校長室より

校長室より

「誰だって、弱い自分を持っている」

大高生に求める自主自律、それは「自分で考えて、自分の意志で判断・行動し、その結果に自分が責任を持つ」ということ。

自信を持って決断し前に進むためにも、授業や行事、部活動に全力で取り組み、趣味や読書なども含めたいろいろなことを通して知識を深めるとともに、多種多様な経験を積んでくれることを願っています。

でも、誰もがみんな常に自信を持って行動できるものではありません。前に進むことができない自分に自信が持てなかったり、自分を否定したくなってしまったりすることが誰にでもあります。

そんな時は、ぜひ誰かを頼ってみてください。自分の心の内を誰かに伝える一歩を踏み出すことが打開策です。

 

 前期全校集会②

 

 皆さん、おはようございます。

 連日大変な酷暑が続いた夏休みが終わりました。この間、学校では、各種の補習や夏期講習が行われ、多くの皆さんが学校に足を運び、熱心に参加していました。特に、お盆の期間中も集中を切らすことなく講習に参加し、教室で黙々と勉強する3年生の姿は、大高生の頼もしさを感じるものでした。

 また、部活動では、皆さん一人ひとりが、この暑さの中で安全に活動するための工夫をしながら、自分たちの目標に向かって努力を重ねていました。いずれの生徒も、自分の意志で、自分の高校生活を創り上げているという印象を持ちました。「やらされている」のではないというのが、大高生の強みだと感じています。

 勉強や部活動はもとより、何事においても大切なのは、主体性です。自分にとって必要なことは何か、どのようにすべきかを自ら考え、行動することです。親や教員の支援を受けながらも、「自分で考えて、自分の意志で判断・行動し、自分が結果に責任を持つ」ということが、皆さんに求める自主自律の精神です。

 「結果に責任を持つ」ということは「環境や他人のせいにしない」ということですから、自信を持って自分が判断・行動する必要があります。そのためにも幅広く豊富な知識と経験を大切にしてほしいと思います。

 知識は、自信ある行動選択をする際の大切な判断材料になります。とりわけ情報過多ともいわれる今の時代にあっては、正しい情報を見極める上でも重要です。また、知識だけでなく、成功や失敗を重ねた多様な経験が、自分の判断を後押ししてくれるはずです。日々の学びや経験の一つひとつが、人生を創り上げる礎であるということを意識してください。

 ぜひ、授業や行事、部活動に全力で取り組み、趣味や読書なども含めたいろいろなことを通して、知識を深めるとともに多種多様な経験を積んでほしいと思います。

 とはいっても、誰もがみんな常に自信を持って行動できるものではありません。壁にぶつかったとき、自分一人で悩みや苦しみを抱え、前に進むことができない自分に自信が持てなかったり、自分を否定したくなってしまったりすることが誰にでもあります。

 そんな時は、ぜひ誰かを頼ってみてください。友人や親、教員、近くにいる誰かを頼ってほしいと思います。自分の心の中に悩みや苦しみを抱えているときが一番つらいものです。

 誰もがみんな、弱い自分を持っています。弱音を吐くこと、本当の自分の気持ちを伝えること、誰かに頼ることや助けを求めることは、恥じるようなことではありません。自分の心の内を誰かに伝える一歩を踏み出すことが打開策です。周りの人は意外と頼りになるものです。「案ずるより産むが易し」、教職員も必ずあなたの声に耳を傾けますし、校長室に来てもらっても大丈夫です。苦しいときこそ、一歩を踏み出してくれることを願っています。

  ところで皆さん、この夏休みは「南海トラフ地震 臨時情報(巨大地震注意)」という言葉に驚いた人も多いのではないでしょうか。

 幸い今のところ巨大地震は発生していませんが、神奈川や茨城で震度5弱の揺れを感じる地震も発生しており、改めて私たちは地震大国に住んでいることを実感します。埼玉県もいつ大きな地震の被害を受けるかわかりません。もしもの時は、どんな場所にいたとしても、まずはその場で周りの危険物を確認して、「身を低くする」「頭を守る」「動かない」という身を守るための3つの行動をとり、地震の揺れが収まったら冷静に避難することが大切です。 

 地震はいつどこにいるときに起こるかわかりません。もしかしたら明日かもしれませんし、今日かもしれません。文化祭の最中に大きな地震が発生するかもしれません。もしそうなった場合、あなたはどのような行動をとりますか。その場に教員がいないかもしれません。生徒以外の来校者「お客様」がいます。お客様に何という声をかけ、どのような指示や誘導をしますか。ぜひ想像してみてください。

 もしも、登下校中だったらどうしますか。どのようにして安全を確保し、どこに避難しますか。どのようにして家族と連絡をとりますか。ぜひ想像してください。そして、できる備えをしてください。

 自転車ヘルメットの話の時も言いましたが、自分の未来を守るためにできることは、可能な限り何でもするという意識を持ってほしいと願っています。

 それでは、文化祭から始まる前期の後半戦。メリハリをつけながら高校生活に精一杯取り組み、楽しく充実した毎日になることを願っています。皆さんのはつらつとした姿を楽しみにしています。 

「あの渋沢栄一も期待している」

令和6年度夏休み前の全校集会。

明日から時間を有意義に使うことができる夏休みが始まります。

ぜひ身の回りに目を向け、関心を持ち、身近な課題や問題を考えてみてください。

きっと将来の社会や世界を変える力へとつながるはずです。

やりたいことや夢に出会う夏であってほしいと願っています。

だって、皆さん若者たちに未来を託しているのですから。

 

前期全校集会

 

 皆さん、おはようございます。

 4月の始業式、入学式で始まった令和6年度は、早くも夏休みを迎えます。皆さんにとってのこの3か月半は短く感じたでしょうか?それとも長く感じたでしょうか?1時間は60分、1日は24時間、誰もが同じ時間を過ごしているのに感じ方が違うというのは不思議なものです。

 私は、とても短く感じました。あっという間に感じています。今日までの学校生活の中で、皆さんの頑張る姿、輝く姿、笑顔をたくさん見ることができました。私にとってはとても刺激的で楽しい毎日でした。

 これまでいろいろなことがありましたが、その中で、一番感激し、うれしかったことを紹介します。

 それは、ある日の放課後、教室前の廊下を歩いていた時に目にした光景です。 

 一人の生徒が、廊下においてあるペットボトルのゴミ箱のゴミ袋の交換をしていました。係でも当番でもないのにです。理由はゴミ箱がいっぱいになったから。私は本当にうれしく思いました。まさに「公共心」、他者の幸せ、みんなの幸せです。

 私は、始業式の時に、公共心について話をしました。ぜひ、皆さんには、今一度「公共心」を意識してほしいと思います。 

 さて、先日7月3日に新紙幣が発行されました。皆さんもご存じのとおり、1万円札には、埼玉県が誇る近代日本経済の父、渋沢栄一の肖像が描かれています。

 ところで、その渋沢栄一は、青年(若者)について、次のようなことを述べています。 

「世の中は絶えず動いている。従って社会の進歩発達を期するには、時代に適応した人物を要すること勿論である。時代に適応した人物とは、言うまでもなく新人を意味するものであって、新人が出て絶えず世の中の空気を新しくし、向上進歩を計るところに国家社会の進歩発展があり人類の幸福増進もまたここに育まるるのである。この見地により、私は青年諸君に最も望みを属するものである。」 

 まさに、現在の皆さんに対する期待です。ここにいる皆さんが、未来をリードする人材となる可能性を秘めています。ぜひ、未来を創る人材へと成長してほしいと願っています。 

 そのために重要なのは、内発的な動機やモチベーション。自分のやりたいことや夢を持つことが大切です。

 そこで、夏休みを迎えるにあたって皆さんにひとつお願いをします。

 皆さんには、夏休み期間中に、勉強や部活動以外のことに対して、どんなことでもいいので、興味や関心を広げ、疑問や課題を見つけ、自分なりの思考を深めて欲しいと思います。 

 本や新聞、報道などから社会情勢や自然環境などに関心を持つこともよいですし、身近な課題や困りごとを考えるのもよいと思います。

 例えば、お弁当をつくってくれる親を楽にする方法はないか?おじいちゃんやおばあちゃんの困りごとを解決できないか?など、身の回りのちょっとした課題を解決しようと考えてみる。

 身の回りに目を向け、関心を持ち、隣にある問題を解決しようとする意識と行動が、社会を変える、あるいは世界を変える力につながっていくはずです。

 目の前の問題を解決しようとする。すると何かが変わります。周りが変わり、自分も変わるという経験や自信が、大学受験の先にある将来に向けたモチベーションにつながるのだと思います。

 時間を有意義に使うことができる貴重な夏休みです。明日からの38日間を、毎日ルーティンの繰り返しだけで終わらせてしまってはもったいない。いろいろことに関心を持ち、視野を広げ、思考を深めましょう。何か、自分が食いつきたくなるようなことに出会えることを期待しています。 

 最後にひとつ。皆さんの充実した今、そして、未来を守るために、自転車乗車中のヘルメットをぜひ着用するようお願いします。

 どんなに気を付けていても、事故に遭うリスクがあります。例年多くの高校生が、自転車事故により、命を落としたり、頭に大きなけがを負って、後遺障害に苦しんだりしています。一瞬の出来事で、人生が大きく変わってしまう可能性があるということを、どのように受け止めるか、「想像力」がポイントです。

