校長室より

校長室より

「これからを生きていく これからを創っていく」

科学技術の進歩も、自然環境の変化も、国際社会の情勢も、本当に先を見通すことが難しい時代。

そんなこれからを生きていく私たちに必要なのはどんな力なのか?

そんなこれからの社会を創っていく私たちは何をすべきか?

ちょっと先を想像しながら、自分の未来、社会の未来を拓いていこう。

  

【前期全校集会②】

 皆さん、おはようございます。38日間の夏休みが終わりました。時間にして912時間、皆さんはこの時間をどのように過ごしたでしょうか? 一日一日、一時間一時間を大切にして、自分に必要な小さな行動をしっかりと積み重ねたことと思います。

 この夏休みの皆さんの学校での姿には、大高らしさを強く感じました。1年生、2年生、3年生共に、たくさんの生徒の皆さんが、夏期講習に参加し、熱心に講義を受ける姿はまさに大高の夏の景色です。特に受験モードに切り替わった3年生が、本当に多くの仲間とともに勉強に打ち込んでいる姿には感激し、とても頼もしく感じました。極めて大きな伸びしろを感じます。ぜひ、この後の文化祭で気持ちをリフレッシュして、さらに一段ギアを上げて、自分を信じ、仲間とともに高い目標にチャレンジしてほしいと思います。

 部活動でも皆さんが、自分の目標、チームの目標に向けて、主体的にそして元気に日々活動している姿には、強さと逞しさを感じました。これまでも伝えてきたように、今年は大宮高校創立100周年イヤーです。この夏の野球部の19年振りの快進撃、棋道部や音楽部の全国総文祭での活躍など、大宮高校は今、「良い風 良い波」に乗っています。この調子で、皆さん一人一人が高校生活を一層充実させてくれることを期待しています。

 11月21日の土曜日には御来賓や大先輩をお招きして、100周年の記念式典を開催します。記念講演のほか、新しい本校応援歌の披露、現役生徒と卒業生のコラボ演奏会なども実施します。100周年を機に、改めて、大宮高校の一員であることの喜びや誇りを実感してほしいと願っています。

 地球が誕生してから約46億年。これを「1年(365日)」に換算すると、100年という時間はわずか「約0.7秒」にしかなりません。宇宙の歴史から見れば、まばたきの一瞬にも満たない出来事です。しかし、この100年の変化には驚きます。私たちの生活に目を向ければ、身の回りにある家電製品のほとんどは、この100年の中で登場しています。今では当たり前のスマホでのビデオ通話やオンライン会議などは漫画の世界の夢の話でした。100年前の人がスマホを見たら、きっと「魔法」だと思うでしょう。校長室の前に展示してある大高の大先輩たちが学んだ古い机を見ても、つくづく時代の変化を実感します。   

 科学技術の進歩は、緩やかな登り坂ではなく、急斜面、垂直に近い急カーブを描いて上昇しています。これからの100年は、想像をはるかに超えるスピードでこれまで以上の大きな変化が起きることと思います。5年や10年のスパンで社会は大きく変化していくことでしょう。

 皆さんは10年後の自分、10年後の大宮高校、10年後の日本、10年後の世界に、どんな未来を夢見るでしょうか? ぜひ、ちょっと先の未來を想像してみてください。どんな時代も、未来に夢を膨らませることは楽しいものです。また、目の前の課題や問題を解決する社会の姿を想像することは、これからを生きていく私たちにとってとても重要です。

 科学の進歩が進む一方で、自然環境にも極めて大きな変化が起きています。気温40℃を超える酷暑日やゲリラ雷雨の頻発、台風に至っては、統計開始以来初めて茨城県に上陸し東から西へと日本列島を横断するなど、これまでの常識では語れないようなことが起こっています。地球規模で起きている気象の変化は、今後の人々の生き方、在り方に大きな影響をもたらします。逆に、現在の人々の生き方、在り方が、環境変化にも大きな影響を与えます。私たちが、この急激に進む自然環境の変化にどのように対応していくのかが問われます。未来を創るうえで、大きなテーマとなるでしょう。

 科学技術の進歩も、自然環境の変化も、国際社会の情勢も、本当に先を見通すことが難しい時代です。このような時代では、与えられたことだけをこなすのではなく、主体的に考え、判断し、行動する力が必要です。日々の学校生活の中でも、そのことを意識して、毎日を過ごしてほしいと思います。 

