校長室より
「四時の序、功を成す者は去る」
偉大な先輩たちは大宮高校を去りました。
そして、学校は後輩の皆さんに託されました。
後輩の皆さん、次はあなたの出番です。
【後期終業式】
皆さん、おはようございます。
あっという間に、一年の終わりの日が来ました。終業式にこうして皆さんの顔を見ながら話ができることをうれしく思います。この冬、インフルエンザや新型コロナの流行が心配される時期もありましたが、皆さんの感染防止への高い意識と行動で、本校では大きく広がることもなく、今日を迎えることができました。
先週は、スポーツ大会での皆さんの活気ある姿、大きな声援、笑顔を見ることができて、とてもうれしく感じました。秋以降、しばらく3年生たちの黙々と勉強に打ち込む姿を中心に見てきたので、スポーツ大会の盛り上がりは、久しぶりにとても新鮮に感じました。また、それと同時に、緑色のジャージがない風景に、世代が交代したことを実感しました。
私は、これまで大宮高校の生徒の皆さんを見てきて、先輩から後輩に自然と受け継がれていく大高生らしさや校風を感じてきました。常に上級生の姿を見て、刺激を受け、その姿勢を真似、いつの間にか立派な大高生になっていくという、この学校の雰囲気が私はとても好きです。しかも、先輩と後輩が相互に相手を意識し、互いに高め合っていることが何よりも素晴らしいと感じています。
その一例が、2年生の有志が受験に向かう3年生に送った千羽鶴です。送られた千羽鶴は、合格祈願の達磨と共に、学校に来て勉強する3年生たちを毎朝出迎えていました。きっと千羽鶴を目にした3年生たちは、大きな勇気をもらったことと思います。また、送った2年生は、来年の自分たちの姿を想像し、3年生になるということを強く意識したことと思います。そしてお互いに、大宮高校の生徒であることを実感し、連帯感を感じたのではないかと思います。
誰もが知っているアイザック・ニュートンは、万有引力の法則の発見をはじめ、多くの偉業を成し、科学の発展に最も影響を与えた人物の一人です。とてつもなく偉大な人物で、さぞかし自信家なのだろうと思いきや、こんな言葉を残しています。「私が遠くを見ることができたのは、巨人たちの肩に乗っていたからです」。ニュートンの偉業は、自身の優れた着眼や発想、熱心な研究の成果ですが、ニュートンはその成果を、先人たちの研究があってこそだと言っています。偉大な先人を真似て、先人たちを追っていく。そして、その結果先人を超えていく。なんとなく、大宮高校で先輩から後輩に引き継がれていく大高生らしさと、常に前進を続ける大宮高校らしさに通じるものを感じます。
私は、皆さんにそんな大宮高校の生徒であることを誇りに思ってほしいと思いますし、この環境を活かしてほしいと願っています。大宮高校は「仲間と共に」という言葉が似合う学校だと思っています。同級生はもちろんですが、先輩後輩の関係性にも「仲間」という言葉が似合います。「チーム大宮」の精神が創り上げた大宮高校の魅力だと思っています。
家庭研修に入ってからも学校に来て、仲間と共に勉強し、互いに教え合っている3年生の姿は素敵でした。どんな時も仲間の存在はありがたいし、心強いものです。皆さんには、勉強や研究も部活動や学校行事も、ぜひ最後まで仲間と共に取り組んでほしいと思います。
先日の卒業式で、卒業生の代表が、答辞の中で2年生へのメッセージを残しました。この場を借りて、1年生にも紹介します。「もうすぐ創立100周年を迎える大きな節目でもある中、大宮高校の校風を守りながらも、新たな伝統を創る重要な一年を担う意識を忘れないでください。最高学年として、旗を振って、後輩たちを導いてください。今後の大宮高校をよろしく頼みます。」熱い思いが詰まったメッセージです。
偉大な先輩たちは大宮高校を去りました。そして、学校は後輩の皆さんに託されました。2年生の皆さん、いよいよです。持てる力を存分に発揮してください。1年生の皆さん、先輩の背中を追ってください。すべての皆さん一人一人の前進が、大宮高校の新たな伝統を創ります。
明日から約2週間の春休みになります。4月からの新年度をどんな一年にするか、しっかり、じっくり考えてください。そして、やる気に満ちたいきいきとした姿で始業式に臨んでください。期待しています。
「志を立てよう。未来のためにも。」
大宮高校の誇りである皆さんの卒業を心から祝福します。
私たちは、皆さんに未来を託します。
誰もがこころ豊かで幸せに暮らせる素敵な未来の創造者になってくれることを願って・・・。
式辞
穏やかな日差しのぬくもりに春の訪れを感じる今日の佳き日に、御来賓の皆様の御臨席を賜り、保護者の皆様と共に「埼玉県立大宮高等学校第75回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私ども教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。御臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
