校長室より

校長室より

「一歩は一歩より高し」

力強い眼差しを向けてくれる新入生。その目の輝きに、期待は大きく膨らみます。

皆さんは、これからの大宮高校の担い手。

そして、大高での学びを通して未来の担い手へと成長していくのです。

ステージの幕は上がった。さあ、一歩を踏み出そう。

 

式辞

 一雨ごとに温かさが増し、木々の緑に春の息吹を感じる今日の佳き日に、御来賓の皆様、並びに新入生保護者の皆様方の御臨席を賜り、令和8年度埼玉県立大宮高等学校入学式を盛大に挙行できますことは、本校関係者一同大きな喜びでございます。御臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可いたしました366名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、「大宮高校の宝」である皆さんを心から歓迎いたします。今日、皆さんは、晴れて創立100周年を迎えるこの大宮高校の生徒となりました。まずは、本校入学を目指し、様々な困難に打ち勝ち、この場に立っている皆さんの強い信念と不断の努力を讃えたいと思います。そして皆さんには、お世話になった中学校の先生方、励まし合い共に学んだ友人、また、皆さんを深い愛情で支えてくださった家族に対する感謝の気持ちをしっかりと心に刻み、新たなステージでの一歩を踏み出してほしいと思います。

 保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。お子様の晴れ姿を前に、感慨もひとしおのことと拝察いたします。心よりお喜びを申し上げます。

 さて、新入生の皆さん、今私は皆さんのいきいきと輝く眼差しを拝見し、とても頼もしく感じます。これからの大宮高校を担ってくれるという期待は大きく膨らみました。皆さんには本校での三年間の学びを経て、「大宮高校の宝」から「社会の宝」へと成長を遂げてほしいと願っています。

 本校は「未来を創るリーダー」の育成を目指しています。皆さんが創るその未来はまさに未知の世界。今、社会は極めて予測困難な時代を迎えています。私たちは、激しい変化で先を見通すことが難しく、明確な答えが存在しない不確実な社会の中にいますが、その中で求められるのは「別解」「納得解」「最適解」といった活路を見出していくことです。自分の力あるいは自分たちの力で、情報の収集や分析、試行錯誤や議論を重ねながら、最善であろう答えを導き出さなくてはならないのです。今日から始まる大高生活での様々な経験は、未来を切り拓いていくために必要となる皆さんの「思考力」や「想像力」、「情報収集能力」や「分析力」さらには「行動力」や「コミュニケーションスキル」を高めていくはずです。

 社会の課題は目の前にあります。日本が直面する超少子高齢化、世界各地で起きている混乱、地球規模で進む温暖化、これらは遠い世界の出来事ではなく、その変化や影響は皆さんも既に感じているはずです。ぜひしっかりとそれらの課題に目を向けてください。そして、それらの課題解決と学校での学びを関連づけてほしいと思います。3年間の大高生活を通して、未来に向かう高い志と、それを実現するための逞しい心と体、そして、大学でのより深く高度な学びや研究に備える高い学力を身につけて欲しいと願っています。

 皆さんは日本初の第一次南極観測隊越冬隊長を務めた西堀栄三郎を知っているでしょうか。この方は真空管の製造・開発を通して、世界に誇る日本品質の礎を築いた技術者であり、その一方で、日本初の8000メートル級登山となるヒマラヤ山脈マナスルの登山計画に尽力した登山家でもあります。まさに今流行りの二刀流。文武両道を地で行く科学者です。

 当時の日本で、「南極大陸の観測は無謀だ」とも言われた挑戦を成功させたのは、科学者としての冷静な分析力や登山家としての不屈の実行力であったと思います。その偉業を成し遂げた西堀栄三郎は次のように述べています。「石橋を叩いて安全を確認してから決心しようと思ったら、おそらく永久に石橋は渡れない。やろうと決めて、どうしたらできるかを調査せよ」。挑戦することの大切さを伝える言葉です。

 高い目標を掲げることの意味は「達成すること」そのものではありません。目標を持つことによって「自分の行動の質」が変わることにあります。掲げる目標によって必要となる行動は異なります。また、立ち向かうべき試練や困難も異なります。自分が掲げた目標と選んだ行動を通して、自分と向き合い不安や困難を乗り越えながら、様々な成功や失敗、挫折といった経験を重ねることが、皆さんをひと回りもふた回りも大きく成長させてくれます。目標の高さは、自分がどれだけ成長できるかを左右することにつながるのです。

 ここで忘れてはならないのは、常に自分の思うように物事は進まないということです。誰もが完璧ではないということ、自分も壁にぶつかる、失敗する、自信を失う経験をするということを受け入れることです。大切なのは、その時どうするかを学ぶこと。自分の弱さと向き合うことも、他者に助けを求めることも、誰にも必要な経験であり、すべてが成長の糧となるのです。

 エベレスト登頂を目指すクライマーは、たとえ麓の天候が悪くても、頂上を見据えて一歩を踏み出します。皆さんも、目の前の小さな躓きや失敗に一喜一憂することはありません。見据える未来に向け、少しずつでも上へ上へと一歩ずつ確実にその歩みを続けることに大きな意味があります。皆さんには社会の大きな未来に目を向けて欲しいと思います。また、同時に、3年後の自分の輝く未来を想像し、その未来を現実のものにしてほしいと強く願っています。