 事故に遭ってから後悔したのでは遅いのです。皆さんには後悔してほしくありません。自転車ヘルメットに限らず、自分の未来を守るためにできることは、可能な限り何でもするという意識を持ってほしいと願っています。 

 それでは、充実した夏休みを過ごし、心身ともにひと回り成長して、8月27日、元気に会いましょう。

「失敗したっていい。大切なのはその次だ」

凛とした姿の新入生。皆さんの入学を頼もしく感じます。

大高での3年間は、将来に向けた自分探しのとき。

何かに挑戦し、打ち込み、やり抜いてほしいと願っています。

失敗したっていい。「挫折は挑戦の証」ですよね。

 

 式辞

 桜が咲き、若い命が躍動する春がめぐってまいりました。この春のよき日に、本校PTA会長 木太拓志様、後援会会長 玉川信様、同総会会長 笠原清和様、並びに新入生の保護者の皆様方のご臨席を賜り、かくも盛大に令和6年度埼玉県立大宮高等学校入学式を挙行できますことは、本校関係者一同大きな慶びでございます。ご臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可いたしました362名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 また、保護者の皆様方におかれましても、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお喜びを申し上げます。

 本校は、創立98年目を迎えた、長い歴史と伝統を誇る高校です。皆さんは、その本校入学に向け、ひとつの大きな目標を達成するための努力を積み重ねてきました。そして、今日、見事にその目標を達成し、この場に立っています。皆さんには、決して容易くはない大きなことを成し遂げたという自信を手にするとともに、将来への限りない可能性を感じて欲しいと思います。

 皆さんがいるこの場はゴールではなく、将来に向けたスタート地点です。ゴールはもっと先にあります。皆さんはこれから次の目標に向かってさらに前進していきます。今日から始まる高校生活は、皆さんが将来に向けた「志」を持つための様々な経験を積む場です。これまでの経験に加え、「大高生」としての経験一つ一つを大切にし、何かを感じ、何かを考え、自分のなすべきこと、自分が目指す道を見出してほしいと願っています。

 皆さんは、バッグやアパレルの開発・生産・販売をする「マザーハウス」という会社を経営する山口絵理子さんという方を知っているでしょうか。

 この方はさいたま市立宮原中学校出身、高校時代は同じ市内の大宮工業高校で学んだ方です。

 山口さんは、小学校時代、人間関係などでつらい経験をしたそうです。中学時代、柔道を始めましたが、少しグレていた時期もあったとのことです。しかし、中学卒業を機に、もう一度自分をリセットして本来の自分になりたいと、柔道の強豪校である大宮工業高校に進学し、男子柔道部に唯一の女子部員として入部しました。

 当時の顧問に話を聞くと、中学校の大会を観に行った際に、大宮工業の柔道部に入りたいと本人から申し出があったのですが、女子部員がいないことから一度は断ったそうです。しかし、山口さんの強い意志と熱意を受け、初めての女子柔道部員が誕生することとなります。

 山口さんは本当に負けず嫌いで、1年目は「悔しい、悔しい」と毎日のように泣いていたそうですが、人一倍練習に打ち込み、全日本ジュニアオリンピックで7位になるというところまで上り詰めました。

 柔道をやりきった山口さんは、そこで目標を切り替え、慶応義塾大学に進学。そこで途上国開発のテーマに出会います。大学4年生の時に、アメリカの米州開発銀行にインターンシップ留学し、貧困問題を学び、バングラデシュに興味を持った山口さんは、現実の問題を解決するためには現地を知ることが重要であると考え、実際にバングラデシュを訪れます。

 バングラデシュの貧困の現状やはびこる汚職などを目の当たりにした山口さんは、現地の大学院で学びます。そして、「この地に希望の光を灯したい」との思いから、バングラデシュの原料と現地の人の力で作り上げた製品を世界で販売して社会を変えようと決意し、「発展途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げた会社を設立したのです。

 はじめは、現地の人々の理解をえられず、多くの壁にぶつかったといいます、しかし、決して諦めることなく志を貫き、事業を継続してきた結果、今では、日本国内に42店舗、海外に7店舗を構える企業へと成長し、バングラデシュをはじめ、ネパールやスリランカなどの途上国に製造拠点を展開し、現地の人々の雇用を生み出し、生活を支えています。

 一人の女性の志が、社会を変え、多くの人々を笑顔にしているのです。

 先ほど私は、皆さんにとって、今日が将来に向けたスタートであるということを申し上げました。この「将来」について、皆さんに求めたいことがあります。

 それは、「自分の将来」を「社会の未来」に関連付けて欲しいということです。本校は目指す学校像に「高い志と強い使命感を持った未来を創るトップリーダーを育てる学校」を掲げています。つまり、私たちは、皆さんの進路実現の先に、日本そして世界の未来を創るという壮大なビジョンを掲げているのです。まさにこれが本校が目指すゴールです。

 私たち教職員は、日々の授業はもちろん、学校行事や部活動を含めたあらゆる教育活動が、社会の未来に繋がっているという思いで、皆さんとともに前進していきます。

 皆さん、ぜひ大宮高校での3年間で、何かに挑戦し、打ち込み、やり抜いてほしいと思います。その情熱とエネルギーが、皆さんの将来、社会の未来を創り上げていくと信じています。

 最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、重ねて入学のお喜びを申し上げます。この15年間、様々なご苦労があったかと存じます。心から敬意を表したいと存じます。 

 本日、大切なお子様方を確かにお預かりいたしました。責任をもって、お子様方の力をしっかりと伸ばしてまいります。

 入学にあたり、ひとつ保護者の皆様にお願いがございます。それは、ぜひ、お子様に、転んだ時の立ち上がり方を学ばせてあげて欲しいということです。私も一人の親として、つい、転ばないコツ、転ばない道の選び方を伝えたくなります。確かに転ばないことも大切ですが、それ以上に大切なのは転んだ時の立ち上がり方です。

 私たちは転ぶ経験を通して立ち上がり方を学びます。生徒にとっては成功と同様に失敗も貴重な経験であり、大きな財産です。高校時代は、生徒一人一人が、自分の人生を自分の力でつかみとっていく大切な時期でもあります。お子様の成長を後ろから暖かく見守っていただき、力強く支えていただければと存じます。

 私たち教職員は、大宮高校の教育に誇りをもって全力で取り組んでおります。ぜひ、家庭と学校との風通しを良くしながら、お子様の成長に向け、ともに取り組んでいきたいと思いますので、何卒、御支援御協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、3年後の卒業式の際、ここにいる新入生が心身ともに大きく成長し、すべての生徒・保護者の皆様が「大宮高校で本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。                 

 

 令和6年4月8日     

 埼玉県立大宮高等学校 校長  松中 直司

「何気ない一つの行動が、みんなを幸せにする」

平成6年度前期の始業式。

大宮高校の新たな1年がスタートしました。

私も「チーム大宮」の一員として、皆さんとともに前進していきます。

よろしくお願いします。

未来を創るトップリーダーに欠かすことのできない「公共心」。

みんなの幸せ、全体の幸せに自分がどう貢献できるか、考えてみましょう。

 

令和6年度 前期始業式

 

 皆さん、おはようございます。

 この4月1日、前任の鎌田校長先生の後任として着任した松中と申します。まもなく100周年を迎えようとする長い歴史と伝統のある大宮高校に着任したことを大変光栄に感じるとともに、身の引き締まる思いです。

 鎌田前校長先生は、大宮高校について、本当に嬉しそうに、自慢の生徒たち、誇れる先生たちのことを話してくれました。私は、その話を聞いて、大高のすばらしさを知り、今、とてもワクワクしています。

 皆さんはすでに大高生として二年、あるいは一年過ごしていて、私から見ると大高の先輩になります。私自身がまずはしっかりと、この「チーム大宮」の一員として、皆さんの仲間入りができるよう、この大宮高校を、皆さんを、知ろうと思います。

 日々の学習や部活動・行事などにおいて、皆さんがどんな振る舞いをしているのか、本当に楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。

 さて、新たな年度の始まりにあたり、「公共心」について、話したいと思います。

  皆さんは、大高の目指す学校像を知っていますでしょうか?