ただ今、卒業証書を手にした342名の皆さん、卒業おめでとうございます。また、3年間お子様を支え、共に歩んでこられました保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。
今日、卒業式という晴れ舞台に立っている卒業生の皆さんは、大高生として過ごしてきた3年間を思い出し、感激もひとしおのことと推察します。この日を迎えることができたのは、皆さん自身の弛まぬ努力の成果ですが、これまで愛情を持って育ててくださった御家族の支えに対する感謝の気持ちを大切に、家族と共に卒業の喜びを味わってほしいと思います。
皆さんは、この大宮高校で、授業はもとより学校行事や部活動などに全力で取り組み、大きな成果を挙げました。皆さんが様々な場面で本校の最上級生として見せてくれた姿は、実に頼もしく、大宮高校の誇りでありました。
体育祭ではリーダーシップを発揮して下級生たちをまとめ、一致団結して競技や応援に臨む見事なチームを創り上げました。文化祭では短期間の準備で、驚くほどに高いクオリティの企画を創り上げました。そして、進路実現に向けて高い目標を掲げ、放課後の教室や廊下で黙々と勉強に取り組み、さらには、仲間同士で教え合いながら受験に向かう姿は、まさに「チーム大宮」そのものであり、私たち教職員も「チーム大宮」の一員として、そんな皆さんを心の底から応援したいと思わずにはいられませんでした。これが、皆さんが創り上げてきた大宮高校の魅力であり、強みでもあります。たくさんの中学生が目標としているこの大宮高校躍進の主役として輝き、生徒の力と学校の魅力を広く発信してくれた皆さんに、心から感謝と敬意を表します。
高校での学びを終えた皆さんは、これからの社会の担い手としてのスタートラインに立ちますが、今、社会は急激な変化が進んでいます。グローバル化、高度な情報化、人工知能の発達、複雑化する社会課題、自然環境の変化。様々なイノベーションによって社会構造も大きく変化しており、先行きを見通すことが難しい時代を迎えています。
このような複雑に発展していく未来社会を生き抜く力として重要とされているのが、感情や心の内面の働きといった、いわゆる「非認知能力」です。
非認知能力にはいろいろな要素がありますが、その中に「GRIT(グリット)」と言われるものがあります。これは、アメリカの大学教授が提唱した4つの言葉の頭文字を取ったもので、全体では「やり抜く力」と訳されています。具体的には、「Guts(ガッツ)」困難な課題に立ち向かう度胸や強い気持ち、「Resilience(レジリエンス)」失敗しても簡単にはあきらめない回復力や逞しさ、「Initiative(イニシアチブ)」自分で目標を定め自ら率先して取り組む自発性や行動力、「Tenacity(テナシティ)」最後までやり遂げる執念や粘り強さです。
「GRIT(グリット)」は、私たちが自分の夢や目標を実現するために重要な要素であり、強い決意によって持続するとされています。皆さんは大宮高校での様々な経験を通して、この「やり抜く力」を身につけてきたことと思います。
日本の実業家で、松下電器、現在のパナソニックホールディングスの創業者である松下幸之助はこう述べています。「志を立て決意することは大事。だがそれ以上に大事なのは、そうした志なり決意を持ち続けることである」。今、皆さんは新たな夢や目標を持ち、それを実現しようと決意し、新たな世界に挑もうとしています。是非、その強い思いを持ち続け、やり抜いてほしいと思います。
松下幸之助は、こうも述べています。「志を立てよう。自分のためにも、他人(ひと)のためにも、そしてお互いの国、日本のためにも」。今はグローバル時代ですから、この言葉の「日本のためにも」を「未来のためにも」に変えて、私から皆さんに送りたいと思います。近い将来、皆さんが未来の創造者の一人として社会のどこかで活躍してくれることを心から願っています。
大宮高校は令和8年度に創立100周年を迎えます。100周年を迎えるにあたってのスローガンも決まりました。『100年先も、大高生。』。皆さんの母校である大宮高校は、これからも未来に向かう皆さんを見守り続けます。皆さんには、末永く母校を、後輩たちを、愛し、そして応援してください。
結びにあたり、これまで本校教育活動の充実・発展のために、絶大なる御理解と御協力を賜りました保護者の皆様に心から感謝申し上げます。また、御来賓の皆様には、今後も引き続き、特段の御指導と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
卒業生の皆さんの未来に、幸多からんことをお祈りするとともに、御臨席を賜りました皆様に重ねて御礼を申し上げ、式辞といたします。
令和7年3月15日
埼玉県立大宮高等学校長 松中 直司
「自分が創る未来への入口」
新たな発見は、常に探究の先にあります。
新たな発見は、未来を変え、未来を創ります。
あなたが創る未来への入口はどこですか?
