうか。
また、コロナ禍で大学の研究室訪問などの行事開催が難しい中、東京大学の研究室や学内の様子についてもご紹介いただけたことは、本校生徒が大学での学びについてイメージするうえでも、とても良い機会となりました。
お忙しい中、貴重な機会を提供してくださった北川先生には本当に感謝です。ありがとうございました。
【理数科日誌】理数科オリエンテーションが開催されました
5月27日(木)、理数科1年生を対象に理数科卒業生(三六会)によるオリエンテーションが開催されました。
学業でお忙しい中にもかかわらず、3名の卒業生が講師を担当してくださり、理数科の先輩として1年生にいろんな話をしてくれました。
・大高生として3年間をどのように過ごしたか
・自分の勉強法や部活動との両立
・進路の目標をいつ決めたか
・模擬試験の活用の仕方
・高校での課題研究の内容
・大学生活や大学での授業
・理数科の行事で印象に残っているもの
・クラスメイトとの出会い
これらについて、当時を思い出しながら、どんなふうに考えて行動されていたか聞けたことは、とても参考になりました。
理数科の3年間で、将来が楽しみな友人たちと互いに切磋琢磨できたことが良かったと話してくれる卒業生の姿には、1年生もこれからの3年間をイメージしたのではないでしょうか。
今年度はコロナ禍のためオンラインでの開催となりましたが、先輩の高校での過ごし方について質問することもでき、理数科1年生にとって有意義な時間となりました。
ご協力いただいた理数科卒業生(三六会)の皆さん、ありがとうございました。
【理数科日誌】理数科2年生の課題研究がスタートアップ!
5月13日(木)、今年度の課題研究の授業が本格的にスタートしました。
研究の分野(物理、化学、生物、数学)ごとに分かれて、研究の進め方について各担当の先生より説明がありました。「自分たちにどんな研究ができるか」をまずは考えていくことになります。
始まったばかりですが、各分野の様子を写真で紹介します。
【数学】
各自の研究テーマを決めるため、興味や関心を抱く数学的課題を着々と調べています。
【物理】
実験室にある装置で何が測定できるのか、PCや各種センサーの使い方を学びました。これから決める研究テーマにあわせて、実験を自分で計画できるように準備を進めていきます。
【化学】
化学的な操作により、「6種類の水溶液が何であるか」を分析する同定実験を行いました。今後の研究方法や研究テーマについて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
【生物】
メンバーで研究テーマについてディスカッション。たくさん候補があがるのは、自然に対していつも興味を持ってくれている理数科の生徒らしさです。
先日の開講式で配付された研究ノートを活用し、どんな研究成果を残してくれるのか、今後が楽しみです。
【理数科日誌】数学オリンピックで表彰されました
第31回日本数学オリンピック予選において、本校理数科の生徒5名が埼玉地区で表彰されました。今回はコロナ禍でオンライン試験となった予選でしたが、埼玉県の応募者217名のうち成績上位23名に選出される結果になりました。
3月24日の終業式では校長および担任から表彰があり、今後の励みにもなりました。これからも数学や科学を楽しみながら学んでほしいと思います。
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2年生(2名) |
1年生(3名) |
【理数科日誌】理数科2年生の課題研究・校内発表会
2月4日(木)の午後、理数科2年生による課題研究の校内発表会が開催されました。
各自が設定した研究テーマについて1年間をかけて思考や実験を繰り返し、その成果や研究の価値を発表する機会であり、今年度は数学分野7本、生物分野4本、化学分野3本、物理分野6本の研究発表がありました。
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(開会のあいさつ・校長) |
(司会進行・生徒) |
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(理数科1年生) |
(研究要旨集) |
【発表の様子】