 この夏、熊本では大きな地震がありました。おそらくこれからの100年の中で、日本のどこかで大きな地震が起こることが予想されます。先日は埼玉県内でも震度5弱の揺れを観測する地震がありました。科学の進歩が地震予知を可能にしてくれることを願いつつも、私たちは、災害への備え、自助・共助の仕組みづくりなど、できることに取り組むことが必要です。

 熊本の地震では、厳しい暑さの中の避難生活が課題となりました。皆さんの中には知らない人もいるかもしれませんが、本校は地域の防災拠点となっています。そのため、本年度本校の体育館に空調設備を設置する工事が行われることになりました。体育の授業や部活動、行事などに影響がありますが、協力をお願いします。

 いざ大きな災害が起きた際には、地域の皆さんが本校に避難してきます。もしも皆さんが学校にいるときに大きな地震が発生したら、皆さんは被災者でありながら、一方で、防災拠点での地域の方々の避難を支援することもできる立場にあります。まさに、自助だけでなく共助の担い手にもなり得るのです。皆さんには、この機会に、社会の一員として共助の仕組みに関わることができるかについても、考えてみて欲しいと思います。

 とはいえ、何よりもまず全てにおいて優先されるのは自分の命です。災害や事故などの危険を可能な限り回避すること、日頃から健康・安全を心掛けた生活を送ること、心の健康も大切にして、自分の居場所をつくること、そして、苦しいときには誰かを頼り、心の内を伝えること。自分の命、自分の未来を大切にしてください。

 それでは、今日から再開する皆さんの学校生活が、充実した毎日になることを願って、話を終わります。

 

「運は自分で引き寄せるもの 幸運は自分の手でつかむもの」

アクティブであること、ポジティブであることが運を引き寄せるカギ。

行動しなければ何も始まらない。待っていても運はやって来ない。

目標に向かって行動する人が幸運を手にするのです。

この夏、あなたはどう過ごしますか?

 

【前期全校集会】

 

 皆さん、おはようございます。比較的涼しい6月を過ごしましたが、ここへ来て、予想どおり猛暑がやってきました。皆さん体調はいかがでしょうか? 栄養・休養・睡眠をしっかりとって、心身ともに健康な毎日を送ってほしいと思います。

 さて、大宮高校が100周年を迎える大切な1年がスタートしましたが、あっという間に3か月半が過ぎ、早くも明日から夏休みに入ります。

 1年生の皆さん、今日は高校生になって初めての通知表を手にします。この通知表は、評定平均値や順位を気にするためのものではなく、自分の学習への取組状況を確認し、これからの学習に役立てるためのものであるということを自覚してほしいと思います。結果に一喜一憂せずに、自分なりの目標を見失うことなく、これからの学習の計画を立ててください。

 2年生の皆さん、学校行事や部活動の中心的な役割を担う存在となりました。学校生活での様々な体験を通して、多様な意見や価値観を持ついろいろな人と関わり合う中で、対立ではなく「互いを認め合う」「理解し合う」そして「折り合いをつけながら前に進む」ことを学んでほしいと思います。課題や困難に立ち向かい、乗り越えることをあきらめない姿勢を大切にしてください。

 3年生の皆さん、気付けば皆さんが挑む共通テストまで、あと184日、6か月となりました。明日からの夏休みをいかに過ごすかが大切です。学習計画を立て、焦らず、慌てず、同じ志をもつ仲間と共に、強い気持ちを持って、徹底して基礎固めに取り組んでください。その成果は後からしっかりと表れます。

 ところで、第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソンはこんな言葉を残しています。「私は運の存在を強く信じている。そしてその運というのは、私が学べば学ぶほど、私についてくるのがわかる」。皆さんの中にも同じようなことを感じている人がいるのではないでしょうか。

 私たちの身の回りにも「運がいい人」「ツイてる人」がたくさんいます。運がいい人は、大抵フットワークが軽く、たくさんの行動を起こしています。行動が多い分、良いきっかけに出会う頻度が上がります。ツイてる人は目の前の結果に一喜一憂せず、自分のやりたいこと、やるべきことを大切にしていて、いつも積極的に行動しています。また、考え方や物事に臨む姿勢がポジティブです。想定外のトラブルが起きても、単に落ち込むことはしません。失敗をひとつの「データ」として捉え、目標達成に向けた材料にしてしまいます。この前向きな思考が、次のチャンスを呼び寄せます。

