校長室より

校長室より

令和5年度 前期全校集会 校長挨拶

  皆さん、おはようございます。先日のスポーツ大会では、皆さんの元気な雄姿を観ることができました。勝ち負けや上手下手ではなく、一生懸命全力でプレーする姿は美しいものでした。クラスメイトを懸命に応援する姿も美しかった。バスケットボールが相手の顔面にあたってしまい、すぐに駆け寄って「大丈夫、ごめん。」と声をかける姿も美しかった。また、「大丈夫、気にしないで。」と返す姿も美しかった。授業中に学び合う姿や部活動で頑張る姿もそうですが、お互いに尊重し合い高め合い、共に喜び楽しむ「チーム大宮」の姿をみることができました。怪我をしてしまった生徒もいましたが、早期の回復を願っています。

 さて、スポーツ大会初日の7月18日(火)12時45分頃、私を訪ねて来校したお客様がいらっしゃいました。白髪の紳士です。その方が正門を入ると、下校する3人の女子生徒に会ったそうです。目が合うと、「こんにちは」と明るく挨拶をしてくれました。「お帰りですか。」と返すと、「はい、帰って勉強します。」とにこやかに応えてくれたそうです。その応対が実に爽やかで、気持ちよく、とても嬉しかったそうです。素晴らしい生徒たちだから是非とも褒めてくださいと仰いました。心当たりの生徒は、是非校長室にお越しください。その白髪の紳士の写真が飾られていますから。その方は、本校の元校長先生です。来校者への生徒の振舞い方で、大宮高校の真の成長を感じたとも仰っていました。そういえば、昨夜の報道ステーションで放映された「騙されない為の教科書」についてインタビューに答えていた3年生も素敵な笑顔で立派に応えていましたね。

 一方で、県民の方から大高生への苦情が入ることがあります。登下校時に広がって道をふさいでいる。電車の中で周囲を気にせずに大声で話をして迷惑だ。そのような苦情です。集団で行動すると、気持ちが大きくなり、責任感や罪悪感が薄れてしまうことがあります。まさに、Everybody's business is nobody's business.です。友人たちと集団で下校する時、ついつい広がって話しながらゆっくり歩いてしまうこともあるでしょう。前からベビーカーを押して歩いている人が来る。高齢の方が歩いている。そんな時は、「みんな片側に寄って!」などと誰かが一声かけられる。後ろから自転車が追い越しづらそうにしている時、「すみません」と誰かが声をかけて皆で端に寄り道を譲る。こんな大高生であってほしいと願います。そんな一声がかけられること、これは未来を創るトップリーダーに大切な資質の一つです。

 さあ、夏休みが始まります。講習、部活動、文化祭準備があって夏休みだって忙しいと思っている1,2年生、腹をくくって本格的に大学受験に臨む3年生、皆さんそれぞれに有意義な夏休みにしてほしいのはもちろんですが、夏休みには、是非、自分のこれからの人生を考える時間をもってほしいと思います。10年後、5年後、1年後の自分の姿を真剣に考える時間をつくってほしい。本校の進路指導部が作成している「進路資料」の挨拶にも書いているのですが、自分の進路を考える時、「これからの人生どのように生きてみたいか?」この問いを繰り返し考えることが大切です。「どんな未来を創りたいか?」、「何をしている時が幸せなのか?」、「自分の長所は?」、「どんな職業があって、どんな職業がないのか?」、「どんな職業が楽しそうか?」こんなことを真剣に、繰り返し自問自答してください。正解はありません。その時真剣に考えた選択がその時の答えです。まずは、その時の答えに進んでくことが大切です。進んでいくとまた悩みます。そして迷い選択をしていく。人生はその繰り返しです。正解がないから、マルチエンディングだから人生は面白いとも言えるでしょう。そのどんな人生を生きたいかの手段として、大学進学があるのです。今年の夏は、自分の人生を考える夏にしてください。

 私も、大学4年の時に迷いました。教員志望で大学に入りましたが、他にも自分の可能性はあるのではないだろうかと考えて、映画配給会社や広告会社を受けました。全て落とされましたが。そんな迷いの中、ある講演会に行きました。編集者で作家の嵐山光三郎氏の講演でした。嵐山氏のある言葉に救われました。「自分のやりたいことがわかったら人生の半分は終わりです。」そうか、迷うのは当たり前のことなんだと思うことができました。

 今は、先行き不透明で、将来の予測が困難なVUCAの時代と言われています。しかしながら、元々、人生は先行き不透明で予測が困難なのです。だからこそ、今できることに大切にして自分のエネルギーをさらに大きくしていきましょう。大高生の皆さんは全員大きな可能性を秘めた素晴らしい人財です。自信をもって自分の人生を考えてください。

  Dream, Plan, Action and Smile !