【後期全校集会】
皆さん、おはようございます。
年が明け、2025年が始まりました。こうして皆さんと新しい年を迎えることができて、とても嬉しく思います。今年2025年を皆さんと共に、充実した実りある一年にしたいと思います。「チーム大宮」で共に前進していきましょう。
さて、近年、社会の変化や環境の変化も激しく、地球規模での異常気象もその影響が年々増しています。私たちは次から次へと様々な課題に直面しており、今、私たちには未来に向けてできることを探し、実践することが求められています。
一方で、科学の進歩や技術の革新などの動きも顕著です。
昨年10月には史上最大の素数が見つかったというニュースがありました。その桁数は4102万4320桁。私には想像もつかないこの素数は、1桁を1秒で読み上げると全部読み上げるのに1年以上かかるのだそうです。
発見者は、30代のプログラマーの方で、世界中にあるコンピューター数千台をネットワークでつなげて、「(2のn乗)-1」のnにいろいろな数字を入れていく計算を同時進行で大量に高速で行ったといいます。
数学好きの人や科学を追究しようとしている人にとっては、ワクワクする話なのだろうと思います。
この発見が、人々を救うことに直結するわけではありませんが、数学の発展やコンピューターの発展には、未来の創造という点で大きな意味があると思います。実際に技術革新を促すために10億桁を超える素数の発見に25万ドル(約3700万円)の賞金が懸けられているそうです。
ちなみに、今回の発見者は、1年という時間と200万ドル(約3億円)の自己資金を投じたそうです。また、発見により3千ドル(約45万円)が与えられたそうですが、それを母校の高校に寄付したというのですから、お金の問題ではないのだということを改めて感じます。
発見者の素数愛に、壮大な宇宙に新しい星を見つけるのと同じようなロマンを感じます。
自然科学に対しても社会に対しても、自分が疑問に感じることや調べてみたいと思うことについて、こだわりを持って打ち込むことが、将来的に未来を変えたり創り上げたりすることにつながっていくのだと思います。ぜひ、大宮高校での探究や大学での研究などを通して、自分が創る未来への入口を見つけて欲しいと思います。
ところで、大宮高校は令和8年度に創立100周年を迎えます。これまで多くの先輩たちが築いてきた大宮高校100年という節目を祝うとともに、次の100年に向けて新たな歩みを進めていきたいと考えています。
そこで100周年を迎えるにあたり、まずスローガンとロゴマークを作成します。作成に当たっては、生徒の皆さんからアイディアやデザインを募集します。詳細は別途お伝えしますが、この作成に協力してくれる生徒の皆さんを募ります。ぜひ、多くの皆さんに関わってほしいと思っています。積極的な参加をお願いします。
最後に、今日はこの場を借りて、大学入試に挑む3年生にエールを送らせてもらいます。
年末の予餞会では、後輩たちからの「感謝」や「応援」の贈り物がありました。3学年の先生方からの激励もありました。先生たちからのメッセージは3年生の皆さんにしっかりと届いたことと思います。
皆さんには、家族や仲間、後輩たち、そして教職員が付いています。どうか、自信を持って、いつもの自分で勉強に取り組み、いつもの自分で試験に臨んでほしいと思います。心から応援しています。
私は、朝や放課後の教室や廊下で、目標に向かって真剣に勉強に打ち込んでいる3年生を見て、毎日感激しています。そして、そんな皆さんを誇りに思います。
3年生の皆さんの姿には、大宮高校で学んできたことのすべてが凝縮されているように感じます。1・2年生もそんな3年生の姿を見ながら、頼もしい3年生へと成長していきます。ぜひ、後輩たちの道しるべになってください。
それでは、インフルエンザも猛威を振るっていますので、皆さん体調管理を徹底して充実した学校生活を送ってください。
「共に未来を」
朝日が眩しいさわやかな新年です。澄んだ朝の空気に差し込む太陽の光に、大きなエネルギーを感じます。不思議とやる気が湧いてきます。きっとよい一年になるはずです。
今、この時も、目標としている進路実現に向かって頑張っている皆さんに心からエールを送ります。
大宮高校の新しい一年もスタートしました。私たち教職員は今年も未来を創るリーダーたちの育成に全力で取り組みます。
リーダーの育成を目指す教育活動は、まさに未来を創る営みそのもの。生徒の皆さんに未来を託します。
生徒の皆さん、保護者の皆様、卒業生の皆様、そして、これから入学してくる中学生の皆さん、「チーム大宮」で、共に輝く未来を創造しましょう。
本校は令和7年度に『白寿』を迎えます。地域の皆様に支えられ、多くの卒業生と教職員たちが創り上げてきた100年の歴史を土台に、次の100年に向けた助走を始めます。
令和7年1月吉日
「誰だって、弱い自分を持っている」
大高生に求める自主自律、それは「自分で考えて、自分の意志で判断・行動し、その結果に自分が責任を持つ」ということ。
自信を持って決断し前に進むためにも、授業や行事、部活動に全力で取り組み、趣味や読書なども含めたいろいろなことを通して知識を深めるとともに、多種多様な経験を積んでくれることを願っています。
でも、誰もがみんな常に自信を持って行動できるものではありません。前に進むことができない自分に自信が持てなかったり、自分を否定したくなってしまったりすることが誰にでもあります。
そんな時は、ぜひ誰かを頼ってみてください。自分の心の内を誰かに伝える一歩を踏み出すことが打開策です。
前期全校集会②
皆さん、おはようございます。
連日大変な酷暑が続いた夏休みが終わりました。この間、学校では、各種の補習や夏期講習が行われ、多くの皆さんが学校に足を運び、熱心に参加していました。特に、お盆の期間中も集中を切らすことなく講習に参加し、教室で黙々と勉強する3年生の姿は、大高生の頼もしさを感じるものでした。