同じように各自の研究を進めてきたクラスメイト、来年度に課題研究に取り組む理数科1年生、教職員が聴講者となり、発表者の研究動機や仮説の検証方法などを真剣に聴いていました。
【質疑応答の様子】
大勢の聴講者の前での発表に少し緊張している様子もありましたが、鋭い質問を受ける場面なども経験し、将来それぞれが専門とする研究を学会で発表するイメージが掴めたのではないでしょうか。
自分の研究の成果と価値を分かりやすく説明するにはどうすればいいのか、声の大きさやリズムとスピード、プレゼンテーション資料における工夫、表情や仕草の作り方など、実際に発表を経験してみて改善点に気付けることもあったようです。
課題研究の授業を通して科学研究の難しさと楽しさを知り、将来の学会発表の場で自分の研究に自信を持って臨んでいる姿を見せてくれることを期待したいと思います。
【研究発表テーマ一覧】
| 研究グループ | 研究テーマ |
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数学分野
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複数の単位ベクトルの和差について 6-4次の内包魔方陣の解の数 フィボナッチ数列の剰余類の周期性 4次元を垣間見る 正四角錐を最短で切り開く 正多面体の性質 多角形のシュタイナー点を探す |
| 生物分野 | クマムシの凍眠について 挿し芽の植物の状態と発根率の関係 ナメクジの金属に対する忌避性とその原因 変形菌の性質を用いた問題の解決 |
| 化学分野 | ヨウ素デンプン反応の呈色消失現象におけるヨウ素とデンプンの量的関係 大宮高等学校の水質検査 単分子膜法による脂肪酸の断面積の測定 |
| 物理分野 | 偏光板とセロハンテープによる旋光について ガウス加速器の速度限界に関する要素の決定 電子レンジを用いた高温超伝導体YBa2Cu3O7の作成 ミランコビッチサイクルを基にした地球温暖化の原因探求 対震構造の検証 フライングディスクの迎角と空力について |
【理数科日誌】課題研究・集中実験講座
12月23日(水)、24日(木)の2日間の日程で、理数科2年生の課題研究の集中実験講座を行いました。
少しずつ形になってきた研究の様子を写真で紹介します。
【数学】
【物理】
【化学】
【生物】
12月24日(木)の午前中には、研究室訪問の代替行事として東京大学大学院の 内山真伸 教授の講演を聞く機会もあり、研究に対する熱量にも変化があったようです。
コロナ禍で研究にかけられる時間が限られる中ではありますが、自分たちの研究成果が見出せるように頑張っています。
【理数科日誌】大学セミナーを開催しました
12月24日(木)午前、理数科1・2年生(+希望者)を対象に、東京大学大学院の 内山真伸 教授がご講演くださいました。
過去の研究室訪問で本校生徒がお世話になったこともある内山教授は、二原子炭素 C2 の化学合成に成功し、炭素の四重結合の存在を実証されました。
今回の講演では、『人生を左右する決断のときのために 一大学教授からの提案』というテーマで科学研究の楽しさや意義をわかりやすく説明していただき、その中で本校生徒に向けて科学者の視点から生き方についてもお話していただきました。
難しい内容についても、そのときに科学者がどのように考えて新しい発想を持ったのかがわかると、その研究の見え方が変わってきます。
- インフルエンザ治療の創薬での発想(シアル酸との結合を阻害)からリレンザが開発され、タミフルやイナビルにも、その分子構造が生かされていること
- “予想外”でできた創薬「ワーファリン」「ニトロペン」に科学者がどのように関わっていたのか
- 2016年ノーベル化学賞「分子マシンの設計と合成」につながるような化学発展の歴史
- 二原子炭素 C2 の化学合成
広い視野と多様な見方で鋭い推理ができるか、予想外の結果から何を考えるか、科学研究の在り方を教えてもらった気がします。
(質疑応答の様子)
本校生徒も、先生の自己紹介から薬学を研究するきっかけについてのお話や、研究者としての生き方のお話に、多くのことを学ぶことができたのではないでしょうか。
コロナ禍で研究室訪問の行事開催ができない中、講演という形式でご協力いただきました内山教授には本当に感謝です。生徒にとっても、次は大学で会いましょうという先生の言葉が大きな励みになりました。