 大高は「高い志と強い使命感を持った未来を創るトップリーダーを育てる学校」を掲げています。 本校で学んだ卒業生たちが、この先の社会をリードし、あるいは支え、未来を創る主体となってくれることを目指しています。

 私は、社会の一員として、主体となって社会を動かす人材を育てる基盤にあるのは、「公共心を持つこと」こと、「公共心について考える」ことであると考えています。

 では、公共とは何でしょうか。公共とはプライベートに対してのパブリック。「個」に対しての「みんな」あるいは「社会全体」ということです。「公共心を持つ」ということは、みんなの幸せ、全体の幸せを考えるということだと思います。

 社会の未来を創ることは、みんなの幸せ、全体の幸せを考えることにほかなりません。私は未来を創るリーダーを育てるこの大宮高校の校長として、皆さんに「公共」を意識し、考え、「公共心」を持ってほしいと願っています。

 例えば、ゴミを捨てない、ゴミが落ちていたら素通りしない、自分優先ではなく、相手を優先する。学校の中には、ちょっとした公共心によって、みんなの幸せ、学校の幸せにつながることがたくさんあります。

 学校の外でも同じです。登下校中の交通マナー、電車の中での言動、他校を訪れた時の振る舞いなど、様々な場面において、他者の立場、全体の立場から見ることができるかが大切です。

 是非、「公共心」について考えてください。みんなの幸せ、全体の幸せに自分がどう貢献するかを考えてください。将来皆さんが、社会の第一線で活躍する上での大切な「トレーニング」になると思います。

 皆さんが、さりげなく「After you.」と言える素敵な大人になってくれることを願っています。

 お互い、今年1年間を充実させましょう。

令和5年度後期終業式

 本日、1,2学年が体育館に集い、令和5年度後期終業式、表彰式、壮行会、グローバルリーダー育成プロジェクト報告会がありました。年度末休業中も各部活動等で大高生は活動を続けます。明日から全国大会に向かう部活動もあります。しかしながら、本日で本年度の学校全体での行事を無事終了することができました。令和5年度は、コロナ禍の影響も少なくなり、予定した教育活動も実施することができました。生徒の皆様、教職員の皆様、PTA後援会等の関係者の皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。終業式の校長挨拶を掲載いたします。 

校長挨拶 

 皆さん、おはようございます。昨日までのスポーツ大会お疲れさまです。こうして一つ一つの行事が終了し、今日は令和5年度を締めくくる終業式を迎えました。皆さんにとって、令和5年度の大高生活はいかがでしたか?1年生は、大高生となって早1年が過ぎようとしています。来月には後輩たちが入学してきます。よき先輩として、新入生に自分たちの経験を話してください。2年生は、間もなく最上級生になります。部活動や行事で下級生たちを引っ張ると同時に、自分自身の夢の実現に向けて、大学受験にもしっかり取り組んでください。

 先週卒業式がありました。1年生は式に参加できなかったので、元生徒会長の守岡さんの答辞の一部を伝えます。「大宮高校で苦楽を分かち合った私たちは、これからも苦難に負けず、仲間を信じて理想へと進むことができます。私たちの歩んだ道が後進の希望となるよう、誇りをもって踏み出します。在校生の皆さん。皆さんもまた努力する逸材です。自分を信じて前向きに進んでいってください。そして困ったときは周りに目を向けてみてください。きっと、皆さんを愛する人々がそばにいます。人と繋がり、これからの大宮高校を担ってください。」このような素敵な答辞でした。さあ、皆さんはバトンを渡されました。皆さんのこれからの活躍を楽しみにしています。

 私からは、皆さんに質問があります。「チーム大宮」という言葉をよく言います。この「チーム」と似ている言葉に「グループ」という言葉があります。「チーム」と「グループ」、この二つの言葉の意味の違いは何でしょうか?言葉の持つ印象の違いで結構です。近くの生徒と90秒間話してみてください。 

 (すぐに意見交換が始まり、意見を発表してほしいと伝えると数人の生徒の手が挙がった。発表してくれた3人の生徒の意見の概要は、「チーム」は、自らの意志で参加し、仲間意識をもって共通の目標を目指す。一方「グループ」は、共通項があるだけの、ただ分類された集団であるという内容であった。) 

 例えば、「チームワーク」という言葉と「グループワーク」という言葉比べると、その意味の違いがはっきりします。「チームワーク」というと、チームのそれぞれが役割を担い、状況に応じて誰もが入れ替わり立ち代わりリーダーシップをとり、他の人の心情を察して叱咤激励をしながら、チーム全員で目標に向かっていくという意味になります。ところが、「グループワーク」というと、ある集団で行う活動という意味になります。「チーム」という言葉には、心や魂が込められている気がしてきますね。

 元世界銀行副総裁の西水美恵子氏は、著書「あなたの中のリーダーへ」(英治出版)の中でグループとチームの違いをこう述べています。

 ●グループは強いリーダーに率いられる。

 〇チームは状況に応じてリーダーシップを分かち合う。

 ●グループは個人が責任を負う。

 〇チームは、誰の間違いでも、全員が共同責任を快く負う。

 ●グループの目標は、指令されるか、所属する組織の目標と同じ。

 〇チームの目標は、チームが自発的に設定し、行動に移す。

 ●グループは各々個人が成果を収める。

 〇チームは個人別の成果に執着せず、全員が共同成果を収める。

 ●グループは能率的に会議を進行する。

 〇チームは、幅の広い開放的な議論と、活発に問題を解決する会議を促す。

 ●グループは、外部への影響力を介して、間接的に業績を見る。

 〇チームは、共同成果を直接評価して、業績を見る。

 ●グループは、議論をし、結論は出しても、実行は委任する。

 〇チームは、議論をし、結論を出して、自ら実行に力を合わせる。

 ●グループは礼儀正しい議論を好む。

 〇チームは率直で正直な会話を好む。

 ●グループはただ黙々と働く。

 〇チームは仕事を楽しみ、笑いが途絶えない。

 ●グループは必要だから集まる。

 〇チームは仲間との集いを待ち遠しく思う。 

 長期休業あけ、新しい年度の始まりが待ち遠しいですね。「チーム大宮」のど真ん中にいる大高生の皆さん、夢を見つけて、その実現に向けての計画を練って、一歩一歩行動に移してください。そして、くじけそうになった時こそ、笑顔を忘れないでください。Dream, Plan, Action and Smile

第74回卒業証書授与式

令和6年3月14日(木)、天候にも恵まれ、第74回卒業証書授与式を厳かに挙行することができました。当日の朝、業務さんに言われました。「昨日の卒業式予行の後、3年生が下足箱を丁寧に掃除をしていたんです。隅々まできれいに拭き掃除をしていました。」これが大高生だと嬉しくなりました。とても寂しいですが、卒業生の前途を祝福し、式辞を掲載いたします。

 

校長式辞                          

 三寒四温を繰り返しながら、気が付けば木々の芽がふくらみ、春の訪れが感じられるようになりました。今日この佳き日に、PTA会長、後援会会長、同窓会会長のご臨席を賜り、保護者やご家族の皆様方とともに「埼玉県立大宮高等学第74回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。皆様、誠にありがとうございます。

 ただ今、卒業証書を授与しました351名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんの3年間にわたる努力と成長に心から敬意を表します。 

 皆さんは、3年前、コロナ禍の県立高校入試を突破し大高生となりました。当時はまだ学校行事や部活動が制限され、宿泊行事や部活動の大会が中止になるなど、辛い思いをした人も多かったでしょう。2年生になってからは、行事や部活動の制限も徐々に緩和され、文化祭や体育祭も実施できるようになりました。しかし、文化祭直前で学級閉鎖になり、感染を拡大させないために登校を禁じられ涙をのんだクラスもありました。準備の途中になったままの教室を思い出します。秋には、沖縄への修学旅行も実施できました。中学時代に経験できなかった修学旅行を大高の仲間と経験できた人というも多く、いつまでも語り合えるよき思い出となったことでしょう。3年生になってからは、部活動の大会や学校行事もコロナ前に戻り、ドイツ姉妹校への派遣も実施できました。皆さんは、最上級生として行事を盛り上げ、部活動では立派な成果をおさめました。体育祭で全団の団長と一緒に選手宣誓ができるとは、、、私にも素敵な思い出ができました。 

 私は、皆さんの授業をよく覗きにいきました。教室の前から、皆さんの真剣な眼差しを見るのが好きでした。教室の緊張感と時折起こる生徒の笑い声も好きでした。生徒同士での活発な話し合いも、聞いていて楽しいものでした。よき仲間、生涯の友ができましたね。ずっと大切にしてください。 

 コロナに翻弄された大高生活でしたが、皆さんはその時々の状況を真摯に受け入れ、今自分たちが置かれている環境の中で最善を尽くしました。これが、大高生のすごいところです。この「現況の中で最善を尽くすこと」はとても大きな力になります。少々不本意ながらも、このままでは十分でないと思いながらも、自分が置かれている環境の中で、努力していると次の扉が必ず見えてきます。これが本当にやりたいことなのかと迷いながら、もがきながらでも、自分ができることに真摯に取り組んでいる人には、別の道が必ず現れます。次の扉を開けたり、別の道に進んだりしても、これまで真摯に向き合い努力してきたことは絶対無駄にはなりません。むしろ、その経験が次に生きてきます。これから、今よりも広く新しい世界に進む皆さん、自分が置かれた環境の中で、楽しみながら最善を尽くしてください。心が折れそうになったら、もっと強くなろうなどと無理をする必要はありません。そんな時は、大高の仲間を頼ってください。 

 大学等に進学し、新しいスタートラインに着く皆さん、皆さんが活躍するフィールドは世界です。世界の同じ世代の人たちがどのような考えを持ってどのような活躍をしているのか、注目してください。高校時代が夢の土台作りの前期だとすれば、大学時代は、夢の土台作りの後期です。土台は広ければ広いほどその上に高いものがそびえます。まずは多くの人に出会ってください。自分と異なる価値観に出会ったら、そむけずにまずは関心を持ってください。価値観が多様に存在する中で全ての人が幸せで持続可能な生活を営むことができる社会を創ることはとても難しいことです。しかし、これが皆さんに求められている命題です。様々な分野で未来を創るトップリーダーとなるための、広い土台をつくってください。 

 来年、もう一度チャレンジする皆さんに、42年前に浪人生活を経験した者として私事をお話しします。私の予備校での最初の英語の講義でした。その先生は、小柄でぽっちゃりした男性で、教室に入ってくると生徒たちから笑い声がおこりました。するとその先生はこう言ったのです。「何がおかしい。大学生は学生だ。就職した人は社会人だ。お前たちは学生でも社会人でもない。何者だ。宇宙人か。宇宙人なら合格するまで上向いて歩くな。」強烈でした。私はなぜかその先生に惹かれ、英語が好きになり、英語教師となりました。今の自分があるのは、浪人したあの1年があるからです。浪人というのは、1つの目標だけを目指すことが許されるいわば贅沢な1年です。家族や周囲の人たちに感謝の気持ちを忘れずに全力で挑戦してください。過去の事実は変えることはできませんが、過去に起こった出来事の意味は変えることができます。朗報を待っています。 