また、部活動では、皆さん一人ひとりが、この暑さの中で安全に活動するための工夫をしながら、自分たちの目標に向かって努力を重ねていました。いずれの生徒も、自分の意志で、自分の高校生活を創り上げているという印象を持ちました。「やらされている」のではないというのが、大高生の強みだと感じています。
勉強や部活動はもとより、何事においても大切なのは、主体性です。自分にとって必要なことは何か、どのようにすべきかを自ら考え、行動することです。親や教員の支援を受けながらも、「自分で考えて、自分の意志で判断・行動し、自分が結果に責任を持つ」ということが、皆さんに求める自主自律の精神です。
「結果に責任を持つ」ということは「環境や他人のせいにしない」ということですから、自信を持って自分が判断・行動する必要があります。そのためにも幅広く豊富な知識と経験を大切にしてほしいと思います。
知識は、自信ある行動選択をする際の大切な判断材料になります。とりわけ情報過多ともいわれる今の時代にあっては、正しい情報を見極める上でも重要です。また、知識だけでなく、成功や失敗を重ねた多様な経験が、自分の判断を後押ししてくれるはずです。日々の学びや経験の一つひとつが、人生を創り上げる礎であるということを意識してください。
ぜひ、授業や行事、部活動に全力で取り組み、趣味や読書なども含めたいろいろなことを通して、知識を深めるとともに多種多様な経験を積んでほしいと思います。
とはいっても、誰もがみんな常に自信を持って行動できるものではありません。壁にぶつかったとき、自分一人で悩みや苦しみを抱え、前に進むことができない自分に自信が持てなかったり、自分を否定したくなってしまったりすることが誰にでもあります。
そんな時は、ぜひ誰かを頼ってみてください。友人や親、教員、近くにいる誰かを頼ってほしいと思います。自分の心の中に悩みや苦しみを抱えているときが一番つらいものです。
誰もがみんな、弱い自分を持っています。弱音を吐くこと、本当の自分の気持ちを伝えること、誰かに頼ることや助けを求めることは、恥じるようなことではありません。自分の心の内を誰かに伝える一歩を踏み出すことが打開策です。周りの人は意外と頼りになるものです。「案ずるより産むが易し」、教職員も必ずあなたの声に耳を傾けますし、校長室に来てもらっても大丈夫です。苦しいときこそ、一歩を踏み出してくれることを願っています。
ところで皆さん、この夏休みは「南海トラフ地震 臨時情報(巨大地震注意)」という言葉に驚いた人も多いのではないでしょうか。
幸い今のところ巨大地震は発生していませんが、神奈川や茨城で震度5弱の揺れを感じる地震も発生しており、改めて私たちは地震大国に住んでいることを実感します。埼玉県もいつ大きな地震の被害を受けるかわかりません。もしもの時は、どんな場所にいたとしても、まずはその場で周りの危険物を確認して、「身を低くする」「頭を守る」「動かない」という身を守るための3つの行動をとり、地震の揺れが収まったら冷静に避難することが大切です。
地震はいつどこにいるときに起こるかわかりません。もしかしたら明日かもしれませんし、今日かもしれません。文化祭の最中に大きな地震が発生するかもしれません。もしそうなった場合、あなたはどのような行動をとりますか。その場に教員がいないかもしれません。生徒以外の来校者「お客様」がいます。お客様に何という声をかけ、どのような指示や誘導をしますか。ぜひ想像してみてください。
もしも、登下校中だったらどうしますか。どのようにして安全を確保し、どこに避難しますか。どのようにして家族と連絡をとりますか。ぜひ想像してください。そして、できる備えをしてください。
自転車ヘルメットの話の時も言いましたが、自分の未来を守るためにできることは、可能な限り何でもするという意識を持ってほしいと願っています。
それでは、文化祭から始まる前期の後半戦。メリハリをつけながら高校生活に精一杯取り組み、楽しく充実した毎日になることを願っています。皆さんのはつらつとした姿を楽しみにしています。
「あの渋沢栄一も期待している」
令和6年度夏休み前の全校集会。
明日から時間を有意義に使うことができる夏休みが始まります。
ぜひ身の回りに目を向け、関心を持ち、身近な課題や問題を考えてみてください。
きっと将来の社会や世界を変える力へとつながるはずです。
やりたいことや夢に出会う夏であってほしいと願っています。
だって、皆さん若者たちに未来を託しているのですから。
前期全校集会
皆さん、おはようございます。
4月の始業式、入学式で始まった令和6年度は、早くも夏休みを迎えます。皆さんにとってのこの3か月半は短く感じたでしょうか?それとも長く感じたでしょうか?1時間は60分、1日は24時間、誰もが同じ時間を過ごしているのに感じ方が違うというのは不思議なものです。
私は、とても短く感じました。あっという間に感じています。今日までの学校生活の中で、皆さんの頑張る姿、輝く姿、笑顔をたくさん見ることができました。私にとってはとても刺激的で楽しい毎日でした。
これまでいろいろなことがありましたが、その中で、一番感激し、うれしかったことを紹介します。
それは、ある日の放課後、教室前の廊下を歩いていた時に目にした光景です。
一人の生徒が、廊下においてあるペットボトルのゴミ箱のゴミ袋の交換をしていました。係でも当番でもないのにです。理由はゴミ箱がいっぱいになったから。私は本当にうれしく思いました。まさに「公共心」、他者の幸せ、みんなの幸せです。
私は、始業式の時に、公共心について話をしました。ぜひ、皆さんには、今一度「公共心」を意識してほしいと思います。