 皆さんはこれまで多くの努力を重ね、チャンスを活かし、今ここにいます。大宮高校には、「運がいい人」「ツイてる人」がたくさんいるように思います。少なくとも今幸運を感じていなくても、この後間違いなく幸運を実感する人が多いと思います。なぜなら、勉強・学校行事・部活動などいろいろなことに全力で取り組む大高での生活が、皆さんの行動(分母)を増やしているからです。さらに、互いに認め合い、支え合い、高め合う仲間の存在が、ポジティブな思考を共有させてくれるからです。

 フランスの科学者パスツールの言葉に「チャンスは、備えある者にしか訪れない」というものがあります。いくら目の前に最高の「運」が転がってきても、目標に向かって準備をしていない人には、それがチャンスだと気づくことすらできません。運やツキは、天から降ってくるのを待つものではありません。「自分は運が良い」と信じて積極的に行動すること。失敗を恐れず、学び続けること。そして、支えてくれる人に感謝すること。この3つを意識して、ぜひ自分の手で幸運をつかんでください。

 ちなみに、私の今年のキーワードは「ポジティブ」です。どんなことがあっても、ポジティブな思考で、ポジティブに行動しようと思っています。ぜひ皆さんも何事も明るく前向きにチャレンジしてくれることを願っています。

 明日から夏休みに入ります。記念すべき本校100回目の夏休みです。皆さん一人一人が一日一日を大切にして、大宮高校の次への飛躍につながる小さな行動をしっかりと積み重ねてください。1人の1000歩より1000人の1歩です。

 それでは皆さんの夏休みが充実した毎日になることを願って、話を終わります。8月25日、元気に会いましょう。     

「一歩は一歩より高し」

力強い眼差しを向けてくれる新入生。その目の輝きに、期待は大きく膨らみます。

皆さんは、これからの大宮高校の担い手。

そして、大高での学びを通して未来の担い手へと成長していくのです。

ステージの幕は上がった。さあ、一歩を踏み出そう。

 

式辞

 一雨ごとに温かさが増し、木々の緑に春の息吹を感じる今日の佳き日に、御来賓の皆様、並びに新入生保護者の皆様方の御臨席を賜り、令和8年度埼玉県立大宮高等学校入学式を盛大に挙行できますことは、本校関係者一同大きな喜びでございます。御臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可いたしました366名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、「大宮高校の宝」である皆さんを心から歓迎いたします。今日、皆さんは、晴れて創立100周年を迎えるこの大宮高校の生徒となりました。まずは、本校入学を目指し、様々な困難に打ち勝ち、この場に立っている皆さんの強い信念と不断の努力を讃えたいと思います。そして皆さんには、お世話になった中学校の先生方、励まし合い共に学んだ友人、また、皆さんを深い愛情で支えてくださった家族に対する感謝の気持ちをしっかりと心に刻み、新たなステージでの一歩を踏み出してほしいと思います。

 保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。お子様の晴れ姿を前に、感慨もひとしおのことと拝察いたします。心よりお喜びを申し上げます。

 さて、新入生の皆さん、今私は皆さんのいきいきと輝く眼差しを拝見し、とても頼もしく感じます。これからの大宮高校を担ってくれるという期待は大きく膨らみました。皆さんには本校での三年間の学びを経て、「大宮高校の宝」から「社会の宝」へと成長を遂げてほしいと願っています。

 本校は「未来を創るリーダー」の育成を目指しています。皆さんが創るその未来はまさに未知の世界。今、社会は極めて予測困難な時代を迎えています。私たちは、激しい変化で先を見通すことが難しく、明確な答えが存在しない不確実な社会の中にいますが、その中で求められるのは「別解」「納得解」「最適解」といった活路を見出していくことです。自分の力あるいは自分たちの力で、情報の収集や分析、試行錯誤や議論を重ねながら、最善であろう答えを導き出さなくてはならないのです。今日から始まる大高生活での様々な経験は、未来を切り拓いていくために必要となる皆さんの「思考力」や「想像力」、「情報収集能力」や「分析力」さらには「行動力」や「コミュニケーションスキル」を高めていくはずです。