 保護者・ご家族の皆様、お子様のご卒業、心からお祝いを申し上げます。コロナの状況が変化していく中で、感染拡大防止と教育活動の継続をどうのように両立していくか、私たちは常に悩みました。後になってみれば、こうした方がよかったという反省もあります。その中で、保護者の皆様のご理解とご協力を得ながら、お子様の成長を共に伴走できたことは、私たち教職員にとって心強い支えとなりました。PTA行事も再開していただき、「チーム大宮」の素晴らしさを改めて感じました。深く感謝の意を表します。ありがとうございました。 

 結びになりますが、卒業生の皆さん、私は、皆さんの真摯に取り組む姿に感動し、皆さんと目と目を合わせての挨拶や笑顔、そして何気ない会話で、いつも元気を頂きました。ありがとう。これからも、誰かに何かを与えられる人であり続けてください。皆さんのこれからの活躍を心から願っています。Dream, Plan, Action and Smile 

                           令和6年3月14日

                               埼玉県立大宮高等学校長   鎌田 勝之

令和5年度 前期全校集会 校長挨拶

  皆さん、おはようございます。先日のスポーツ大会では、皆さんの元気な雄姿を観ることができました。勝ち負けや上手下手ではなく、一生懸命全力でプレーする姿は美しいものでした。クラスメイトを懸命に応援する姿も美しかった。バスケットボールが相手の顔面にあたってしまい、すぐに駆け寄って「大丈夫、ごめん。」と声をかける姿も美しかった。また、「大丈夫、気にしないで。」と返す姿も美しかった。授業中に学び合う姿や部活動で頑張る姿もそうですが、お互いに尊重し合い高め合い、共に喜び楽しむ「チーム大宮」の姿をみることができました。怪我をしてしまった生徒もいましたが、早期の回復を願っています。

 さて、スポーツ大会初日の7月18日(火)12時45分頃、私を訪ねて来校したお客様がいらっしゃいました。白髪の紳士です。その方が正門を入ると、下校する3人の女子生徒に会ったそうです。目が合うと、「こんにちは」と明るく挨拶をしてくれました。「お帰りですか。」と返すと、「はい、帰って勉強します。」とにこやかに応えてくれたそうです。その応対が実に爽やかで、気持ちよく、とても嬉しかったそうです。素晴らしい生徒たちだから是非とも褒めてくださいと仰いました。心当たりの生徒は、是非校長室にお越しください。その白髪の紳士の写真が飾られていますから。その方は、本校の元校長先生です。来校者への生徒の振舞い方で、大宮高校の真の成長を感じたとも仰っていました。そういえば、昨夜の報道ステーションで放映された「騙されない為の教科書」についてインタビューに答えていた3年生も素敵な笑顔で立派に応えていましたね。

 一方で、県民の方から大高生への苦情が入ることがあります。登下校時に広がって道をふさいでいる。電車の中で周囲を気にせずに大声で話をして迷惑だ。そのような苦情です。集団で行動すると、気持ちが大きくなり、責任感や罪悪感が薄れてしまうことがあります。まさに、Everybody's business is nobody's business.です。友人たちと集団で下校する時、ついつい広がって話しながらゆっくり歩いてしまうこともあるでしょう。前からベビーカーを押して歩いている人が来る。高齢の方が歩いている。そんな時は、「みんな片側に寄って!」などと誰かが一声かけられる。後ろから自転車が追い越しづらそうにしている時、「すみません」と誰かが声をかけて皆で端に寄り道を譲る。こんな大高生であってほしいと願います。そんな一声がかけられること、これは未来を創るトップリーダーに大切な資質の一つです。

 さあ、夏休みが始まります。講習、部活動、文化祭準備があって夏休みだって忙しいと思っている1,2年生、腹をくくって本格的に大学受験に臨む3年生、皆さんそれぞれに有意義な夏休みにしてほしいのはもちろんですが、夏休みには、是非、自分のこれからの人生を考える時間をもってほしいと思います。10年後、5年後、1年後の自分の姿を真剣に考える時間をつくってほしい。本校の進路指導部が作成している「進路資料」の挨拶にも書いているのですが、自分の進路を考える時、「これからの人生どのように生きてみたいか?」この問いを繰り返し考えることが大切です。「どんな未来を創りたいか?」、「何をしている時が幸せなのか?」、「自分の長所は?」、「どんな職業があって、どんな職業がないのか?」、「どんな職業が楽しそうか?」こんなことを真剣に、繰り返し自問自答してください。正解はありません。その時真剣に考えた選択がその時の答えです。まずは、その時の答えに進んでくことが大切です。進んでいくとまた悩みます。そして迷い選択をしていく。人生はその繰り返しです。正解がないから、マルチエンディングだから人生は面白いとも言えるでしょう。そのどんな人生を生きたいかの手段として、大学進学があるのです。今年の夏は、自分の人生を考える夏にしてください。

 私も、大学4年の時に迷いました。教員志望で大学に入りましたが、他にも自分の可能性はあるのではないだろうかと考えて、映画配給会社や広告会社を受けました。全て落とされましたが。そんな迷いの中、ある講演会に行きました。編集者で作家の嵐山光三郎氏の講演でした。嵐山氏のある言葉に救われました。「自分のやりたいことがわかったら人生の半分は終わりです。」そうか、迷うのは当たり前のことなんだと思うことができました。

 今は、先行き不透明で、将来の予測が困難なVUCAの時代と言われています。しかしながら、元々、人生は先行き不透明で予測が困難なのです。だからこそ、今できることに大切にして自分のエネルギーをさらに大きくしていきましょう。大高生の皆さんは全員大きな可能性を秘めた素晴らしい人財です。自信をもって自分の人生を考えてください。

  Dream, Plan, Action and Smile !

令和5年度始業式 校長挨拶 

 皆さん、おはようございます。令和5年度が始まりました。3年生は大高生活を締めくくる1年です。大高生として充実した日々を楽しく過ごしましょう。2年生の皆さん、今日の午後には皆さんの後輩が入学します。先輩として温かく迎えてください。

  さて、今、マスクを外して皆さんと対面しながら話ができることをとても嬉しく感じています。オンラインにはオンラインのよさがありますが、こうして直接皆さんを見ながら話をすると、自分の言葉がしっかり届くような気がしてきます。今年度から学校生活でもマスク着用を求めないことが基本となりました。着用しなくてもよし、着用してもよし、一人一人の考えを尊重するということです。私も、場面に応じてマスクを着けたり外したりするでしょう。皆さん、着けた方がよいか外した方がよいか過度に悩むことはありません。他の人が着けているかどうか気にする必要もありません。この3年間、常にマスクを着用していたので、マスクを外すのが恥ずかしいと思う人もいるでしょう。当然のことです。マスクが嫌いで花粉症でもマスクを着けなかった私でさえ、ちょっと照れくさいのですから。昨年の夏休みに私が皆さんに出した宿題を覚えていますか。そうです。スマイルです。一日一回は自分で笑顔になりましょうという宿題です。笑顔をつくると気持ちが前向きになるだけではなく、他の人も幸せにするのです。私は、皆さんから笑顔で挨拶されるととても嬉しくなります。皆さんの笑顔は人を幸せにする力をもっています。そのことは忘れないでください。 

 もう一つ話をします。昨年度1年間、私は皆さん大高生活をみてきました。真剣に授業を聴く姿、隣の生徒との活発に話し合う姿、見事なプレゼンテーションをする姿、部活動で頑張る姿、仲間と協働し学校行事に取り組む姿。皆さんは、誠実で、真摯に物事に向き合い、努力を惜しまない生徒だということがよくわかりました。でも、皆さんにはまだまだ伸びしろがあります。ここで、敢えて皆さんに言いたいことがあります。「皆さん、失敗をしましょう。」これは、わざと失敗しろと言っているのはありません。「失敗してもいいから挑戦してください。」ということです。私は、教員時代はずっとテニス部の顧問でしたが、強くなる選手には共通点がありました。負けて悔しい思いをした後に伸びる部員でした。恋愛でもそうです。失恋した後にその人がどのような行動をとるかで、その人の人間の大きさがわかるというのが私の持論です。誰しも苦い経験をして成長していくのです。勉強も受験も同じです。何校も大学受験に失敗し、最後の最後に国立大学後期試験で合格をする人もいるのです。そのような経験をした人は、合格以上に大切なものを掴んだかもしれません。太陽の塔で有名な、芸術家で哲学者であった岡本太郎氏は「私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた。」と言葉を残しています。困難なほうの道に自分が行きたいならば挑戦する価値があるのです。挑戦したから失敗があるのです。失敗したら挑戦した自分を褒めてください。そして失敗から学び成長しましょう。皆さん、挑戦することに大きな価値があることを覚えていてください。