令和5年度始業式 校長挨拶 

 皆さん、おはようございます。令和5年度が始まりました。3年生は大高生活を締めくくる1年です。大高生として充実した日々を楽しく過ごしましょう。2年生の皆さん、今日の午後には皆さんの後輩が入学します。先輩として温かく迎えてください。

  さて、今、マスクを外して皆さんと対面しながら話ができることをとても嬉しく感じています。オンラインにはオンラインのよさがありますが、こうして直接皆さんを見ながら話をすると、自分の言葉がしっかり届くような気がしてきます。今年度から学校生活でもマスク着用を求めないことが基本となりました。着用しなくてもよし、着用してもよし、一人一人の考えを尊重するということです。私も、場面に応じてマスクを着けたり外したりするでしょう。皆さん、着けた方がよいか外した方がよいか過度に悩むことはありません。他の人が着けているかどうか気にする必要もありません。この3年間、常にマスクを着用していたので、マスクを外すのが恥ずかしいと思う人もいるでしょう。当然のことです。マスクが嫌いで花粉症でもマスクを着けなかった私でさえ、ちょっと照れくさいのですから。昨年の夏休みに私が皆さんに出した宿題を覚えていますか。そうです。スマイルです。一日一回は自分で笑顔になりましょうという宿題です。笑顔をつくると気持ちが前向きになるだけではなく、他の人も幸せにするのです。私は、皆さんから笑顔で挨拶されるととても嬉しくなります。皆さんの笑顔は人を幸せにする力をもっています。そのことは忘れないでください。 

 もう一つ話をします。昨年度1年間、私は皆さん大高生活をみてきました。真剣に授業を聴く姿、隣の生徒との活発に話し合う姿、見事なプレゼンテーションをする姿、部活動で頑張る姿、仲間と協働し学校行事に取り組む姿。皆さんは、誠実で、真摯に物事に向き合い、努力を惜しまない生徒だということがよくわかりました。でも、皆さんにはまだまだ伸びしろがあります。ここで、敢えて皆さんに言いたいことがあります。「皆さん、失敗をしましょう。」これは、わざと失敗しろと言っているのはありません。「失敗してもいいから挑戦してください。」ということです。私は、教員時代はずっとテニス部の顧問でしたが、強くなる選手には共通点がありました。負けて悔しい思いをした後に伸びる部員でした。恋愛でもそうです。失恋した後にその人がどのような行動をとるかで、その人の人間の大きさがわかるというのが私の持論です。誰しも苦い経験をして成長していくのです。勉強も受験も同じです。何校も大学受験に失敗し、最後の最後に国立大学後期試験で合格をする人もいるのです。そのような経験をした人は、合格以上に大切なものを掴んだかもしれません。太陽の塔で有名な、芸術家で哲学者であった岡本太郎氏は「私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた。」と言葉を残しています。困難なほうの道に自分が行きたいならば挑戦する価値があるのです。挑戦したから失敗があるのです。失敗したら挑戦した自分を褒めてください。そして失敗から学び成長しましょう。皆さん、挑戦することに大きな価値があることを覚えていてください。

  さあ、令和5年度を皆さんと一緒に過ごせることをとても楽しみにしています。

 Dream, Plan, Action and Smile

令和5年度第76回入学式 校長式辞

令和5年度の大宮高校が始動しました。部活動の生徒たちが自分たちの部活紹介の看板を持ち声をかけ、吹奏楽部の演奏で生徒を迎え、音楽部が校歌を披露しました。コロナ前の様子がやっと戻ってきたと感じました。式後ホームルームを終えた新入生と保護者の皆さんが、長い列をつくり、次々と正門前のヒラヤマスギに掲げた入学式のボードと記念の写真を撮っていました。皆さんがこの日を待ち望んでいたのだと感じました。

 

令和五年度 埼玉県立大宮高等学校 入学式 式辞

 正門の桜の木も桜色から緑色となり、まさに若葉の季節となりました。これから色濃くなっていく柔らかな緑色をした若葉と本日大高生となった皆さんの姿とが重なります。本日ここに保護者の皆様と共に、令和5年度 埼玉県立大宮高等学校 第76回入学式を挙行できますことは、私たち教職員と在校生にとりまして誠に大きな喜びであります。