 社会の課題は目の前にあります。日本が直面する超少子高齢化、世界各地で起きている混乱、地球規模で進む温暖化、これらは遠い世界の出来事ではなく、その変化や影響は皆さんも既に感じているはずです。ぜひしっかりとそれらの課題に目を向けてください。そして、それらの課題解決と学校での学びを関連づけてほしいと思います。3年間の大高生活を通して、未来に向かう高い志と、それを実現するための逞しい心と体、そして、大学でのより深く高度な学びや研究に備える高い学力を身につけて欲しいと願っています。

 皆さんは日本初の第一次南極観測隊越冬隊長を務めた西堀栄三郎を知っているでしょうか。この方は真空管の製造・開発を通して、世界に誇る日本品質の礎を築いた技術者であり、その一方で、日本初の8000メートル級登山となるヒマラヤ山脈マナスルの登山計画に尽力した登山家でもあります。まさに今流行りの二刀流。文武両道を地で行く科学者です。

 当時の日本で、「南極大陸の観測は無謀だ」とも言われた挑戦を成功させたのは、科学者としての冷静な分析力や登山家としての不屈の実行力であったと思います。その偉業を成し遂げた西堀栄三郎は次のように述べています。「石橋を叩いて安全を確認してから決心しようと思ったら、おそらく永久に石橋は渡れない。やろうと決めて、どうしたらできるかを調査せよ」。挑戦することの大切さを伝える言葉です。

 高い目標を掲げることの意味は「達成すること」そのものではありません。目標を持つことによって「自分の行動の質」が変わることにあります。掲げる目標によって必要となる行動は異なります。また、立ち向かうべき試練や困難も異なります。自分が掲げた目標と選んだ行動を通して、自分と向き合い不安や困難を乗り越えながら、様々な成功や失敗、挫折といった経験を重ねることが、皆さんをひと回りもふた回りも大きく成長させてくれます。目標の高さは、自分がどれだけ成長できるかを左右することにつながるのです。

 ここで忘れてはならないのは、常に自分の思うように物事は進まないということです。誰もが完璧ではないということ、自分も壁にぶつかる、失敗する、自信を失う経験をするということを受け入れることです。大切なのは、その時どうするかを学ぶこと。自分の弱さと向き合うことも、他者に助けを求めることも、誰にも必要な経験であり、すべてが成長の糧となるのです。

 エベレスト登頂を目指すクライマーは、たとえ麓の天候が悪くても、頂上を見据えて一歩を踏み出します。皆さんも、目の前の小さな躓きや失敗に一喜一憂することはありません。見据える未来に向け、少しずつでも上へ上へと一歩ずつ確実にその歩みを続けることに大きな意味があります。皆さんには社会の大きな未来に目を向けて欲しいと思います。また、同時に、3年後の自分の輝く未来を想像し、その未来を現実のものにしてほしいと強く願っています。

 最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、重ねて入学のお喜びを申し上げます。この15年間、様々なご苦労があったことと思います。心から敬意を表したいと存じます。本日、大切なお子様を確かにお預かりいたしました。責任をもって、お子様の力をしっかりと伸ばしてまいります。

 高校時代は、生徒一人一人が、自分の人生を自分の力でつかみとっていく大切な時期です。失敗や挫折、成功の経験を重ねながら一歩一歩少しずつ自立した大人へと成長していきます。私が昔出会った「アメリカインディアンの教え」の中から3つの言葉をご紹介します。「心が寛大な人の中で育った子は 我慢強くなります」「励ましを受けて育った子は 自信を持ちます」「人に認めてもらえる中で育った子は 自分を大事にします」。どうか保護者の皆様にはどっしりと構え、笑顔で、お子様の成長を後ろから暖かく見守っていただき、力強く支えていただきますようお願いいたします。 私たち教職員は、大宮高校の教育に誇りをもって全力で取り組んでまいります。家庭と学校との風通しを良くしながら、お子様の成長を後押ししてまいります。何卒、御支援・御協力を賜りますようお願いいたします。

 それでは、3年後の卒業式の日に、ここにいる新入生が心身ともに大きく成長し、すべての生徒、保護者の皆様が「大宮高校で本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。 

「自分らしく 大高生らしく」

軌跡は「残す」ものではなく「残る」もの。

大切なのは、その日その時、自分がベストを尽くすこと。

そうして今の自分がある。そうして今の大宮高校がある。

これからも自分らしく、大高生らしく。

今、皆さんは大宮高校物語の主役です。

 