  さあ、令和5年度を皆さんと一緒に過ごせることをとても楽しみにしています。

 Dream, Plan, Action and Smile

令和5年度第76回入学式 校長式辞

令和5年度の大宮高校が始動しました。部活動の生徒たちが自分たちの部活紹介の看板を持ち声をかけ、吹奏楽部の演奏で生徒を迎え、音楽部が校歌を披露しました。コロナ前の様子がやっと戻ってきたと感じました。式後ホームルームを終えた新入生と保護者の皆さんが、長い列をつくり、次々と正門前のヒラヤマスギに掲げた入学式のボードと記念の写真を撮っていました。皆さんがこの日を待ち望んでいたのだと感じました。

 

令和五年度 埼玉県立大宮高等学校 入学式 式辞

 正門の桜の木も桜色から緑色となり、まさに若葉の季節となりました。これから色濃くなっていく柔らかな緑色をした若葉と本日大高生となった皆さんの姿とが重なります。本日ここに保護者の皆様と共に、令和5年度 埼玉県立大宮高等学校 第76回入学式を挙行できますことは、私たち教職員と在校生にとりまして誠に大きな喜びであります。

ただ今、入学を許可いたしました359名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎いたします。 

 皆さんは、新型コロナウイルス感染拡大が長期にわたる中で、中学3年間を過ごしました。臨時休校から始まり、学校行事や部活動が次々に中止や延期になりました。どこにも当たれない憤りをおぼえたり、もっと青春を謳歌したいと思ったり、自分の感情を抑えることが難しいこともあったと察します。その中で、皆さんは本校の入学者選抜を突破しました。これは、皆さん一人ひとりの努力の賜物です。よく頑張りました。同時に、皆さんの努力は、保護者をはじめとする御家族や、指導していただいた先生方など、多くの人たちの支えや励ましがあって成しえたことでもあります。そんな気持ちを改めて心に刻み、感謝の心を持って、大宮高校での生活を踏み出してください。

  さて、私たちは、今、「答えのない時代」を生きています。グローバル化の進展、目まぐるしい通信技術の進化、生産年齢人口の減少,など,社会構造は大きく,急速に変化しています。また、ウクライナでの戦争は未だ継続し、電力も物価も高騰し、平和で豊かな生活が続くという確信も持ちにくくなっています。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックにより日常生活は大きく変わりました。未来がどうなるのか予測することが困難な時代を生きています。

  こんな時代にだからこそ、私は皆さんに大きな夢や理想を頂いてほしいと強く願います。どんな未来を創りたいか、どんな社会を築いていきたいか、自分はどんな分野で社会に貢献したいのか、真剣に真剣に考えていただきたいのです。なぜなら、皆さんは、様々な分野で未来を創るトップリーダーとなる人材であり、そのために大宮高校の教育があるからです。 

 高校時代というのは、夢や希望を実現するための広い土台をつくる時だと思います。「未知なこと」「予測不能なこと」は日常的に起こります。一つの出来事が複雑に影響し合って事態が思わぬ方向に進むこともあります。将来、このような時代に対応できる力を持つようになるには、今、広い土台をつくることが必要です。皆さんには広い土台をつくって、将来、その上に専門性を高めていってほしいと願います。この土台作りの基本は、全ての授業を大切にすることです。保健や家庭など大学受験科目にない授業も含めて全ての授業を大切にしてください。また、大宮高校の授業には、生徒同士の話し合いの場面がたくさんあります。是非、自分の考えを多くの生徒と話し合ってください。各教科の学び合いで、広い土台をつくり、「自分の頭で考えて自分の考えを持てる力」を身につけてください。先生と生徒が共に学び、生徒同士が学び合えることが大宮高校の最大の教育力です。 

 部活動や学校行事も、皆さんの広い土台づくりにはとても重要です。是非とも、自ら主体的に参加して自主自律の精神を養ってください。また、何をしている時が自分は楽しいのかをよく分析して、是非、得意な分野をつくってください。同時に、苦手なこともどうすれば楽しくできるか考えてチャレンジし、多くの仲間と一緒に、楽ではないけど楽しい大高生活を過ごしてください。一緒に苦楽を共にした大高の仲間は、必ず生涯の財産になります。

 皆さんに、私が好きな言葉を贈ります。

「Dream, Plan, Action」

まずは、夢を持ってください。夢を見つけてください。そして、夢を実現するためには何が必要か、どんなことをすればよいか計画してください。計画したら、立ち止まらず、何でもいいからできることから行動してください。その一歩が、次の新たな一歩を生み出します。 

  最後に私から皆さんへの宿題です。一日に1回自分の笑顔を鏡で見てください。笑顔をつくると気持ちが前向きになります。私は、生徒から笑顔で挨拶をされるととても幸せな気持ちになります。皆さんの笑顔は、自分も人も幸せにする力があるのです。笑顔を大切にすること忘れないで、大高生活を過ごしてください。

「Dream, Plan, Action and Smile」

  ここで、保護者の皆様に申し上げます。皆様の大切な宝物をお預かりいたします。教職員一同全力で支えていきます。家庭と学校は、いわば車の両輪です。「子供の成長をともに喜びあう関係」を築くことができたらうれしい限りです。本校への御理解と御協力をお願い申し上げます。 

 結びになりますが、3年後、大きく成長した新入生の皆さんを保護者の皆様と祝福する日を祈念いたしまして、式辞といたします。

 令和5年4月7日 

                                    埼玉県立大宮高等学校長 鎌田 勝之

令和4年度 終業式挨拶(3/24)

 皆さん、おはようございます。令和4年度を締めくくる終業式に二つのことをお話しします。

  一つ目は、現在本校に来校中のドイツの姉妹校、ルドヴィッヒ・ライヒハート高校との姉妹校交流の歴史です。1995年、埼玉県はドイツのブランデンブルグ州と友好関係を結びました。同年、ブランデンブルグ州コトブス市にあるルドヴィッヒ・ライヒハート高校の校長が大宮高校を訪れました。その校長先生は、日本語や日本文化を学ぶことを授業に取り入れたいと考えていて、大宮高校との交流を希望しました。翌年の1996年に、大宮高校の当時の校長(第16代松井校長)がライヒハート高校を訪問し姉妹校の調印式が行われました。姉妹校提携に関する協定書にはこう書かれています。「Ludwig-Leichhardt-Gymnasium, Cottbus, Germany, and Saitama Prefectural Omiya High School, Japan, hereby proclaim the linking of the two schools in a sister relationship. Through the sister relationship, both schools pledge to cooperate in various exchanges and strive to deepen the mutual understanding and trust of each other so that lasting friendly relations will evolve in the years ahead.(埼玉県立大宮高等学校とLudwig-Leihhardt-Gymnasiumは、ここに姉妹校提携を結ぶことを宣言する。この提携により、両校はさまざまな交流を通じて協力し合い、相互の理解と信頼を深め、将来にわたって友好親善関係を発展させるため努力することを誓う)」

 1996年の姉妹校提携以来、これまで両校のそれぞれ約300名の生徒が短期や長期の留学を経験しています。今回、3年ぶりに直接の交流を再開し、14名の生徒が来校してくれたことに大きな喜びを感じています。皆さんのような若い時期に多くの人と出会い、多くの価値観や考え方に触れることはとても重要です。多様な物の見方や考え方に触れると、自分の物の見方や考え方が見えてきます。これが重要なのです。ましてや、言葉も文化も異なる海外の人と話をしたり、意見を交わしたりすると、皆さんの世界はとても広がり、同時に自分自身を見つめることができます。ことはとても素敵なことなのです。皆さん、是非姉妹校の生徒たちと話をしてみてください。

 先ほど1995年にライヒハート高校の校長先生が大宮高校を訪れたと言いましたが、その校長先生は、今、ドイツ生徒を引率しているヴェゲナー校長先生です。姉妹校調印をしてから27年が経ちます。27年間、大宮高校との国際交流を大切に育てていただいているのがヴェゲナー校長先生だということも覚えていてください。

 

 二つ目は、先週16日に行われた卒業式の話です。式に臨む卒業生たちの姿はとても立派でした。皆さんを代表して出席した現生徒会長の送辞にも感動しました。その送辞に応えた前生徒会長の答辞の中に、皆さんへのメッセージがありましたので、ここで皆さんにお伝えします。

 「在校生の皆さん。今ここで皆さんにこの答辞を直接届けられないことが非常に残念です。ただ、私の思いが届くと信じて伝えます。この先、皆さんが何かと衝突し思い悩む時は必ず訪れます。そんな時に苦しむ必要はありません、それでも決して諦めないでください。自分のしてきた事が正しかったのか分からなくなり、自分の進むべき道が分からなくなっても、何度でも何度でも立ち上がってください。不安に悩む時も、自分の事だとしっかり受け止めて行動してください。諦めずに立ち向かっていれば、きっと新たな突破口が見つかります。なぜなら、大宮高校では、高め合う人と人との架け橋がいつでも皆を繋いで導いてくれるからです。どうか繋がりを大切にしてください。皆さん一人一人がこの学校のリーダーです。自分はどうなりたいのかを自ら追い求め、あなただけの特別な高校生活を、仲間たちと高め合って、創り上げてください。これからの大宮高校を頼みます。」

 皆さんは、卒業した先輩たちから大宮高校を託されました。皆さん一人一人がその自覚をもって、令和5年度を迎えてほしいと思います。 Dream   Plan   Action

第73回卒業証書授与式 式辞

校長式辞                                       

 木々の芽もふくらみ、春の訪れを感じる今日この佳き日に、保護者、ご家族の皆様方とともに「埼玉県立大宮高等学校第73回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。ご臨席誠にありがとうございます。