 最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、重ねて入学のお喜びを申し上げます。この15年間、様々なご苦労があったことと思います。心から敬意を表したいと存じます。本日、大切なお子様を確かにお預かりいたしました。責任をもって、お子様の力をしっかりと伸ばしてまいります。

 高校時代は、生徒一人一人が、自分の人生を自分の力でつかみとっていく大切な時期です。失敗や挫折、成功の経験を重ねながら一歩一歩少しずつ自立した大人へと成長していきます。私が昔出会った「アメリカインディアンの教え」の中から3つの言葉をご紹介します。「心が寛大な人の中で育った子は 我慢強くなります」「励ましを受けて育った子は 自信を持ちます」「人に認めてもらえる中で育った子は 自分を大事にします」。どうか保護者の皆様にはどっしりと構え、笑顔で、お子様の成長を後ろから暖かく見守っていただき、力強く支えていただきますようお願いいたします。 私たち教職員は、大宮高校の教育に誇りをもって全力で取り組んでまいります。家庭と学校との風通しを良くしながら、お子様の成長を後押ししてまいります。何卒、御支援・御協力を賜りますようお願いいたします。

 それでは、3年後の卒業式の日に、ここにいる新入生が心身ともに大きく成長し、すべての生徒、保護者の皆様が「大宮高校で本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。 

「自分らしく 大高生らしく」

軌跡は「残す」ものではなく「残る」もの。

大切なのは、その日その時、自分がベストを尽くすこと。

そうして今の自分がある。そうして今の大宮高校がある。

これからも自分らしく、大高生らしく。

今、皆さんは大宮高校物語の主役です。

 

【前期始業式】

  皆さん、おはようございます。令和8年度、大宮高校創立100周年を迎える1年がスタートしました。今朝皆さんは、新たな気持ちで、やる気に満ちて、門をくぐったことと思います。午後には新たな大高生が仲間になります。2年生、3年生の皆さんには、「我々について来い」と背中で語ってほしいと思います。ぜひ「チーム大宮」の精神を伝授してください。

 さて、3月の終業式では、大宮高校に学ぶ皆さんに現状維持は似合わないと言いました。残された卒業までの高校生活の中で、何に挑戦し、どんな経験をして、どれだけの自信を手にするか。学校生活の充実と進路実現、人として成長していくための目標設定と行動計画をじっくりと考えてほしいとお願いしました。どうでしょうか。目標を立てなければ、自分がやるべきことも明確になりません。必ず具体的な目標を立ててください。

 ところで、皆さんはこれまで、様々な経験をし、自分の軌跡を残してきたと思います。どんな軌跡でしょうか。おそらく、いろいろなことに一生懸命取り組んだ結果が軌跡となって残っていることと思います。言うなれば皆さんの歴史です。いろいろな出来事や取組の成果や結果などを書き出せば、ひとつの年表が出来上がることと思います。ただ、歴史の学びにも言えることだと思いますが、事実や結果だけを並べてもあまり意味はありません。大事なのはその背景や過程を知ることにあります。

 皆さんの軌跡も「結果」ではなく「プロセス」に意味があるのだと思います。もちろん結果も大事ですし、自分が望む結果となることが理想ではありますが、たとえ結果が伴わなかったとしても、全力で臨んだのであれば、そのプロセスには、間違いなく大きな意味があるはずです。大事なのは「本気で」「全力で」「根気強く」「頑張り抜いたか」という点です。

 皆さんは今、自分の軌跡の先端にいます。皆さんの前には軌跡などありません。ぜひしっかりと前を見て、上を向いて、自分の進むべき道を目標に向かって力強く前進してください。加えて言えば、皆さんのその姿や掴んだ成果や結果は、誰かの道しるべになり、後に続く者の励みになるはずです。

 大宮高校は100年に渡る軌跡の上に今があります。甲子園に出場するなどスポーツ強豪校として名を馳せた時代、進学校へとその姿を変えてきた時代、その時その時の生徒や教員の情熱や挑戦が、素晴らしい軌跡を残しています。しかし、皆大宮高校の軌跡を残すことを目的に頑張ってきたわけではありません。軌跡は「残す」ものではなく「残る」ものだと思います。先輩たち一人一人は、自分の目指す道を全力で進むことを続けていたはずです。その結果、それらの積み重ねが軌跡となり、今、大宮高校の「校風」として残っているのだと思います。

 この「校風」は、皆さん個人の軌跡に当てはめれば「自分らしさ」です。「自分らしさ」を大事にしてほしいと思います。自信を持てる自分でいられるよう、何事にも積極的に取り組んでください。

 また、同じくらい皆さんには「大宮高校の校風」「大高生らしさ」を大切にしてほしいと思っています。昨年11月の100周年プレイベント「大高人記念講演会」では、先輩たちの話から「大高生らしさ」を学ぶことができたのではないかと思います。様々な分野の第一線で活躍している先輩たちが高校時代、何を考え、どんな行動をとっていたのか。是非参考にして、その背中を追ってほしいと思います。

 「大高生らしさ」を考えるにあたって、私からお願いがあります。「人としての魅力」を大事にしてほしいということです。日頃から「人としてどうあるべきか」を意識してください。これは、未来を創るリーダーに不可欠な要素です。