ただ今、入学を許可いたしました359名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎いたします。 

 皆さんは、新型コロナウイルス感染拡大が長期にわたる中で、中学3年間を過ごしました。臨時休校から始まり、学校行事や部活動が次々に中止や延期になりました。どこにも当たれない憤りをおぼえたり、もっと青春を謳歌したいと思ったり、自分の感情を抑えることが難しいこともあったと察します。その中で、皆さんは本校の入学者選抜を突破しました。これは、皆さん一人ひとりの努力の賜物です。よく頑張りました。同時に、皆さんの努力は、保護者をはじめとする御家族や、指導していただいた先生方など、多くの人たちの支えや励ましがあって成しえたことでもあります。そんな気持ちを改めて心に刻み、感謝の心を持って、大宮高校での生活を踏み出してください。

  さて、私たちは、今、「答えのない時代」を生きています。グローバル化の進展、目まぐるしい通信技術の進化、生産年齢人口の減少,など,社会構造は大きく,急速に変化しています。また、ウクライナでの戦争は未だ継続し、電力も物価も高騰し、平和で豊かな生活が続くという確信も持ちにくくなっています。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックにより日常生活は大きく変わりました。未来がどうなるのか予測することが困難な時代を生きています。

  こんな時代にだからこそ、私は皆さんに大きな夢や理想を頂いてほしいと強く願います。どんな未来を創りたいか、どんな社会を築いていきたいか、自分はどんな分野で社会に貢献したいのか、真剣に真剣に考えていただきたいのです。なぜなら、皆さんは、様々な分野で未来を創るトップリーダーとなる人材であり、そのために大宮高校の教育があるからです。 

 高校時代というのは、夢や希望を実現するための広い土台をつくる時だと思います。「未知なこと」「予測不能なこと」は日常的に起こります。一つの出来事が複雑に影響し合って事態が思わぬ方向に進むこともあります。将来、このような時代に対応できる力を持つようになるには、今、広い土台をつくることが必要です。皆さんには広い土台をつくって、将来、その上に専門性を高めていってほしいと願います。この土台作りの基本は、全ての授業を大切にすることです。保健や家庭など大学受験科目にない授業も含めて全ての授業を大切にしてください。また、大宮高校の授業には、生徒同士の話し合いの場面がたくさんあります。是非、自分の考えを多くの生徒と話し合ってください。各教科の学び合いで、広い土台をつくり、「自分の頭で考えて自分の考えを持てる力」を身につけてください。先生と生徒が共に学び、生徒同士が学び合えることが大宮高校の最大の教育力です。 

 部活動や学校行事も、皆さんの広い土台づくりにはとても重要です。是非とも、自ら主体的に参加して自主自律の精神を養ってください。また、何をしている時が自分は楽しいのかをよく分析して、是非、得意な分野をつくってください。同時に、苦手なこともどうすれば楽しくできるか考えてチャレンジし、多くの仲間と一緒に、楽ではないけど楽しい大高生活を過ごしてください。一緒に苦楽を共にした大高の仲間は、必ず生涯の財産になります。

 皆さんに、私が好きな言葉を贈ります。

「Dream, Plan, Action」

まずは、夢を持ってください。夢を見つけてください。そして、夢を実現するためには何が必要か、どんなことをすればよいか計画してください。計画したら、立ち止まらず、何でもいいからできることから行動してください。その一歩が、次の新たな一歩を生み出します。 

  最後に私から皆さんへの宿題です。一日に1回自分の笑顔を鏡で見てください。笑顔をつくると気持ちが前向きになります。私は、生徒から笑顔で挨拶をされるととても幸せな気持ちになります。皆さんの笑顔は、自分も人も幸せにする力があるのです。笑顔を大切にすること忘れないで、大高生活を過ごしてください。

「Dream, Plan, Action and Smile」

  ここで、保護者の皆様に申し上げます。皆様の大切な宝物をお預かりいたします。教職員一同全力で支えていきます。家庭と学校は、いわば車の両輪です。「子供の成長をともに喜びあう関係」を築くことができたらうれしい限りです。本校への御理解と御協力をお願い申し上げます。 

 結びになりますが、3年後、大きく成長した新入生の皆さんを保護者の皆様と祝福する日を祈念いたしまして、式辞といたします。

 令和5年4月7日 

                                    埼玉県立大宮高等学校長 鎌田 勝之

令和4年度 終業式挨拶(3/24)