 ただ今、卒業証書を授与しました350名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんの3年間にわたる努力と成長に心から敬意を表します。振り返れば、皆さんの大高生活は新型コロナウイルスと闘かった3年間でした。臨時休校に始まり、分散登校となり、体育祭、文化祭、修学旅行等々の学校行事、部活動の多くの大会も中止や延期となりました。溢れてくる不安や怒りの感情をどこにぶつけてよいかわからない日々も多くあったことでしょう。しかし、皆さん、自分を律し、自らの心をよく整えて見事に大高生活を送りました。本当に立派です。

 「No more 青春泥棒」をスローガンにかかげた大高祭。皆さんにとっては最初で最後の大高祭でした。クラス企画の準備をする皆さんの生き生きとした姿、それを嬉しそうに見守る先生方の笑顔、来場者に楽しんでいただくことを最優先に考えた皆さんのおもてなしの精神、全てとても素敵でした。私も学校行事の意義を改めて感じながら、大高祭を実施できる喜びに浸りました。グランドに打ちあがったフィナーレの花火は皆さんの心に焼き付いていることでしょう。この大高祭のようにコロナ禍の中で皆さんが築いた一つ一つが、後輩に引き継がれ、大宮高校の新たな伝統となっていきます。

 皆さんは、当たり前だと思っていた日常がどれほど大切なものだったかを痛いほど感じました。その分、大高での思い出は、皆さんの心に鮮明に刻まれているはずです。先生と一緒に真剣勝負を繰り広げる授業、意見を交わす仲間との話し合い、リモートで参加した授業、廊下にあるロッカーでの立ち勉強、仲間と切磋琢磨した部活動の練習や大会・初めての校外合宿、自ら挑戦した科学系オリンピック、等々、皆さんはいつも努力と挑戦を続け、誠実に、真摯に、勉強、部活動、学校行事に向き合ってきました。その姿を見て、私はこの1年間ですっかり皆さんのファンになりました。ファンですから、これからも叱咤激励し、応援を続けます。

 大学等に進学し、新しいスタートラインに着く皆さん、皆さんが活躍するフィールドは埼玉県ではありません。日本でもありません。世界です。世界各国の同じ世代の人たちがどのような考えを持って活躍をしているのか、是非注目してください。高校時代が皆さんの夢の土台作りの前期だとすれば、大学時代は、夢の土台作りの後期です。土台は広ければ広いほどその上に高いものがそびえます。まずは多くの人に出会ってください。自分と異なる価値観に出会ったら、そむけずにまずは関心を持ってください。価値観が多様に存在する中で全ての人が幸せで持続可能な生活を営むことができる社会を創ること、これはとても難しいことですが、これが皆さんに求められている命題だと思います。様々な分野で未来を創るトップリーダーとなるための、広い広い土台をつくってください。

 来年、もう一度スタートラインに着くためにチャレンジする皆さん、40年程前に浪人生活を経験した者として私事を一つお話しします。私の予備校での最初の英語の講義でした。その先生は、小柄でぽっちゃりした男性で、教室に入ってくると生徒たちからかすかに笑いがおきました。するとその先生はこう言ったのです。「何がおかしい。大学生は学生だ。就職した人は社会人だ。お前たちは学生でも社会人でもない。何者だ。宇宙人か。宇宙人なら合格するまで上向いて歩くな。」強烈でした。私はなぜかその先生に惹かれ、英語が好きになり、英語教師となりました。今の自分があるのは、浪人したあの1年があるからです。浪人というのは、1つの目標だけを目指すことが許されるいわば贅沢な1年です。家族や周囲の人たちに感謝の気持ちを忘れずに全力で挑戦してください。朗報を待っています。

 保護者の皆様、お子様のご卒業、心からお祝いを申し上げます。この3年間は感染拡大防止と教育活動の継続をどうのように両立していくか、私たちは常に悩みました。後になってみれば、こうした方がよかったという反省もあります。その中で、保護者の皆様のご理解とご協力を得ながら、お子様の成長を共に伴走できたことは、私たちに教職員にとって心強い支えとなりました。特に、今年度は、多くのPTA行事を再開していただきました。「前例踏襲ではなく、形が変わってもできることをやりましょう。」というPTA会長のお言葉のもと、多くの方々に協力を頂き、「チーム大宮」の素晴らしさを改めて感じました。深く感謝の意を表します。ありがとうございました。

 結びになりますが、卒業生の皆さん、私は、皆さんの真摯に取り組む姿に感動し、皆さんと交わす何気ない会話や挨拶で元気を頂きました。ありがとう。これからも、誰かに何かを与えられる人であり続けてください。そしてこの学び舎で共に過ごした仲間を生涯大切にしてください。皆さんのこれからの活躍を心から願っています。

 Dream   Plan   Action

 

                        令和5年3月16日 埼玉県立大宮高等学校長   鎌田 勝之

前期再開 全校集会 校長講話

夏季休業期間が終わり、令和4年8月29日(月)から前期を再開しました。リモートでの全校集会校長講話を掲載いたします。

 

皆さん、おはようございます。

 夏休みも終わり、前期が再開します。皆さん、長期の休みを有意義に過ごせましたか。夏休み中も、多くの生徒が登校し、部活動や講習に熱心に取り組んでいました。部活動では、この後、報告会や壮行会が予定されていますが、多くの部活動で素晴らしい成果の報告を受けています。よく頑張りました。

 一方で、新型コロナウイルス感染症や怪我等で、大会への参加ができなかった生徒もいます。本当に辛い日々を送ったと思います。辛い経験を乗り越えたとき、人は成長します。新たな気持ちで、前に進んでほしいと願います。

 1年生は、ひと夏を越して体力がついた実感はありますか。長時間の通学にも慣れ、学校から家に帰るとそのままバタンと寝てしまうことはもうないはずです。勉強、部活動、学校行事に積極的に取り組みましょう。2年生は、学校の中核です。部活動や学校行事にリーダーシップを発揮してください。3年生、今年の夏は集中して勉強に取り組むことができたでしょうか。家族の方とは進路について話をしていますか。受験シーズンになると思い出す話があるので紹介します。17年程前に新聞に掲載された中学3年生女子生徒の投稿です。『高校受験を控えて、母親が勉強のことを言ってくるのがうとましく感じて、あまり話をすることがなくなった。でも、お弁当をつくってくれたり、受験を応援してくれたりする母親に、心の中では感謝している。感謝の言葉をなかなか口にできないから、ありがとうの気持ちを込めて、毎朝、元気な声で「いってきます」と言って学校に行く。』このような内容の投稿でした。皆さん、元気な声で「いってきます」と家族に言って、登校しましょう。

 前期を再開するにあたり、皆さんへのお願いが2つあります。

 一つ目は、長期休業明けは、悩んだり、不安になりやすい時期です。悩み事や不安に感じることがあったら、一人で悩まずに、担任、部活動の顧問、教科担当の先生、誰でもよいですから、相談できる人に話してください。悩みのない人はいません。ドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラーの『友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする』という名言がありますが、まさしくその通りです。一人で抱え込まずに、まずは誰かに話してみてください。悩みや不安は、立ち止まっていると膨れてきます。何もしないでいると理由もなく大きくなっていくものです。心の持ちようも大切です。よい例ではないかもしれませんが、自宅の庭の草取りの話をします。猫の額ほどの庭に草が生えてくると、今週末草取りをしなきゃと思うわけです。週末になると、炎天下で、いいや来週にしようと思うわけです。サボっていると、やらなきゃと悩むわけです。自分はダメな人間だなんてことも思うようになります。ところがある日の朝、何の気なしに1本の草を抜くと、そのまま一気に草取りができてしまう。実に不思議です。不安で立ち止まっていると思ったら、できることからを始めてください。その第一歩は誰かに話すことかもしれません。

 二つ目は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。まず、発熱等の風邪症状がみられる場合や家庭内に体調不良者がいる場合は、休みましょう。また、教室や部活動や文化祭の活動場所の換気を徹底しましょう。窓を開け、換気扇、エアコン、サーキュレーターで空気の流れをつくり、室内に空気がとどまらないようにしましょう。食事や更衣などマスクを外す必要がある時は、会話をせず、細心の注意を払いましょう。文化祭や修学旅行等、これから予定されている学校行事が実施できるよう、生徒も教職員も感染防止対策としてできることを徹底していきましょう。

 

 最後に、私からの宿題を確認します。夏休み中、一日一回は笑顔をつくった人、手を挙げてください。ある先生が笑った日にスマイルマークを手帳につけていますと報告してくれました。話を聴いていただけたと嬉しくなりました。私は、皆さんには笑顔が素敵な大人になってほしいのです。笑顔は、自分も前向きな気持ちになれて、人も幸せにできるのです。私も、生徒の皆さんの笑顔と挨拶からたくさん元気をいただいています。さあ、笑顔で有意義な学校生活にしていきましょう。Dream、Plan、Action!