 皆さんは、大宮高校100年の中の3年間、「大高物語」の主役を務めています。自分が自分らしくいられるように、大高生が大高生らしくいられるように、そして、大宮高校が大宮高校らしくいられるために、皆さん一人一人が、どうあるべきか、何をすべきかを考え、実践してください。記念すべき100周年イヤー、何かに全力で挑戦し、最後までやり抜き、「これだけはやり切った」と自信を持って言える1年にしてほしいと心から願っています。皆さんの健闘と活躍を期待しています。

「現状維持は似合わない」

現状維持では成長できない。

だから不安や緊張に立ち向かう。

そんな経験を積みながら、先輩たちも大きな自信を手にしたのです。

 

【後期終業式】

 

 皆さん、おはようございます。時が経つのは早いものです。今日、1年間の学びを終える節目の日を迎えました。皆さんにとってどんな1年だったでしょうか。改めて、自分の大高生活を評価してみてほしいと思います。

 さて、前回の全校集会で、私は皆さんに「仲間と共に大宮高校で学んでいることに喜びや幸せを感じてほしい」ということを伝えました。いろんな仲間と関わり合える今の環境を活かしてほしい。ここで学ぶことを目指し、大高生となったことに自信を持ってほしいと願っています。今日は、前回の話の続きとして、「現状に満足、あるいは現状に妥協し、成長のチャンスを放棄していないかを自分に問うてほしい」ということを話したいと思います。簡単に言えば「チャレンジしているか?」ということです。

 私は、まずは大前提として、この大宮高校での生活が、皆さんにとって「コンフォートゾーン」であってほしいと願っています。大高生であることの喜びの実感や学びの充実、仲間の存在などによって、精神的に快適なゾーンにいてほしいと思っています。もちろん、それは単に与えられることによって得られるものではないので、自分の努力も必要です。

 その上で、皆さんには心地よくてストレスフリーの生活に満足することなく、「コンフォートゾーン」から「ラーニングゾーン」へと常に一歩踏み出してほしいと願っています。「ラーニングゾーン」とは、「自分にできるだろうか」と心配したり、ちょっと失敗をして冷や汗をかいたりするなど、不安や緊張を感じながら、現状の知識やスキル、経験では通用しないことに向かっている状況を指します。人が最も成長する環境と言われています。

 福沢諭吉やウォルト・ディズニーの言葉にもあるように、志を遂げようとする者にとっては、「現状維持は退歩」であるといえます。大宮高校に学ぶ皆さんに、現状維持は似合わないと思っています。成長という現象は安定の外側で起きます。翼を押し上げるのは向かい風です。向かい風という抵抗(ストレス)がなければ、空へと飛び立つことはできません。私たちにとってストレスは成長のエネルギーでもあるのです。これからの未来、豊かな社会の創造を担う大きな志を持つんだということを忘れないでほしいと思います。そして、成長のチャンスを逃さないでください。

 ところで、今回も大高生に関する素敵なエピソードを紹介します。先日、市内に住むある方から学校にメールが届きました。本校1年生の生徒4人に、地域の広場で幼稚園に通う子供たちと遊んでくれたことへの感謝を伝えたいとのメールです。遊び始める前には保護者に「大丈夫ですか?」と確認をとってくれて安心できたこと、遊ぶ中では「道路には出ないようにね」などの声掛けで、小さい子の安全に気を配ってくれたことなどが書かれていました。また、その方は、遊んでくれた生徒のように優しい子どもに育つよう頑張りたいとも書き添えてくださいました。

 わざわざメールをいただいたことに私も感謝したいと思います。また、大高生が地域の中で、他世代の方々とお互いを尊重しながら交流していることをとても嬉しく思いました。まさに、私たちが社会の中で、人と人とのかかわりあいの中で生きていることの素晴らしさを感じる出来事です。皆さんにはこれからも、地域の中の学校であること、地域の一員としての高校生であることを意識して、日々の生活を送ってほしいと思います。大宮高校は、地域に愛され、応援してもらえる学校でありたいと思います。中学生にとっても目標であり憧れの学校でありたいと思います。我々教職員と皆さんの手で、魅力ある大宮高校を築いていきましょう。

 最後に、先日の卒業式で、卒業生代表の先輩が答辞の中で述べた言葉を、この場を借りて1年生にも紹介します。「私たちは、世界が大きく変化する中で、思うようにいかず、立ち止まることもあるかもしれません。しかし、大宮高校で培った経験があれば、私たちはどんな困難でも乗り越えていけると確信しています。」大宮高校での日々の実践の中で、自分の手でつかんだ自信が伝わる力強い言葉です。

 皆さんにも、ぜひそうあってほしいと思います。これからの大高生活で、何に挑戦し、どんな経験をして、どれだけの自信を手にしますか? どんな卒業式を迎えるかは自分次第。自分の未来を創るのは自分自身です。今一度、現在の自分の学校生活を振り返り、2週間後に始まる新学年のスタートに向けて、学校生活の充実と進路実現、そして人として成長していくための目標設定と行動計画についてじっくりと考えてください。やる気に満ちたいきいきとした姿で始業式に臨んでくれることを期待しています。

               