【前期始業式】

  皆さん、おはようございます。令和8年度、大宮高校創立100周年を迎える1年がスタートしました。今朝皆さんは、新たな気持ちで、やる気に満ちて、門をくぐったことと思います。午後には新たな大高生が仲間になります。2年生、3年生の皆さんには、「我々について来い」と背中で語ってほしいと思います。ぜひ「チーム大宮」の精神を伝授してください。

 さて、3月の終業式では、大宮高校に学ぶ皆さんに現状維持は似合わないと言いました。残された卒業までの高校生活の中で、何に挑戦し、どんな経験をして、どれだけの自信を手にするか。学校生活の充実と進路実現、人として成長していくための目標設定と行動計画をじっくりと考えてほしいとお願いしました。どうでしょうか。目標を立てなければ、自分がやるべきことも明確になりません。必ず具体的な目標を立ててください。

 ところで、皆さんはこれまで、様々な経験をし、自分の軌跡を残してきたと思います。どんな軌跡でしょうか。おそらく、いろいろなことに一生懸命取り組んだ結果が軌跡となって残っていることと思います。言うなれば皆さんの歴史です。いろいろな出来事や取組の成果や結果などを書き出せば、ひとつの年表が出来上がることと思います。ただ、歴史の学びにも言えることだと思いますが、事実や結果だけを並べてもあまり意味はありません。大事なのはその背景や過程を知ることにあります。

 皆さんの軌跡も「結果」ではなく「プロセス」に意味があるのだと思います。もちろん結果も大事ですし、自分が望む結果となることが理想ではありますが、たとえ結果が伴わなかったとしても、全力で臨んだのであれば、そのプロセスには、間違いなく大きな意味があるはずです。大事なのは「本気で」「全力で」「根気強く」「頑張り抜いたか」という点です。

 皆さんは今、自分の軌跡の先端にいます。皆さんの前には軌跡などありません。ぜひしっかりと前を見て、上を向いて、自分の進むべき道を目標に向かって力強く前進してください。加えて言えば、皆さんのその姿や掴んだ成果や結果は、誰かの道しるべになり、後に続く者の励みになるはずです。

 大宮高校は100年に渡る軌跡の上に今があります。甲子園に出場するなどスポーツ強豪校として名を馳せた時代、進学校へとその姿を変えてきた時代、その時その時の生徒や教員の情熱や挑戦が、素晴らしい軌跡を残しています。しかし、皆大宮高校の軌跡を残すことを目的に頑張ってきたわけではありません。軌跡は「残す」ものではなく「残る」ものだと思います。先輩たち一人一人は、自分の目指す道を全力で進むことを続けていたはずです。その結果、それらの積み重ねが軌跡となり、今、大宮高校の「校風」として残っているのだと思います。

 この「校風」は、皆さん個人の軌跡に当てはめれば「自分らしさ」です。「自分らしさ」を大事にしてほしいと思います。自信を持てる自分でいられるよう、何事にも積極的に取り組んでください。

 また、同じくらい皆さんには「大宮高校の校風」「大高生らしさ」を大切にしてほしいと思っています。昨年11月の100周年プレイベント「大高人記念講演会」では、先輩たちの話から「大高生らしさ」を学ぶことができたのではないかと思います。様々な分野の第一線で活躍している先輩たちが高校時代、何を考え、どんな行動をとっていたのか。是非参考にして、その背中を追ってほしいと思います。

 「大高生らしさ」を考えるにあたって、私からお願いがあります。「人としての魅力」を大事にしてほしいということです。日頃から「人としてどうあるべきか」を意識してください。これは、未来を創るリーダーに不可欠な要素です。

 皆さんは、大宮高校100年の中の3年間、「大高物語」の主役を務めています。自分が自分らしくいられるように、大高生が大高生らしくいられるように、そして、大宮高校が大宮高校らしくいられるために、皆さん一人一人が、どうあるべきか、何をすべきかを考え、実践してください。記念すべき100周年イヤー、何かに全力で挑戦し、最後までやり抜き、「これだけはやり切った」と自信を持って言える1年にしてほしいと心から願っています。皆さんの健闘と活躍を期待しています。

「現状維持は似合わない」

現状維持では成長できない。

だから不安や緊張に立ち向かう。

そんな経験を積みながら、先輩たちも大きな自信を手にしたのです。

 

【後期終業式】

 