 

 

「英治出版」でのインターンシップ

 8月1日から5日までの5日間、渋谷区恵比寿にある英治出版で、本校2年生1名がインターンシップを経験させていただきました。英治出版は、「学習する学校(ピーター・M・センゲ著)」「あなたの中のリーダーへ(西水美恵子著)」など、教育分野でも話題となる本を多数出版している会社です。

 8月5日(金)、インターンシップ最終日に英治出版を訪問させていただき、インターンシップ報告会に参加しました。一緒にインターンシップに参加した島根県立高校の生徒さんは、「どこで働くかよりも誰と働くかが大切であり、仕事に対して新しい視点をもつことができた。」と話していました、本校から参加した生徒は、「企画会議や書店回りにも参加させていただき、一つの本を出版するまでに多くの人々がかかわっていて、働くということはどういうことなのかを初めて実感した。」と話していました。2人の進路は大学進学ですが、高校時代に企業でのインターンシップを経験することで、大学卒業後を見据えた大学選びや、大学進学後も充実した学生生活が送れるのではないかと思います。

 さて、英治出版代表取締役社長の原田英治氏を紹介していただいたのは、独立行政法人国際協力機構(JICA)の高田健二氏でした。高田氏は、埼玉県教育委員会が実施したブラジルやフィリピンへの草の根技術協力事業で大変お世話になった方です。2017年4月から2021年5月まで島根県海士町に出向し自治体職員として活躍していました。その高田氏より、「英治出版の社長を紹介したい。素敵な方です。大宮高校の卒業生ですよ。」と連絡があり、5月中旬に会うことができました。原田氏は、海士町での親子島留学に参加し、海士町や髙田氏と深い絆ができたとのことでした。初めてお会いした原田氏は、話題の本を数々出版している社長でありながら、実に自然体な方で、「仲間とつくる現実は理想を超えていく」という理念が実に印象的でした。

 実は、大宮高校にも昨年度一年間、島根県に派遣された教員がいます。その先生が今回のインターンシップに本校生徒が参加できるよう働きかけ、実現することができました。年度当初、教育課程外で探究活動ができないかと考え、全校生徒に募集をかけ、9名の生徒とともに「グローカル探究」の活動を始めました。過日、不動岡高校と共同開催した「ウィキペディアタウン」のフィールドワークも「グローカル探究」の一環です。今回のインターンシップに参加した生徒もメンバーの一人です。島根県で学んだ地域との連携した探究学習を積極的に進め、一年間の派遣の成果を発揮しています。

 海士町の自治体職員として活躍したしたJICAの高田氏、海士町の親子島留学に参加した英治出版の原田社長、島根県に派遣された本校教員、今回のインターンシップは、人と人との繋がりで実現されたのだと思います。仲間とつくる現実は理想を超えていくと、人との繋がりを大切にしている英治出版の原田社長とスタッフの皆様のお陰で、参加させていただいた生徒は、本当に充実した5日間を送り、成長することができました。心より感謝申し上げます。

前期全校集会 校長講話

7月22日に実施した前期全校集会での話を掲載いたします。

 

  皆さんおはようございます。家庭で参加している3年8組の皆さん、元気に過ごしていますか。夏季休業前に学級閉鎖となりましたが、こうして全校生徒に向けて話ができることをたいへん嬉しく思います。今日は、三つの話をします。一つ目は、新型コロナウイルス感染症対応について、二つ目は、私の高校時代の話、三つめは、校長から皆さんへ夏休みの宿題です。

 

  一つ目は、新型コロナウイルス感染症の対応についてです。今年度は、四月より、オリエンテーションキャンプ、遠足、芸術鑑賞、体育祭等々、学校行事が開催でき、学校行事の意味や素晴らしさを改めて感じました。一昨日までのスポーツ大会でも、皆さんの雄姿を見ることができました。女子サッカーで見事なゴールを決めた瞬間は、思わず「すごい」と声をだしてしまいました。印象的だったのは、勝敗を決めるバスケのフルースローを外した時、サッカーのPKを外した時、チームのみんなが声をかけてその選手を励ましていた光景です。本当に心根の優しい生徒たちだと思いました。こうした行事に全力で取り組む大高生は素晴らしい。

 しかしながら、全国の感染者数は急激増えています。今回、国や県は、行動制限を行わず一人一人が感染防止に取り組んで、感染拡大を抑えていく方針を出しています。生徒の皆さんも私たち教職員も、感染拡大防止のためにできることを徹底して行うことが必要です。大高は、夏休みでも様々な活動を実施します。明日から始まる通いでの学習合宿、夏期講習、部活動の練習、大会、校外合宿 等々、自分が体調不良の時、家族に発熱等がある場合は登校しない、参加しないことを徹底しましょう。体調はよいのだが、万が一感染していたらと不安になっている人は、任意で無料の抗原検査を活用することができます。大会や合宿に参加する場合や、感染の不安を解消したいと思っている人は活用するのもよいでしょう。リーフレットや申込書の様式は大高HPに掲載してあります。

 

 二つ目は、私の高校時代の話です。自分の恥ずかしい過去ですが、しくじり先生だと思って聞いてください。私は、加須市に生まれ育ちました。小学校は家から歩いて3歩、中学校は徒歩10分、高校は自転車で10分。高校までは、ほとんど加須市の中で生活していました。時々、大宮のラケットショップに行き、ハタシネマで映画を観ることが当時の私にとってはちょっとした冒険でした。何の迷いもなく地元の高校に進学すると、高校入学の説明会で春休みの課題が渡されました。

 ここでしくじりポイント①、「入学前の課題を全くやらなかった」 入学すると、課題テストなるものがあり、学年の順位が発表されました。今でもその順位をはっきり覚えています。436位。当時は、一クラス45人学級で10クラスでしたから、450人中436位だったのです。その結果を踏まえ、私は、自分は勉強しない奴というキャラクターを自分に設定しました。勉強しないだけで、やればできるという逃げ道も設定していたように記憶しています。軟式テニス部に所属し、毎日部活動に精を出し、友人にも恵まれ楽しい牧歌的な高校時代を過ごしました。

 しくじりポイント②、「欠点をとらなければよいという思いで授業を受けた」 勉強は何のためにするのかなどは全く考えることなしに、欠点をとらないように最低限の勉強しかしませんでした。当然、好きな教科も得意な分野も私の中に生まれることはありませんでした。

 しくじりポイント③、「依然として加須市の中で生活していた」 インターネットもない時代でしたので、情報源は、新聞雑誌、テレビ、ラジオでした。世界の、日本の、埼玉県の同世代の人間がどんな活躍をしているのか、どんな意識を持っているかなどまったく気にもせず、知りたいという意識もありませんでした。大学の情報すら自分から求めることをしませんでした。6月に部活動を引退しましたが、夏休みは文化祭の準備に明け暮れ現実逃避は続きました。秋になって初めて、大学を受験するという現実に直面しました。当時の大学は、現役生より浪人生の方が多かった時代だったので、浪人は当たり前だという意識でいましたから、当然のごとく大学はすべて不合格でした。当時、大宮高校の近くに新設された一橋学院早慶外語という予備校に通うことに決まりました。

 予備校入学金の支払いに行くため、親からお金の入った封筒を受け取りました。30数万円入っていたと思います。上着の内ポケットに入れ、取られないように気を付けながら電車に乗り、大宮駅を降り、落とさないように気を付けながら一橋学院まで歩きました。窓口で、入学の書類を確認してもらいながら、お金の入った封筒を渡した時です、なんとも情けない、申し訳ない気持ちが湧いてきました。「もっとまじめに勉強していれば、こんな大金を親に支払わせることはなかった」 その時の気持ちは、40年以上経った今でも、しっかり記憶にあります。その気持ちがきっかけで、予備校では勉強し、三番目に入学したい大学に合格することができました。大学で教員免許を取得し、教職について36年目の今があるわけです。

 40数年前の自分に助言ができるなら、まずは「入学前の課題をやれ」と言います。そして、「勉強は良い成績をとるためではない、まして欠点をとらないためではない、勉強は自分の人生を豊かにするためであり、社会に尽くす喜びがもっと得られる」と伝えたい。自分に数学や理科系の教科の知識があれば、もっと世の中を観ることができて、もっと多様な考え方ができ、社会に貢献できるだろうと今も感じています。

 大高生の皆さん、「人生はマルチエンディング」です。人生のゴールは決まっていません。今、皆さんは、それぞれ、自分の目標に向かって努力しています。しかしながら、その目標が常に100%叶うわけではありません。叶わなかった時、目標を修正して、脇道に逸れてもいいから、歩みを止めないでください。脇道で素敵な出会いがあるかもしれません。うまくいかなかった時、悩んだ時、小さな一歩でいいから歩みを止めないこと、これがしくじり先生からの話です。

 

 三つ目は、皆さんへの夏休みの宿題です。それは、「SMILE」 夏休み中、一日に一回は、笑ってください。口角をあげて、笑ってください。笑っているところを家族に見られたなら、校長からの宿題だと言ってください。

 

 皆さん、有意義な夏休みを過ごしてください。8月29日に、全員元気に会いましょう。

 「DREAM、 PLAN、 ACTION」

第1回学校説明会

 6月18日(土)の午後、令和4年度第1回学校説明会が開催されました。二部構成にして、各部に200組を限定させていただき開催させていただきました。授業や施設見学はなく、1時間に凝縮させていただいた説明会となりましたが、来校いただいた皆様ありがとうございました。また、抽選に漏れてしまった皆様、たいへん申し訳ございません。本校の説明会は今後も開催を予定していますので、次回の機会によろしくお願いいたします。校長の挨拶でお伝えしたかったことを以下に掲載させていただきます。 

 

 