「大宮高校の財産は『人』である」

大宮高校の誇りである皆さんの卒業を心から祝福します。

皆さんは大宮高校の財産であり、社会の宝。

それは同時に、あなたがかけがえのない存在であることの証でもあります。

あなたにだからこそできることがあるはずです。

 

式辞

  柔らかな日差しに包まれ、早春の清々しい空気が満ち溢れる今日の佳き日に、御来賓の皆様の御臨席を賜り、御家族の皆様と共に「埼玉県立大宮高等学校第76回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私ども教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。御臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 ただ今、卒業証書を手にした356名の皆さん、卒業おめでとうございます。また、3年間お子様を支え、共に歩んでこられました御家族の皆様に、心からお祝いを申し上げます。今日、卒業式という晴れ舞台に立っている卒業生の皆さんは、大高生として過ごしてきた3年間を思い出し、感激もひとしおのことと推察します。

 皆さんは、この大宮高校での3年間を仲間と共に全力で駆け抜けました。その中で学んだこと、経験したこと、そして時に悩み、葛藤したことのすべてが、皆さんを成長させてきました。また、皆さんはこの大宮高校の更なる躍進に向けて、歴史をつないでくれました。大宮高校の一番の財産が「人」であることを改めて強く感じます。未来に向け、新たなステージへと進みゆく皆さんを、とても誇らしく思います。

 高校での学びを終えた皆さんは、これからの社会の担い手としてのスタートラインに立ちます。その社会は今、かつてない速度で変化しています。急速に進むデジタル化、気候変動、少子高齢化、そして分断や孤立。これらは、決して遠い問題ではなく、皆さんの世代が主役となって解決していかなければならない課題です。

 とりわけ、これからの社会において心配なのは、人と人のつながりの希薄化です。SNSは発達し、情報は溢れ、物理的・時間的な距離は縮まりました。しかし、本当の意味で「人と向き合う」ということが減ってきたのではないかと思います。自分と異なる意見に耳を傾けることをせず、非難や拒絶をする。自分のことで精一杯で、困っている人に気づかず、気づいても声をかけられない。そうした社会の姿が様々な課題を生み出しています。

 しかし、中学校生活の3年間をコロナ禍で過ごした皆さんは知っているはずです。人と関わること、人間関係が人生を豊かにする最大の財産であることを。大宮高校で様々なことを経験し、友と過ごし、仲間と協力し、教員や親と対話する中で、それを実感したはずです。

 哲学者アリストテレスは、「人間は社会的動物である」と述べました。これは、私たちが一人では生きられない、他者とのつながりの中でこそ、本当の自分を発揮できるということを意味しています。また、イギリスの政治家、ウィンストン・チャーチルは、「我々は得ることで生計を立て、与えることで人生を築く」という言葉を残しています。

 人生において大切なことのひとつは、自立するための力を蓄えることです。知識を深め、技術を磨き、自らの糧を得る。それは大人として歩む第一歩です。しかし、それだけでは人生は未完成です。いうまでもなく、人間は決して一人では生きていけない存在だからです。

 私たちが今日ここにいられるのは、誰かが育ててくれたから、誰かが支えてくれたから、そして社会にその仕組みがあったからです。私たちは常に、他者の恩恵を受けて生きています。だからこそ、次は皆さんが「与える」側に回ることで、社会という大きな輪の一部となり、生きがいを持って自分らしい人生を築くことができるのだと思います。

 誰かのために自分の時間を使うこと、困っている人に手を差し伸べること、自分の知識や技術で社会に貢献すること。そうした「与える」という行為こそが、単なる「生存」を超えて、皆さんの人生を「意味あるもの」に磨き上げていくのだと思います。

 皆さんがこれから出会う困難の多くは、自分一人では解決できません。「人と人との関わり」や「支え合い」、「他者とのつながり」が不可欠であり、その中にこそ、人生の本当の価値があります。どうか、異なる意見の人の話に耳を傾け、自分とは異なる背景を持つ人々と協力することで、新しい可能性を生み出す人になってください。

 大宮高校が目指しているもの、それは、これからの社会を担う、未来を創るリーダーの育成です。今日、私たち教職員は胸を張って皆さんを送り出します。近い将来、皆さんが未来の創造者の一人として社会のどこかで活躍してくれることを心から願っています。

 もう一度言います。大宮高校の財産は「人」です。巣立ちゆく皆さんです。大宮高校百年の歴史が生んだたくさんの宝が、今、社会の様々な場所で輝いています。次は皆さんの番です。大きな志を胸に、次への一歩を踏み出してください。大宮高校は、未来に向かう皆さんをこれからも応援し続けます。

 結びにあたり、これまで本校教育活動の充実・発展のために、絶大なる御理解と御協力を賜りました御家族の皆様に心から感謝申し上げます。また、御来賓の皆様には、今後も引き続き、特段の御指導と御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 卒業生の皆さんの未来に、幸多からんことをお祈りするとともに、御臨席を賜りました皆様に重ねて御礼を申し上げ、式辞といたします。

 

 令和8年3月14日      

 埼玉県立大宮高等学校長 松中 直司

「幸せの種」

ほんの小さな出来事で、心は温まる。

やっぱり人は温かい。

仲間と共に過ごす学校生活の中には、たくさんの幸せの種があります。

生徒の皆さんが、大宮高校で学んでいることに喜びや幸せを感じられますように・・・。 

 