さて、先日7月3日に新紙幣が発行されました。皆さんもご存じのとおり、1万円札には、埼玉県が誇る近代日本経済の父、渋沢栄一の肖像が描かれています。
ところで、その渋沢栄一は、青年(若者)について、次のようなことを述べています。
「世の中は絶えず動いている。従って社会の進歩発達を期するには、時代に適応した人物を要すること勿論である。時代に適応した人物とは、言うまでもなく新人を意味するものであって、新人が出て絶えず世の中の空気を新しくし、向上進歩を計るところに国家社会の進歩発展があり人類の幸福増進もまたここに育まるるのである。この見地により、私は青年諸君に最も望みを属するものである。」
まさに、現在の皆さんに対する期待です。ここにいる皆さんが、未来をリードする人材となる可能性を秘めています。ぜひ、未来を創る人材へと成長してほしいと願っています。
そのために重要なのは、内発的な動機やモチベーション。自分のやりたいことや夢を持つことが大切です。
そこで、夏休みを迎えるにあたって皆さんにひとつお願いをします。
皆さんには、夏休み期間中に、勉強や部活動以外のことに対して、どんなことでもいいので、興味や関心を広げ、疑問や課題を見つけ、自分なりの思考を深めて欲しいと思います。
本や新聞、報道などから社会情勢や自然環境などに関心を持つこともよいですし、身近な課題や困りごとを考えるのもよいと思います。
例えば、お弁当をつくってくれる親を楽にする方法はないか?おじいちゃんやおばあちゃんの困りごとを解決できないか?など、身の回りのちょっとした課題を解決しようと考えてみる。
身の回りに目を向け、関心を持ち、隣にある問題を解決しようとする意識と行動が、社会を変える、あるいは世界を変える力につながっていくはずです。
目の前の問題を解決しようとする。すると何かが変わります。周りが変わり、自分も変わるという経験や自信が、大学受験の先にある将来に向けたモチベーションにつながるのだと思います。
時間を有意義に使うことができる貴重な夏休みです。明日からの38日間を、毎日ルーティンの繰り返しだけで終わらせてしまってはもったいない。いろいろことに関心を持ち、視野を広げ、思考を深めましょう。何か、自分が食いつきたくなるようなことに出会えることを期待しています。
最後にひとつ。皆さんの充実した今、そして、未来を守るために、自転車乗車中のヘルメットをぜひ着用するようお願いします。
どんなに気を付けていても、事故に遭うリスクがあります。例年多くの高校生が、自転車事故により、命を落としたり、頭に大きなけがを負って、後遺障害に苦しんだりしています。一瞬の出来事で、人生が大きく変わってしまう可能性があるということを、どのように受け止めるか、「想像力」がポイントです。
事故に遭ってから後悔したのでは遅いのです。皆さんには後悔してほしくありません。自転車ヘルメットに限らず、自分の未来を守るためにできることは、可能な限り何でもするという意識を持ってほしいと願っています。
それでは、充実した夏休みを過ごし、心身ともにひと回り成長して、8月27日、元気に会いましょう。
「失敗したっていい。大切なのはその次だ」
凛とした姿の新入生。皆さんの入学を頼もしく感じます。
大高での3年間は、将来に向けた自分探しのとき。
何かに挑戦し、打ち込み、やり抜いてほしいと願っています。
失敗したっていい。「挫折は挑戦の証」ですよね。
式辞
桜が咲き、若い命が躍動する春がめぐってまいりました。この春のよき日に、本校PTA会長 木太拓志様、後援会会長 玉川信様、同総会会長 笠原清和様、並びに新入生の保護者の皆様方のご臨席を賜り、かくも盛大に令和6年度埼玉県立大宮高等学校入学式を挙行できますことは、本校関係者一同大きな慶びでございます。ご臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可いたしました362名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。
また、保護者の皆様方におかれましても、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお喜びを申し上げます。
本校は、創立98年目を迎えた、長い歴史と伝統を誇る高校です。皆さんは、その本校入学に向け、ひとつの大きな目標を達成するための努力を積み重ねてきました。そして、今日、見事にその目標を達成し、この場に立っています。皆さんには、決して容易くはない大きなことを成し遂げたという自信を手にするとともに、将来への限りない可能性を感じて欲しいと思います。
皆さんがいるこの場はゴールではなく、将来に向けたスタート地点です。ゴールはもっと先にあります。皆さんはこれから次の目標に向かってさらに前進していきます。今日から始まる高校生活は、皆さんが将来に向けた「志」を持つための様々な経験を積む場です。これまでの経験に加え、「大高生」としての経験一つ一つを大切にし、何かを感じ、何かを考え、自分のなすべきこと、自分が目指す道を見出してほしいと願っています。
皆さんは、バッグやアパレルの開発・生産・販売をする「マザーハウス」という会社を経営する山口絵理子さんという方を知っているでしょうか。
この方はさいたま市立宮原中学校出身、高校時代は同じ市内の大宮工業高校で学んだ方です。
山口さんは、小学校時代、人間関係などでつらい経験をしたそうです。中学時代、柔道を始めましたが、少しグレていた時期もあったとのことです。しかし、中学卒業を機に、もう一度自分をリセットして本来の自分になりたいと、柔道の強豪校である大宮工業高校に進学し、男子柔道部に唯一の女子部員として入部しました。
当時の顧問に話を聞くと、中学校の大会を観に行った際に、大宮工業の柔道部に入りたいと本人から申し出があったのですが、女子部員がいないことから一度は断ったそうです。しかし、山口さんの強い意志と熱意を受け、初めての女子柔道部員が誕生することとなります。