 皆さん、おはようございます。令和4年度を締めくくる終業式に二つのことをお話しします。

  一つ目は、現在本校に来校中のドイツの姉妹校、ルドヴィッヒ・ライヒハート高校との姉妹校交流の歴史です。1995年、埼玉県はドイツのブランデンブルグ州と友好関係を結びました。同年、ブランデンブルグ州コトブス市にあるルドヴィッヒ・ライヒハート高校の校長が大宮高校を訪れました。その校長先生は、日本語や日本文化を学ぶことを授業に取り入れたいと考えていて、大宮高校との交流を希望しました。翌年の1996年に、大宮高校の当時の校長(第16代松井校長)がライヒハート高校を訪問し姉妹校の調印式が行われました。姉妹校提携に関する協定書にはこう書かれています。「Ludwig-Leichhardt-Gymnasium, Cottbus, Germany, and Saitama Prefectural Omiya High School, Japan, hereby proclaim the linking of the two schools in a sister relationship. Through the sister relationship, both schools pledge to cooperate in various exchanges and strive to deepen the mutual understanding and trust of each other so that lasting friendly relations will evolve in the years ahead.(埼玉県立大宮高等学校とLudwig-Leihhardt-Gymnasiumは、ここに姉妹校提携を結ぶことを宣言する。この提携により、両校はさまざまな交流を通じて協力し合い、相互の理解と信頼を深め、将来にわたって友好親善関係を発展させるため努力することを誓う)」

 1996年の姉妹校提携以来、これまで両校のそれぞれ約300名の生徒が短期や長期の留学を経験しています。今回、3年ぶりに直接の交流を再開し、14名の生徒が来校してくれたことに大きな喜びを感じています。皆さんのような若い時期に多くの人と出会い、多くの価値観や考え方に触れることはとても重要です。多様な物の見方や考え方に触れると、自分の物の見方や考え方が見えてきます。これが重要なのです。ましてや、言葉も文化も異なる海外の人と話をしたり、意見を交わしたりすると、皆さんの世界はとても広がり、同時に自分自身を見つめることができます。ことはとても素敵なことなのです。皆さん、是非姉妹校の生徒たちと話をしてみてください。

 先ほど1995年にライヒハート高校の校長先生が大宮高校を訪れたと言いましたが、その校長先生は、今、ドイツ生徒を引率しているヴェゲナー校長先生です。姉妹校調印をしてから27年が経ちます。27年間、大宮高校との国際交流を大切に育てていただいているのがヴェゲナー校長先生だということも覚えていてください。

 

 二つ目は、先週16日に行われた卒業式の話です。式に臨む卒業生たちの姿はとても立派でした。皆さんを代表して出席した現生徒会長の送辞にも感動しました。その送辞に応えた前生徒会長の答辞の中に、皆さんへのメッセージがありましたので、ここで皆さんにお伝えします。

 「在校生の皆さん。今ここで皆さんにこの答辞を直接届けられないことが非常に残念です。ただ、私の思いが届くと信じて伝えます。この先、皆さんが何かと衝突し思い悩む時は必ず訪れます。そんな時に苦しむ必要はありません、それでも決して諦めないでください。自分のしてきた事が正しかったのか分からなくなり、自分の進むべき道が分からなくなっても、何度でも何度でも立ち上がってください。不安に悩む時も、自分の事だとしっかり受け止めて行動してください。諦めずに立ち向かっていれば、きっと新たな突破口が見つかります。なぜなら、大宮高校では、高め合う人と人との架け橋がいつでも皆を繋いで導いてくれるからです。どうか繋がりを大切にしてください。皆さん一人一人がこの学校のリーダーです。自分はどうなりたいのかを自ら追い求め、あなただけの特別な高校生活を、仲間たちと高め合って、創り上げてください。これからの大宮高校を頼みます。」

 皆さんは、卒業した先輩たちから大宮高校を託されました。皆さん一人一人がその自覚をもって、令和5年度を迎えてほしいと思います。 Dream   Plan   Action

第73回卒業証書授与式 式辞

校長式辞                                       

 木々の芽もふくらみ、春の訪れを感じる今日この佳き日に、保護者、ご家族の皆様方とともに「埼玉県立大宮高等学校第73回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。ご臨席誠にありがとうございます。

 ただ今、卒業証書を授与しました350名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんの3年間にわたる努力と成長に心から敬意を表します。振り返れば、皆さんの大高生活は新型コロナウイルスと闘かった3年間でした。臨時休校に始まり、分散登校となり、体育祭、文化祭、修学旅行等々の学校行事、部活動の多くの大会も中止や延期となりました。溢れてくる不安や怒りの感情をどこにぶつけてよいかわからない日々も多くあったことでしょう。しかし、皆さん、自分を律し、自らの心をよく整えて見事に大高生活を送りました。本当に立派です。