【後期全校集会】

 

 皆さん、おはようございます。年が明け、新たな一年が始まりました。皆さんと新しい年を迎えることができて、また、久しぶりに全校生徒の皆さんと、こうして対面で顔を合わせることがとても嬉しく思います。今年2026年も皆さんと共に、「チーム大宮」の精神で、大宮高校飛躍の一年にしたいと思います。

 さて、一年のはじめとなる今日は皆さんに、大宮高校の生徒であること、大宮高校で学んでいるということを、改めて意識してほしいと思います。1年生は大高生となって9か月、2年生は1年9か月が経った今、3年生にとっては大高生として大学受験に臨んでいる今、皆さんは大宮高校の生徒であることをどのように感じ、意識しているでしょうか?

 皆さん、中学3年生の今頃を思い出してください。どんな思いで大宮高校を目指していたでしょうか? きっと、強い希望と大きな期待、あこがれや夢を胸に抱いて、大宮高校を目指していたのだろうと思います。そして今、皆さんは、あのとき本気で目指していた「大宮高校」の生徒として高校生活を送っています。改めて本校に合格した時の気持ちを思い出してみてください。どうでしょう、今、大高生であることの喜びや幸せを感じているでしょうか?

 少し話がそれますが、古くから人類は、「幸福とは何か」「幸せになるには」といった問いを、哲学や宗教を通じて考え、追究してきました。しかし今日では脳科学による「幸せ」の研究が進んでいます。

 先日ある新聞で『脳の奥深くに幸せをつかさどる部位を見つけた』という記事を読みました。理化学研究所が発表した研究成果です。脳の頭頂部と後頭部の間にある「楔前部(けつぜんぶ)」という部位が、幸せの感じ方に関わるということを突き止めたというものです。幸福感が高い人は「楔前部」の活動が穏やかなのだそうです。また、脳で感情の処理などを行う「偏桃体」と「楔前部」が連携して活動する人ほど幸福度が高いのだそうです。

 近い将来、脳科学が「幸せ」の実体を突き止める日が来るかもしれません。とても興味深い研究であり、どのようなことに活かすことができるのか楽しみです。極端なことを言えば、電気信号によって人為的に幸せを感じることができる日が来るかもしれません。ただ、たとえそれが実現したとしても、人として生きる私たちにとって本当の幸せであるかは別の話です。少なくとも今私たちが感じている幸せは、日々の生活の中で、自分に自信を持てることであったり、人とのかかわりを通して得られるものであったりするのだと思います。

 今日、私が伝えたいことは、「仲間と共に大宮高校で学んでいることに喜びや幸せを感じて欲しい」ということです。

 皆さんの中には進路や勉強、人間関係などで悩んでいる人もいると思います。でも、皆さんは今、本気で目指していた「あの大宮高校」の生徒です。もっと自信を持ってほしいと思います。目の前にある小さな壁の先に進むための一歩を踏み出してください。

 困ったことがあったら自分一人で抱えることなく、友人でもいい、教員でもいい、思い切ってサポートを求めましょう。私たちは人から手助けを受けると、うれしさやありがたみを感じます。手助けした人も心理的な充実感を得ます。何気ない人とのかかわりの中に「幸せの種」があると思います。大宮高校での仲間との活動を通して、喜びや幸せをたくさん感じて欲しいと思います。

 ところで、大宮高校の校長であることの幸せを実感する出来事があったので紹介します。先月、近隣にお住まいの92歳のおばあさんから、御礼のお手紙が届きました。そのおばあさんが自宅のシャッターが開けられず困っていたところ、通り掛かった大宮高校の男子生徒が開けてくれたので、御礼を伝えたいという内容です。

 私は、大高生の他者を思いやる心を嬉しく思いました。とても幸せな気持ちです。それと同時に、わざわざお礼状をくださったことをとてもありがたく思いました。そして、おばあさんに感謝の気持ちを伝えたくなりました。この話を聞いて、自分のことだと分かった人がいたら、後で校長室に来てくれたらうれしいです。よろしくお願いします。

 幸せというのは、ひとつは自分を肯定的に捉えられることで、もう一つは人と人との繋がりの中で、感じることができると思っています。心が通じ合えると不思議と心が温かくなります。皆さんには、これからも自分に自信を持ち、人と関わるということを大切にしてほしいと思います。そのためにも、ぜひ、日頃から心が通う挨拶を心掛けて欲しいと思います。

 それでは皆さん、仲間と共に、2026年を素敵な一年にしてください。3年生の皆さん、どうか自信を持って、いつもの自分で勉強に取り組み、いつもの自分で試験に臨んでください。心から応援しています。

「日々是新」

今年も輝く朝日に包まれて、さわやかな新年を迎えました。

透き通るように澄んだ朝の冷たい空気、そして力強く差し込む日の光に身も心も引き締まります。

今、この時も、目標としている進路実現に向かって頑張っている皆さんに心からエールを送ります。

2026年、今年もきっとよい一年になるはずです。

 