山口さんは本当に負けず嫌いで、1年目は「悔しい、悔しい」と毎日のように泣いていたそうですが、人一倍練習に打ち込み、全日本ジュニアオリンピックで7位になるというところまで上り詰めました。
柔道をやりきった山口さんは、そこで目標を切り替え、慶応義塾大学に進学。そこで途上国開発のテーマに出会います。大学4年生の時に、アメリカの米州開発銀行にインターンシップ留学し、貧困問題を学び、バングラデシュに興味を持った山口さんは、現実の問題を解決するためには現地を知ることが重要であると考え、実際にバングラデシュを訪れます。
バングラデシュの貧困の現状やはびこる汚職などを目の当たりにした山口さんは、現地の大学院で学びます。そして、「この地に希望の光を灯したい」との思いから、バングラデシュの原料と現地の人の力で作り上げた製品を世界で販売して社会を変えようと決意し、「発展途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げた会社を設立したのです。
はじめは、現地の人々の理解をえられず、多くの壁にぶつかったといいます、しかし、決して諦めることなく志を貫き、事業を継続してきた結果、今では、日本国内に42店舗、海外に7店舗を構える企業へと成長し、バングラデシュをはじめ、ネパールやスリランカなどの途上国に製造拠点を展開し、現地の人々の雇用を生み出し、生活を支えています。
一人の女性の志が、社会を変え、多くの人々を笑顔にしているのです。
先ほど私は、皆さんにとって、今日が将来に向けたスタートであるということを申し上げました。この「将来」について、皆さんに求めたいことがあります。
それは、「自分の将来」を「社会の未来」に関連付けて欲しいということです。本校は目指す学校像に「高い志と強い使命感を持った未来を創るトップリーダーを育てる学校」を掲げています。つまり、私たちは、皆さんの進路実現の先に、日本そして世界の未来を創るという壮大なビジョンを掲げているのです。まさにこれが本校が目指すゴールです。
私たち教職員は、日々の授業はもちろん、学校行事や部活動を含めたあらゆる教育活動が、社会の未来に繋がっているという思いで、皆さんとともに前進していきます。
皆さん、ぜひ大宮高校での3年間で、何かに挑戦し、打ち込み、やり抜いてほしいと思います。その情熱とエネルギーが、皆さんの将来、社会の未来を創り上げていくと信じています。
最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、重ねて入学のお喜びを申し上げます。この15年間、様々なご苦労があったかと存じます。心から敬意を表したいと存じます。
本日、大切なお子様方を確かにお預かりいたしました。責任をもって、お子様方の力をしっかりと伸ばしてまいります。
入学にあたり、ひとつ保護者の皆様にお願いがございます。それは、ぜひ、お子様に、転んだ時の立ち上がり方を学ばせてあげて欲しいということです。私も一人の親として、つい、転ばないコツ、転ばない道の選び方を伝えたくなります。確かに転ばないことも大切ですが、それ以上に大切なのは転んだ時の立ち上がり方です。
私たちは転ぶ経験を通して立ち上がり方を学びます。生徒にとっては成功と同様に失敗も貴重な経験であり、大きな財産です。高校時代は、生徒一人一人が、自分の人生を自分の力でつかみとっていく大切な時期でもあります。お子様の成長を後ろから暖かく見守っていただき、力強く支えていただければと存じます。
私たち教職員は、大宮高校の教育に誇りをもって全力で取り組んでおります。ぜひ、家庭と学校との風通しを良くしながら、お子様の成長に向け、ともに取り組んでいきたいと思いますので、何卒、御支援御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、3年後の卒業式の際、ここにいる新入生が心身ともに大きく成長し、すべての生徒・保護者の皆様が「大宮高校で本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。
令和6年4月8日
埼玉県立大宮高等学校 校長 松中 直司
「何気ない一つの行動が、みんなを幸せにする」
平成6年度前期の始業式。
大宮高校の新たな1年がスタートしました。
私も「チーム大宮」の一員として、皆さんとともに前進していきます。
よろしくお願いします。
未来を創るトップリーダーに欠かすことのできない「公共心」。
みんなの幸せ、全体の幸せに自分がどう貢献できるか、考えてみましょう。
令和6年度 前期始業式
皆さん、おはようございます。
この4月1日、前任の鎌田校長先生の後任として着任した松中と申します。まもなく100周年を迎えようとする長い歴史と伝統のある大宮高校に着任したことを大変光栄に感じるとともに、身の引き締まる思いです。
鎌田前校長先生は、大宮高校について、本当に嬉しそうに、自慢の生徒たち、誇れる先生たちのことを話してくれました。私は、その話を聞いて、大高のすばらしさを知り、今、とてもワクワクしています。
皆さんはすでに大高生として二年、あるいは一年過ごしていて、私から見ると大高の先輩になります。私自身がまずはしっかりと、この「チーム大宮」の一員として、皆さんの仲間入りができるよう、この大宮高校を、皆さんを、知ろうと思います。
日々の学習や部活動・行事などにおいて、皆さんがどんな振る舞いをしているのか、本当に楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。
さて、新たな年度の始まりにあたり、「公共心」について、話したいと思います。
皆さんは、大高の目指す学校像を知っていますでしょうか?