 「No more 青春泥棒」をスローガンにかかげた大高祭。皆さんにとっては最初で最後の大高祭でした。クラス企画の準備をする皆さんの生き生きとした姿、それを嬉しそうに見守る先生方の笑顔、来場者に楽しんでいただくことを最優先に考えた皆さんのおもてなしの精神、全てとても素敵でした。私も学校行事の意義を改めて感じながら、大高祭を実施できる喜びに浸りました。グランドに打ちあがったフィナーレの花火は皆さんの心に焼き付いていることでしょう。この大高祭のようにコロナ禍の中で皆さんが築いた一つ一つが、後輩に引き継がれ、大宮高校の新たな伝統となっていきます。

 皆さんは、当たり前だと思っていた日常がどれほど大切なものだったかを痛いほど感じました。その分、大高での思い出は、皆さんの心に鮮明に刻まれているはずです。先生と一緒に真剣勝負を繰り広げる授業、意見を交わす仲間との話し合い、リモートで参加した授業、廊下にあるロッカーでの立ち勉強、仲間と切磋琢磨した部活動の練習や大会・初めての校外合宿、自ら挑戦した科学系オリンピック、等々、皆さんはいつも努力と挑戦を続け、誠実に、真摯に、勉強、部活動、学校行事に向き合ってきました。その姿を見て、私はこの1年間ですっかり皆さんのファンになりました。ファンですから、これからも叱咤激励し、応援を続けます。

 大学等に進学し、新しいスタートラインに着く皆さん、皆さんが活躍するフィールドは埼玉県ではありません。日本でもありません。世界です。世界各国の同じ世代の人たちがどのような考えを持って活躍をしているのか、是非注目してください。高校時代が皆さんの夢の土台作りの前期だとすれば、大学時代は、夢の土台作りの後期です。土台は広ければ広いほどその上に高いものがそびえます。まずは多くの人に出会ってください。自分と異なる価値観に出会ったら、そむけずにまずは関心を持ってください。価値観が多様に存在する中で全ての人が幸せで持続可能な生活を営むことができる社会を創ること、これはとても難しいことですが、これが皆さんに求められている命題だと思います。様々な分野で未来を創るトップリーダーとなるための、広い広い土台をつくってください。

 来年、もう一度スタートラインに着くためにチャレンジする皆さん、40年程前に浪人生活を経験した者として私事を一つお話しします。私の予備校での最初の英語の講義でした。その先生は、小柄でぽっちゃりした男性で、教室に入ってくると生徒たちからかすかに笑いがおきました。するとその先生はこう言ったのです。「何がおかしい。大学生は学生だ。就職した人は社会人だ。お前たちは学生でも社会人でもない。何者だ。宇宙人か。宇宙人なら合格するまで上向いて歩くな。」強烈でした。私はなぜかその先生に惹かれ、英語が好きになり、英語教師となりました。今の自分があるのは、浪人したあの1年があるからです。浪人というのは、1つの目標だけを目指すことが許されるいわば贅沢な1年です。家族や周囲の人たちに感謝の気持ちを忘れずに全力で挑戦してください。朗報を待っています。

 保護者の皆様、お子様のご卒業、心からお祝いを申し上げます。この3年間は感染拡大防止と教育活動の継続をどうのように両立していくか、私たちは常に悩みました。後になってみれば、こうした方がよかったという反省もあります。その中で、保護者の皆様のご理解とご協力を得ながら、お子様の成長を共に伴走できたことは、私たちに教職員にとって心強い支えとなりました。特に、今年度は、多くのPTA行事を再開していただきました。「前例踏襲ではなく、形が変わってもできることをやりましょう。」というPTA会長のお言葉のもと、多くの方々に協力を頂き、「チーム大宮」の素晴らしさを改めて感じました。深く感謝の意を表します。ありがとうございました。

 結びになりますが、卒業生の皆さん、私は、皆さんの真摯に取り組む姿に感動し、皆さんと交わす何気ない会話や挨拶で元気を頂きました。ありがとう。これからも、誰かに何かを与えられる人であり続けてください。そしてこの学び舎で共に過ごした仲間を生涯大切にしてください。皆さんのこれからの活躍を心から願っています。

 Dream   Plan   Action

 

                        令和5年3月16日 埼玉県立大宮高等学校長   鎌田 勝之