元日に昇る朝日には、大きなエネルギーを感じます。「新しいことが始まる」という見ている者の心の在り方がそうさせているのかもしれません。

よく考えてみれば、朝日は毎日、私たちに新しい時間の始まりを告げています。当たり前にやってくる毎朝が、将来・未来につながるスタートなのだと考えると、改めて一日一日の大切さを実感します。

 

大宮高校も新しい一年がスタートしました。私たち教職員は今年も未来を創るリーダーたちの育成に日々全力で取り組みます。そして、生徒の皆さんにこれからの未来を託します。

生徒の皆さん、保護者の皆様、卒業生の皆様、そして、これから入学してくる中学生の皆さん、「チーム大宮」で、共に輝く未来を創造しましょう。

 

令和8年度、本校はいよいよ創立100周年を迎えます。地域の皆様に支えられ、多くの卒業生と教職員たちが創り上げてきた100年の歴史を土台に、次の100年に向けて新たな一歩を踏み出します。

 

令和8年1月吉日

朝日に照らされた学び舎3年生廊下のホワイトボード

「『お天道様』は見ている」

生徒の皆さんに願うのは、これからの社会、これからの未来を創ることの一端を担う人材へと成長すること。

そのためにも皆さんには、人に慕われ、信頼され、託される人、太陽のような存在であってほしいと願っています。

ところで「お天道様」とは一体何なのでしょうか。

 

【前期全校集会②】

 

皆さん、おはようございます。38日間の夏休みが終わりました。皆さんは、この間どのように過ごしたでしょうか。普段とは違った時間の使い方で、夏休みだからこそできることに時間とエネルギーを注ぐことができたのではないでしょうか。

学校では、3年生を中心に勉強会や夏期講習などで、熱心に勉強に取り組む姿が見られました。一人一人が進路実現に向けて強い気持ちを持って取り組む姿勢や、仲間と共に頑張っていこうという雰囲気が感じられ、とても頼もしく思います。また、大変な猛暑の中、各部活動では、一人一人が自分の健康管理を意識しながら、練習内容を工夫するなどして、目標とする大会やコンクールに向けて頑張っている姿が見られました。とても逞しく思えた夏休みでした。

ところで、今年の夏はこれまで経験したことのないような暑さで、8月5日には41.8℃という国内最高気温が記録されました。今年7月の日本の平均気温は、1898年の統計開始以来、もっとも高い結果となっています。さらに、ゲリラ豪雨や線状降水帯による水害の多発など、これまで異常気象と言っていたことは、もはや日常になりつつあります。

私たちは今後も続くこのような気候変動の中、人々の心身の健康を保持し、社会機能を維持・発展させていかなくてはなりません。まさに、これからの未来を創る人材が求められています。

先日、ある新聞で、熱中症の予防と太陽光パネルとの関連に関する記事を読みました。記事では住宅向け太陽光パネルの設置数が増えると、熱中症で亡くなる高齢者が減るとの研究結果が紹介されています。猛暑日の日数に応じた高齢者10万人当たりの死亡率を比べると、太陽光パネルの設置数が多い地域は少ない地域に比べて、統計的に有意に低いのだそうです。

確かに、エアコンがあっても使用しない高齢の方がいる中、電気代を気にせずエアコンを使えるという環境は熱中症の防止に大きな効果をもたらすことは容易に想像できます。しかし現実には、初期費用が高額になるなど「適応格差」が生じることが課題となります。

この記事は、個人の適応格差もさることながら、温暖化に対する国レベルでの適応格差を防ぐことの必要性について触れています。洪水の頻発や海水面の上昇などに対して、経済的に豊かな国はインフラの強靭化等の対応が可能であっても、財政的な余力のない国ではそれが難しいというのが現実です。私たちは、目の前の身近な課題に向き合いながら、地球規模の視点で大きな課題に立ち向かわなくてはなりません。

未来に向けては、多くの課題があります。この記事ひとつをとっても、どんな切り口で読むかによって、社会の仕組みや科学技術の面など、いろいろな課題が見えてきます。皆さんが、それぞれ自分の得意を活かし、社会を変えること、未来を創ることの一端を担ってくれる人材へと成長してくれることを願っています。 

ところで、私たちが大きな恩恵を受けている太陽は、古くから「お天道様」とも呼ばれています。皆さんも「お天道様は見ている」という言葉を知っているのではないでしょうか。「善い行いも悪い行いも、ほかの人が誰も見ていなくても、全て太陽は見ている」といった意味ですが、この「お天道様」というのは一体何なのでしょうか。

夏休みの出来事です。校舎の階段を上っていると、日に日に埃がたまり汚くなっていくのが目に入り、気になっていました。しかし数日後、校舎を回っていると、階段がきれいになっていました。誰かが掃除をしてくれたのです。ありがたいことです。そしてその数日後、「生徒が階段を掃除してくれていましたよ。素晴らしいですね。」とある人から言葉をもらいました。私は階段がきれいになったこと以上に、とても嬉しくなりました。

きっと掃除をしてくれたあなたは、誰かに見て欲しいからではなく、自分が感じたことに対して、自分がどうしたいか、どうすべきかという問いの答えとして、行動したのだと思います。自分の中にお天道様が存在した、もっと言えばあなた自身がお天道様だということができるのではないかと思います。お天道様は、利他の心を大事にしてくれたのだと思っています。ほかにも、部活の生徒の皆さんが、いろいろな場所を掃除してくれました。これも言わば「小さな社会貢献」。世の中を支える素晴らしい行動です。