大高は「高い志と強い使命感を持った未来を創るトップリーダーを育てる学校」を掲げています。 本校で学んだ卒業生たちが、この先の社会をリードし、あるいは支え、未来を創る主体となってくれることを目指しています。
私は、社会の一員として、主体となって社会を動かす人材を育てる基盤にあるのは、「公共心を持つこと」こと、「公共心について考える」ことであると考えています。
では、公共とは何でしょうか。公共とはプライベートに対してのパブリック。「個」に対しての「みんな」あるいは「社会全体」ということです。「公共心を持つ」ということは、みんなの幸せ、全体の幸せを考えるということだと思います。
社会の未来を創ることは、みんなの幸せ、全体の幸せを考えることにほかなりません。私は未来を創るリーダーを育てるこの大宮高校の校長として、皆さんに「公共」を意識し、考え、「公共心」を持ってほしいと願っています。
例えば、ゴミを捨てない、ゴミが落ちていたら素通りしない、自分優先ではなく、相手を優先する。学校の中には、ちょっとした公共心によって、みんなの幸せ、学校の幸せにつながることがたくさんあります。
学校の外でも同じです。登下校中の交通マナー、電車の中での言動、他校を訪れた時の振る舞いなど、様々な場面において、他者の立場、全体の立場から見ることができるかが大切です。
是非、「公共心」について考えてください。みんなの幸せ、全体の幸せに自分がどう貢献するかを考えてください。将来皆さんが、社会の第一線で活躍する上での大切な「トレーニング」になると思います。
皆さんが、さりげなく「After you.」と言える素敵な大人になってくれることを願っています。
お互い、今年1年間を充実させましょう。
令和5年度後期終業式
本日、1,2学年が体育館に集い、令和5年度後期終業式、表彰式、壮行会、グローバルリーダー育成プロジェクト報告会がありました。年度末休業中も各部活動等で大高生は活動を続けます。明日から全国大会に向かう部活動もあります。しかしながら、本日で本年度の学校全体での行事を無事終了することができました。令和5年度は、コロナ禍の影響も少なくなり、予定した教育活動も実施することができました。生徒の皆様、教職員の皆様、PTA後援会等の関係者の皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。終業式の校長挨拶を掲載いたします。
校長挨拶
皆さん、おはようございます。昨日までのスポーツ大会お疲れさまです。こうして一つ一つの行事が終了し、今日は令和5年度を締めくくる終業式を迎えました。皆さんにとって、令和5年度の大高生活はいかがでしたか?1年生は、大高生となって早1年が過ぎようとしています。来月には後輩たちが入学してきます。よき先輩として、新入生に自分たちの経験を話してください。2年生は、間もなく最上級生になります。部活動や行事で下級生たちを引っ張ると同時に、自分自身の夢の実現に向けて、大学受験にもしっかり取り組んでください。
先週卒業式がありました。1年生は式に参加できなかったので、元生徒会長の守岡さんの答辞の一部を伝えます。「大宮高校で苦楽を分かち合った私たちは、これからも苦難に負けず、仲間を信じて理想へと進むことができます。私たちの歩んだ道が後進の希望となるよう、誇りをもって踏み出します。在校生の皆さん。皆さんもまた努力する逸材です。自分を信じて前向きに進んでいってください。そして困ったときは周りに目を向けてみてください。きっと、皆さんを愛する人々がそばにいます。人と繋がり、これからの大宮高校を担ってください。」このような素敵な答辞でした。さあ、皆さんはバトンを渡されました。皆さんのこれからの活躍を楽しみにしています。
私からは、皆さんに質問があります。「チーム大宮」という言葉をよく言います。この「チーム」と似ている言葉に「グループ」という言葉があります。「チーム」と「グループ」、この二つの言葉の意味の違いは何でしょうか?言葉の持つ印象の違いで結構です。近くの生徒と90秒間話してみてください。
(すぐに意見交換が始まり、意見を発表してほしいと伝えると数人の生徒の手が挙がった。発表してくれた3人の生徒の意見の概要は、「チーム」は、自らの意志で参加し、仲間意識をもって共通の目標を目指す。一方「グループ」は、共通項があるだけの、ただ分類された集団であるという内容であった。)
例えば、「チームワーク」という言葉と「グループワーク」という言葉比べると、その意味の違いがはっきりします。「チームワーク」というと、チームのそれぞれが役割を担い、状況に応じて誰もが入れ替わり立ち代わりリーダーシップをとり、他の人の心情を察して叱咤激励をしながら、チーム全員で目標に向かっていくという意味になります。ところが、「グループワーク」というと、ある集団で行う活動という意味になります。「チーム」という言葉には、心や魂が込められている気がしてきますね。
元世界銀行副総裁の西水美恵子氏は、著書「あなたの中のリーダーへ」(英治出版)の中でグループとチームの違いをこう述べています。
●グループは強いリーダーに率いられる。
〇チームは状況に応じてリーダーシップを分かち合う。
●グループは個人が責任を負う。
〇チームは、誰の間違いでも、全員が共同責任を快く負う。
●グループの目標は、指令されるか、所属する組織の目標と同じ。
〇チームの目標は、チームが自発的に設定し、行動に移す。
●グループは各々個人が成果を収める。
〇チームは個人別の成果に執着せず、全員が共同成果を収める。
●グループは能率的に会議を進行する。
〇チームは、幅の広い開放的な議論と、活発に問題を解決する会議を促す。
●グループは、外部への影響力を介して、間接的に業績を見る。
〇チームは、共同成果を直接評価して、業績を見る。
●グループは、議論をし、結論は出しても、実行は委任する。
〇チームは、議論をし、結論を出して、自ら実行に力を合わせる。
●グループは礼儀正しい議論を好む。
〇チームは率直で正直な会話を好む。
●グループはただ黙々と働く。
〇チームは仕事を楽しみ、笑いが途絶えない。
●グループは必要だから集まる。
〇チームは仲間との集いを待ち遠しく思う。