 皆さん、おはようございます。時が経つのは早いものです。今日、1年間の学びを終える節目の日を迎えました。皆さんにとってどんな1年だったでしょうか。改めて、自分の大高生活を評価してみてほしいと思います。

 さて、前回の全校集会で、私は皆さんに「仲間と共に大宮高校で学んでいることに喜びや幸せを感じてほしい」ということを伝えました。いろんな仲間と関わり合える今の環境を活かしてほしい。ここで学ぶことを目指し、大高生となったことに自信を持ってほしいと願っています。今日は、前回の話の続きとして、「現状に満足、あるいは現状に妥協し、成長のチャンスを放棄していないかを自分に問うてほしい」ということを話したいと思います。簡単に言えば「チャレンジしているか?」ということです。

 私は、まずは大前提として、この大宮高校での生活が、皆さんにとって「コンフォートゾーン」であってほしいと願っています。大高生であることの喜びの実感や学びの充実、仲間の存在などによって、精神的に快適なゾーンにいてほしいと思っています。もちろん、それは単に与えられることによって得られるものではないので、自分の努力も必要です。

 その上で、皆さんには心地よくてストレスフリーの生活に満足することなく、「コンフォートゾーン」から「ラーニングゾーン」へと常に一歩踏み出してほしいと願っています。「ラーニングゾーン」とは、「自分にできるだろうか」と心配したり、ちょっと失敗をして冷や汗をかいたりするなど、不安や緊張を感じながら、現状の知識やスキル、経験では通用しないことに向かっている状況を指します。人が最も成長する環境と言われています。

 福沢諭吉やウォルト・ディズニーの言葉にもあるように、志を遂げようとする者にとっては、「現状維持は退歩」であるといえます。大宮高校に学ぶ皆さんに、現状維持は似合わないと思っています。成長という現象は安定の外側で起きます。翼を押し上げるのは向かい風です。向かい風という抵抗(ストレス)がなければ、空へと飛び立つことはできません。私たちにとってストレスは成長のエネルギーでもあるのです。これからの未来、豊かな社会の創造を担う大きな志を持つんだということを忘れないでほしいと思います。そして、成長のチャンスを逃さないでください。

 ところで、今回も大高生に関する素敵なエピソードを紹介します。先日、市内に住むある方から学校にメールが届きました。本校1年生の生徒4人に、地域の広場で幼稚園に通う子供たちと遊んでくれたことへの感謝を伝えたいとのメールです。遊び始める前には保護者に「大丈夫ですか?」と確認をとってくれて安心できたこと、遊ぶ中では「道路には出ないようにね」などの声掛けで、小さい子の安全に気を配ってくれたことなどが書かれていました。また、その方は、遊んでくれた生徒のように優しい子どもに育つよう頑張りたいとも書き添えてくださいました。

 わざわざメールをいただいたことに私も感謝したいと思います。また、大高生が地域の中で、他世代の方々とお互いを尊重しながら交流していることをとても嬉しく思いました。まさに、私たちが社会の中で、人と人とのかかわりあいの中で生きていることの素晴らしさを感じる出来事です。皆さんにはこれからも、地域の中の学校であること、地域の一員としての高校生であることを意識して、日々の生活を送ってほしいと思います。大宮高校は、地域に愛され、応援してもらえる学校でありたいと思います。中学生にとっても目標であり憧れの学校でありたいと思います。我々教職員と皆さんの手で、魅力ある大宮高校を築いていきましょう。

 最後に、先日の卒業式で、卒業生代表の先輩が答辞の中で述べた言葉を、この場を借りて1年生にも紹介します。「私たちは、世界が大きく変化する中で、思うようにいかず、立ち止まることもあるかもしれません。しかし、大宮高校で培った経験があれば、私たちはどんな困難でも乗り越えていけると確信しています。」大宮高校での日々の実践の中で、自分の手でつかんだ自信が伝わる力強い言葉です。

 皆さんにも、ぜひそうあってほしいと思います。これからの大高生活で、何に挑戦し、どんな経験をして、どれだけの自信を手にしますか? どんな卒業式を迎えるかは自分次第。自分の未来を創るのは自分自身です。今一度、現在の自分の学校生活を振り返り、2週間後に始まる新学年のスタートに向けて、学校生活の充実と進路実現、そして人として成長していくための目標設定と行動計画についてじっくりと考えてください。やる気に満ちたいきいきとした姿で始業式に臨んでくれることを期待しています。