皆さんには、人に慕われ、信頼され、託される人、太陽のような存在であってほしいと願っています。是非、たくさんの人と関わりながら、自分を磨いてください。

 さて最後に、全てにおいて優先されるべきである命を守るための備えとして、地震への対処について触れたいと思います。皆さんも知っているとおり9月1日は防災の日。1923年のこの日に関東大震災が発生しました。現在の震度でいうと震度6弱から震度7に相当する揺れを観測したといいます。現在、地震大国と言われる日本では、南海トラフ地震や首都直下型地震などの大きな地震が、近い将来に高い確率で発生すると予測されています。

埼玉県もいつ大きな地震の被害を受けるかわかりません。もしかしたら今日かもしれません。また、地震は学校にいるときに起こるとは限りません。もし、登下校中だったらどうするのか。どのようにして安全を確保し、どこに避難するのか。どのようにして家族と連絡をとるのか。ぜひ想像してください。そして、できる備えをしてください。

 自分の命を守ることはほかの何よりも大切です。災害や事故などの危険を可能な限り回避すること、日頃から健康を心掛けた生活を送ること、自分の心の健康にも意識し、自分の居場所をつくること、そして、苦しいときには心の内を誰かに伝えること、そうして自分の将来に向かって自分なりの人生を創り上げていってほしいと願っています。

それでは、文化祭から始まる前期の後半戦。楽ではないが楽しい充実した毎日になることを願っています。

「自分一人だったら リーダーはいらない」

大宮高校は未来を創るリーダーを育てることを目指します。

他者がいて、集団があって、社会があって、その中でリーダーは必要とされるもの。

他者との関わりなくして、リーダーは育たない。

仲間との協同は、生徒の皆さんにとって、とても大事な学びです。

大宮高校はこれからも「学び合い」を大切にします。

 

【前期全校集会】

 

 皆さん、おはようございます。大変暑い毎日です。皆さん体調はいかがでしょうか? おそらく、皆さん疲労が蓄積していることと思います。栄養・休養・睡眠をしっかりと意識して、心身ともに健康な毎日を送ってほしいと思います。

 さて、新年度が始まってからあっという間に3か月半が過ぎ、早くも夏休みを迎えます。この間、皆さんは、授業、行事、部活動にそれぞれ時間と情熱を注ぎ込んで、充実した高校生活を送ってきたことと思います。

 一方で、皆さんには南校舎の大型改修工事により、6月以降いろいろと不便をおかけしています。どうしても音を伴う作業を避けられず、中には音が気になってしまう人もいるかもしれません。また、物の移動と保管が必要となっているため、皆さんの活動スペースが限られてしまう場面も生じています。特に、夏休み中の勉強会や夏期講習の会場変更や一大イベントである文化祭での使用教室の制限など、皆さんにとっては多くの困難があろうかと思いますが、是非、限られた条件の中で、最大限の成果を挙げるための柔軟な発想や知恵、ポジティブな気持ちと粘り強さで、困難を乗り越えてほしいと思います。

 ところで、皆さんは、本校が未来を創るリーダーの育成を目指しているということを意識しているでしょうか? 入学してまもなく、大高オリエンテーションを通して、リーダーについていろいろと考える機会があったことと思いますが、日常の高校生活を送る中で、普段「リーダー」を意識している人は多くないのではないかと思います。ちなみに、皆さんに質問です。「リーダーの成立条件」は何だと思いますか? 周りの人と話をしてみてください。

(*****)

 はい、ありがとうございます。どうでしょうか? どんな意見が出たでしょうか? リーダーの資質、在り方など、いろいろな意見が出たことと思います。

 「リーダー成立条件」といったとき、大前提となるのは「自分一人ではないこと、他の人たちがいること」だと思います。自分一人の存在では、その人がどんなに立派な人であっても、リーダーにはなれませんし、そもそもリーダーは必要ありません。今日、私がここで言いたいことは、リーダーであるためには、まず他者の存在を意識し、関心を持つこと。そして、他者と関わり合い、他者や集団の「利」を考えることが重要だということです。

 朝の校舎内を歩いていると、しばしば素敵な光景に出会います。ある人は、教室や廊下の窓を開けて、朝の新鮮な空気を入れてくれています。ある人は、前日に机の上に上げてあったクラスみんなの椅子を降ろしてくれています。自分の椅子だけ降ろせば、すぐにでも勉強を始められるのに、みんなの椅子を降ろしています。どちらの生徒も、自分以外の誰か、他者の存在を意識し、さらに他者の「利」に配慮した行動をとっています。

 しかし、おそらく多くの人は、このような誰かの行動に、自分が恩恵を受けていることに気づいていないのではないでしょうか。何気ない日常が誰かに支えられている、誰かのおかげで成り立っているということを忘れてはいけないと思います。そして、皆さんには、自分は誰かのために何かできないだろうかと考えてほしいと思います。

 改めて、是非皆さんには、仲間の存在を意識してほしいと思います。せっかく大宮高校という場所で、一緒に高校生活を送っているのですから、お互い仲間として関わり合って、支え合い、高め合って、共に充実した高校生活を送ってほしいと思います。