 皆さん、こんにちは。校長の鎌田でございます。本日は、ご多用の中、大宮高校の学校説明会にお越しいただき、ありがとうございます。心から歓迎申し上げます。 

 本日ご参加いただいているのは中学3年生ばかりではありませんが、まずは、高校受験に挑む中学3年生にエールを送ります。皆さんが中学校に入学した時、2か月の休校からはじまりました。授業、部活動、行事も制限される中で、つらい中学時代を過ごしたかもしれません。しかし、様々な制限の中で、工夫して授業や行事を実施してきたこと、仲間と励ましあって難局を乗り越えてきた経験は、これからの人生に必ず活かされます。皆さんは、コロナ禍で、忍耐力だけでなく、新しい知恵と未知なるものに挑むエネルギーを得ています。是非とも、自信をもって高校入試に挑んでください。入れる高校ではなく、「入りたい高校」を見つけて、目標としてください。自分の夢や進みたい分野がある人は、その夢が実現できる高校を。まだ、見いだせない人は、夢が見つかる学校を選ぶ。どんな環境で高校生活が送れるのか。授業、部活動、行事、在校生、教職員、施設設備を考えて高校を選んでほしいと思います。 

 大宮高校は、決して最新の施設設備を備えた高校ではありません。(生徒のHRがある校舎は改修工事が終わり、トイレも含めきれいになりましたが) 本校の最大の教育資源(魅力)は教職員と生徒です。本校の生徒(大高生)は、授業だけでなく、部活動や行事にも一生懸命に取り組みます。授業では、多くの科目でペアワーク「隣の生徒と話し合ってみてください」という活動が頻繁に行われます。男女問わず、積極的な意見交換がすぐさま始まり、隣の生徒がいない生徒には、近くの生徒が声をかけ3人のディスカッションが行われます。このように、生徒同士が学びあいながら成長していきます。このような生徒同士の学びあいを仕掛けるのは教員なのですが、本校の教職員は生徒の成長を願い、支援していこうという想いが非常に強い。このポテンシャルの高い生徒と生徒愛に満ちた教職員に、保護者の理解と協力が加わって、歳月を積み重ねてきた結果、現在の大宮高校となってきました。このように、「チーム大宮」で教育力を向上させきた学校です。

 最後に、高校を受検する皆さんに伝えたいことがあります。それは、今受けている中学校の全ての授業を大切にしてほしいということです。これは、調査書の学習点をあげるためではありません。皆さんが新しい未来を創り、将来幸せな生活を送っていくためです。中学校、高校で学習するすべての内容は、それぞれの分野の基礎、基本であり、各教科の学習内容は、どこかで繋がっていきます。その総合的な知識が本当に大切なのです。私立を受検するから3教科だけ頑張ろうではなく。県公立を受検するから5教科を頑張ろうではなく。中学校の全ての授業でしっかり学んでください。大宮高校は、各分野で未来を創るトップリーダーになる皆さんをお待ちしています。

校歌に想う

 「武蔵野の野辺に風薫り はるけき道はわれを呼ぶ」で始まる本校校歌は、昭和27年11月に制定されました。昭和26年2月に埼玉県大宮女子高等学校と埼玉県大宮第一高等学校が統合され、埼玉県立大宮高等学校となりましたが、統合した当初は、新校の校歌はまだなかったようです。

 本校創立70周年記念誌に、昭和27年当時に勤務していらっしゃった先生の回想記を見つけました。以下抜粋します。

「昭和27年頃、私は埼玉県立大宮高等学校に奉職していたが、その年「大宮高校に校歌を」という声が生徒の間にもち上がり、6月に応援団役員の発議で具体化し、全校生徒の署名を以って学校側に申し入れがあった。職員会では意義なくこれを可決し、専門詩人に作詞を依頼することを満場一致できめた。」

 昭和2年創立の成均学園大宮高等女学校から変遷を辿った大宮女子高等学校と昭和4年設立の大宮農園学校から変遷を重ねた大宮第一高等学校(男子校)、この2校が統合したわけです。当時を勝手に想像してみると、かなりの混乱があったはずです。教育方針の異なる女子校と男子校が統合したわけですから、当時の先生方は、とても悩みながら新生大宮高校が進む道を考えていったのでしょう。そんな状況下で、生徒から新しい校歌を求める声があがり、生まれたのが現在の校歌です。大宮高校の校歌は、まさに大宮高校をひとつにまとめる大きな役割を担ったのだと思います。回想録は、校歌発表会の様子を次のよう記しています。

 「当日は、午後1時より発表会を開会し、まず日新(ひよし)校長から作詞者(神保光太郎氏)・作曲者(宮原禎次氏)の紹介があり、ついで神保・宮原両氏のあいさつ、花束贈呈、神保氏の校歌並びに自作詩朗読、最後に宮原氏指揮による校歌の合唱を以って幕を閉じた。希望に燃える若人たちの合唱が大講堂を揺るがして、大宮高校の前途を祝福するようであった。」

 「あたらしき使命にもえて 相寄りてここに誓う」あれから70年の歳月を経て、今でも大宮高校には、生徒の歌う素敵な校歌が響いています。大高生には、時代の想いも感じながら、あたらしい未来を創ってほしいと思います。

 

二度目の着任(ご挨拶)

 遅ればせながら、着任のご挨拶をさせていただきます。令和4年4月1日に加藤校長の後任として着任しました鎌田勝之(かまたかつゆき)と申します。大宮高校には縁があり二度目の着任となります。平成10年度に英語科の教諭として着任し、教員の30代を大高生と共に過ごしました。大高生に負けられないという思いから、授業研究と部活動指導に明け暮れる日々を過ごしました。その毎日が自分を成長させてくれたと思っています。今、大宮高校に二度目の着任できた喜びを味わいながら、授業や部活動の様子を観て回っていると、教室やグランドで教員と生徒のまさに真剣勝負が行われています。その様子を目の当たりにして、校長として決意を新たにしているところです。大宮高校に関わる全ての皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 

入学式式辞(令和4年4月7日)

    桜の花、そして木々の柔らかな緑に春の息吹が感じられる今日の佳き日に、保護者の皆様と共に、令和4年度 埼玉県立大宮高等学校 第75回入学式を挙行できますことは、私たち教職員と在校生にとりまして誠に大きな喜びであります。 

 ただ今、入学を許可いたしました355名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎いたします。

 さて、皆さんは、新型コロナウイルスの感染拡大が長期にわたる中で、高校入試に臨みました。二年前の突然の臨時休校、登校して先生や友人に会えず、学校行事や部活動が次々に中止や延期になりました。不安で、心を整えることが難しかったことも多かったでしょう。その中で、皆さんは本校の入学者選抜を突破しました。これは、皆さん一人ひとりの努力の賜物です。よく頑張りました。同時に、皆さんの努力は、保護者をはじめとする御家族や、指導していただいた先生方など、多くの人たちの支えや励ましがあって成しえたことでもあります。そんな気持ちを改めて心に刻み、感謝の心を持って、高校生活を踏み出してください。 

 皆さんは、高等学校教育の節目の年、さらに言うと時代の大きな変化のまさに中心にいます。皆さんの学年から高等学校の新しい学習指導要領がスタートします。この指導要領では、未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成することを目指しています。「情報」や「公共」などの新しい科目も学びます。また、成年年齢や裁判員等の対象年齢が十八歳に引き下げられました。皆さんは、高校在学中に成人になり、社会に参画する力も求められます。そして、社会に目を向ければ、インターネットで全ての人とモノがつながり、人工知能により様々な課題が克服される輝かしいソサエティ5.0を目指すとしながらも、現実は、新型コロナウイルス感染症との戦いが未だ続き、連日、ウクライナでの惨劇が報道されています。 

 今こうして、壇上から皆さんに話しをしていると、心に湧きあがってくる想いがあります。それは、「皆さん、この大宮高校で、一生懸命学んでください。心身ともに逞しく、大きく成長してください。そして、これから平和で素敵な世の中を築く人になってください。私たち大人もまだまだ頑張りますが、未来を皆さんに託します。」言葉にするとそのような想いです。 

 皆さんが、高い志と強い使命感をもったトップリーダーへと成長するために、私たち教職員一同は全力で皆さんを伴走します。授業、部活動、学校行事、キャリアガイダンス等々、皆さんの成長の場をたくさん用意します。是非とも、自ら主体的に参加して自主自律の精神を養ってください。また、何をしている時が自分は楽しいのかをよく分析して、是非、得意な分野をつくってください。同時に、苦手なこともどうすれば楽しくできるか考えてください。 皆さんの先輩は、大宮高校を「楽ではないけど、楽しい学校」と言っています。多くの同級生、先輩、後輩と一緒に、楽ではないけど楽しい大高生活を過ごしてください。一緒に苦楽を共にした大高の仲間は、必ず生涯の財産になります。 

 最後に、新入生の皆さんに私の好きな言葉を贈ります。

「Dream  Plan  Action」

まずは、夢を持ってください。夢を見つけてください。そして、夢を実現するためには何が必要か、どんなことをすればよいか計画してください。計画したら、立ち止まらず、何でもいいからできることから行動してください。その一歩が、次の新たな一歩を生み出します。

「Dream  Plan  Action」 

 ここで、保護者の皆様に申し上げます。皆様の宝物をお預かりいたします。教職員一同全力で支えていきます。家庭と学校は、いわば車の両輪です。「子供の成長をともに喜びあう関係」を築くことができたらうれしい限りです。コロナ禍で難しい決断が必要となる局面もあるかと存じます。本校への御理解と御協力をお願い申し上げます。 

 結びになりますが、三年後、コロナも終息し、大きく成長した新入生の皆さんを保護者の皆様と祝福する日を祈念いたしまして、式辞といたします。

   令和4年4月7日

                                     埼玉県立大宮高等学校長 鎌田 勝之