長期休業あけ、新しい年度の始まりが待ち遠しいですね。「チーム大宮」のど真ん中にいる大高生の皆さん、夢を見つけて、その実現に向けての計画を練って、一歩一歩行動に移してください。そして、くじけそうになった時こそ、笑顔を忘れないでください。Dream, Plan, Action and Smile
第74回卒業証書授与式
令和6年3月14日(木)、天候にも恵まれ、第74回卒業証書授与式を厳かに挙行することができました。当日の朝、業務さんに言われました。「昨日の卒業式予行の後、3年生が下足箱を丁寧に掃除をしていたんです。隅々まできれいに拭き掃除をしていました。」これが大高生だと嬉しくなりました。とても寂しいですが、卒業生の前途を祝福し、式辞を掲載いたします。
校長式辞
三寒四温を繰り返しながら、気が付けば木々の芽がふくらみ、春の訪れが感じられるようになりました。今日この佳き日に、PTA会長、後援会会長、同窓会会長のご臨席を賜り、保護者やご家族の皆様方とともに「埼玉県立大宮高等学第74回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。皆様、誠にありがとうございます。
ただ今、卒業証書を授与しました351名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんの3年間にわたる努力と成長に心から敬意を表します。
皆さんは、3年前、コロナ禍の県立高校入試を突破し大高生となりました。当時はまだ学校行事や部活動が制限され、宿泊行事や部活動の大会が中止になるなど、辛い思いをした人も多かったでしょう。2年生になってからは、行事や部活動の制限も徐々に緩和され、文化祭や体育祭も実施できるようになりました。しかし、文化祭直前で学級閉鎖になり、感染を拡大させないために登校を禁じられ涙をのんだクラスもありました。準備の途中になったままの教室を思い出します。秋には、沖縄への修学旅行も実施できました。中学時代に経験できなかった修学旅行を大高の仲間と経験できた人というも多く、いつまでも語り合えるよき思い出となったことでしょう。3年生になってからは、部活動の大会や学校行事もコロナ前に戻り、ドイツ姉妹校への派遣も実施できました。皆さんは、最上級生として行事を盛り上げ、部活動では立派な成果をおさめました。体育祭で全団の団長と一緒に選手宣誓ができるとは、、、私にも素敵な思い出ができました。
私は、皆さんの授業をよく覗きにいきました。教室の前から、皆さんの真剣な眼差しを見るのが好きでした。教室の緊張感と時折起こる生徒の笑い声も好きでした。生徒同士での活発な話し合いも、聞いていて楽しいものでした。よき仲間、生涯の友ができましたね。ずっと大切にしてください。
コロナに翻弄された大高生活でしたが、皆さんはその時々の状況を真摯に受け入れ、今自分たちが置かれている環境の中で最善を尽くしました。これが、大高生のすごいところです。この「現況の中で最善を尽くすこと」はとても大きな力になります。少々不本意ながらも、このままでは十分でないと思いながらも、自分が置かれている環境の中で、努力していると次の扉が必ず見えてきます。これが本当にやりたいことなのかと迷いながら、もがきながらでも、自分ができることに真摯に取り組んでいる人には、別の道が必ず現れます。次の扉を開けたり、別の道に進んだりしても、これまで真摯に向き合い努力してきたことは絶対無駄にはなりません。むしろ、その経験が次に生きてきます。これから、今よりも広く新しい世界に進む皆さん、自分が置かれた環境の中で、楽しみながら最善を尽くしてください。心が折れそうになったら、もっと強くなろうなどと無理をする必要はありません。そんな時は、大高の仲間を頼ってください。
大学等に進学し、新しいスタートラインに着く皆さん、皆さんが活躍するフィールドは世界です。世界の同じ世代の人たちがどのような考えを持ってどのような活躍をしているのか、注目してください。高校時代が夢の土台作りの前期だとすれば、大学時代は、夢の土台作りの後期です。土台は広ければ広いほどその上に高いものがそびえます。まずは多くの人に出会ってください。自分と異なる価値観に出会ったら、そむけずにまずは関心を持ってください。価値観が多様に存在する中で全ての人が幸せで持続可能な生活を営むことができる社会を創ることはとても難しいことです。しかし、これが皆さんに求められている命題です。様々な分野で未来を創るトップリーダーとなるための、広い土台をつくってください。
来年、もう一度チャレンジする皆さんに、42年前に浪人生活を経験した者として私事をお話しします。私の予備校での最初の英語の講義でした。その先生は、小柄でぽっちゃりした男性で、教室に入ってくると生徒たちから笑い声がおこりました。するとその先生はこう言ったのです。「何がおかしい。大学生は学生だ。就職した人は社会人だ。お前たちは学生でも社会人でもない。何者だ。宇宙人か。宇宙人なら合格するまで上向いて歩くな。」強烈でした。私はなぜかその先生に惹かれ、英語が好きになり、英語教師となりました。今の自分があるのは、浪人したあの1年があるからです。浪人というのは、1つの目標だけを目指すことが許されるいわば贅沢な1年です。家族や周囲の人たちに感謝の気持ちを忘れずに全力で挑戦してください。過去の事実は変えることはできませんが、過去に起こった出来事の意味は変えることができます。朗報を待っています。
保護者・ご家族の皆様、お子様のご卒業、心からお祝いを申し上げます。コロナの状況が変化していく中で、感染拡大防止と教育活動の継続をどうのように両立していくか、私たちは常に悩みました。後になってみれば、こうした方がよかったという反省もあります。その中で、保護者の皆様のご理解とご協力を得ながら、お子様の成長を共に伴走できたことは、私たち教職員にとって心強い支えとなりました。PTA行事も再開していただき、「チーム大宮」の素晴らしさを改めて感じました。深く感謝の意を表します。ありがとうございました。
結びになりますが、卒業生の皆さん、私は、皆さんの真摯に取り組む姿に感動し、皆さんと目と目を合わせての挨拶や笑顔、そして何気ない会話で、いつも元気を頂きました。ありがとう。これからも、誰かに何かを与えられる人であり続けてください。皆さんのこれからの活躍を心から願っています。Dream, Plan, Action and Smile
令和6年3月14日
埼玉県立大宮高等学校長 鎌田 勝之