 本校は、授業を最優先としつつ、学校行事や部活動も大事にしています。なぜなら、皆さんには、行事や部活動などを通して、多様な意見や価値観と向き合い、互いを尊重しながら話し合い、調整して、最適解や妥協点を見出す力を身に付けてほしいからです。仲間との関わりの中で、しっかりとそのトレーニングを積んでほしいと思っています。

 さらに、本校の皆さんにはもう少し欲を言わせてほしいと思います。広く学校の外にも目を向けてください。身の回りで起きている出来事や社会の問題など、いろいろなことに対して関心を持ってほしいと思います。そして、社会の一員であることを自覚してほしいと願っています。皆さんには単なるリーダーではなく、未来を創るリーダーであってほしいからです。

 この週末には、参議院議員選挙が行われます。18歳になる皆さんには、投票所入場券が届いたことと思います。選挙に行く、投票するということも、社会に目を向けることの象徴的な行動と言えます。残念ながら18歳に満たない皆さんも、是非、「自分だったら」の視点で考えてみてほしいと思います。

 明日から夏休みに入ります。3年生の皆さん、進路実現に向けて大事な38日間が始まります。一日一日を大切にして、やり切ったという充実感を味わうことができる毎日を過ごしてください。1・2年生の皆さん、いろいろなことにチャレンジする夏にしてください。普段ではできないことに、じっくりと時間をかけて取り組んでみてほしいと思います。

 それでは心身ともにひと回り成長した姿で、8月26日、元気に会いましょう。

「本物の人格を備え、志を立てる」

凛とした姿の新入生。皆さんの入学を頼もしく感じます。

本物の人格とは何か?

挑戦し、失敗、挫折、成功の経験を重ねながら、答えを見出そう。

未来を創るリーダーを目指して・・・。

 

【入学式式辞】

 桜が咲き、若い命が躍動する春がめぐってまいりました。この桜舞う今日の佳き日に、御来賓の皆様並びに新入生保護者の皆様方の御臨席を賜り、令和7年度埼玉県立大宮高等学校入学式を盛大に挙行できますことは、本校関係者一同 大きな喜びでございます。御臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可いたしました358名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 今、皆さんは、晴れて大宮高校の生徒となった喜びをかみしめていることと思います。その喜びは、皆さん一人一人の本校を目指す強い信念と弛まぬ努力の結果ではありますが、皆さんを導いてくださった中学校の先生方、励まし合い共に学んだ友人、そして何よりも、皆さんを深い愛情で支えてくださった家族に対する感謝の気持ちをしっかりと心に刻み、高校生活を踏み出してほしいと思います。

 保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。お子様の晴れ姿を前に、感慨もひとしおのことと拝察いたします。心よりお喜びを申し上げます。

 さて、新入生の皆さん、今私は皆さんの凛とした姿を拝見し、とてもワクワクしています。これからの3年間で、さらに大きく逞しく成長する皆さんの姿が楽しみです。

 皆さんは自分の判断で目指す高校を選び、努力し、挑戦をした結果、今ここにいます。自分の意思で進むべき道を決め、今があるのです。そして、これから新しい世界での新たな挑戦が始まります。皆さんの大宮高校入学はゴールではなく、ひとつのマイルストーンでしかありません。皆さんの進む道には続きがあります。ゴールはもっと先にあります。これからの高校生活の中で、次に進むべき自分の道を見つけてください。

 本校は「未来を創るリーダー」の育成を目指しています。今日、日本が直面する超少子高齢化はあらゆる場面で人材不足を引き起こし、今後ますます深刻化していきます。社会経済のグローバル化や高度な情報化は産業構造を大きく変えようとしています。また、気候変動が引き起こす異常気象は、もはや異常ではなく通常になりつつあります。このような大きな変化に、私たちは対応し、課題を解決し、豊かな未来を切り開いていかなくてはなりません。本校は、皆さんが未来の創造者になってくれることを願い、様々な教育活動を展開していきます。

 私は皆さんの高校生活に、「人格を備える」というテーマを与えたいと思います。「人格」という言葉について、広辞苑には「人がら。人品。」あるいは「道徳的行為の主体としての個人。自律的意思を有し、自己決定的であるところの個人。」などと記されています。「人格」についての考え方は人それぞれ異なると思いますが、高校生となった一人の若者として、じっくりと「人格」について考えてみて欲しいと思います。どんな人であろうとするのかを考え、そのために必要な行動を実践し、迷ったり悩んだりしながら、自分と向き合ってください。そして、社会に目を向け、社会との関わりについて考えてください。そうした日々の積み重ねによって、皆さんが本物の人格を備え、志を立ててくれることを願っています。

 人々の座右の銘としてよく知られる言葉に「継続は力なり」という言葉があります。この言葉の由来には諸説ありますが、「青年よ 強くなれ」との書き出しで始まる詩の中の一節だといわれています。そこには「念願は人格を決定す 継続は力なり」という言葉が出てきます。何を目指し目標とするのかという自分の意思がまず大事であって、その意思を貫き、日々の行動を積み重ねることによって、人として大きく成長していくということを表しているのだと思います。

 また、皆さんよく御存知のヘレン・ケラーは次のようなことを述べています。「人格は、安楽や平穏の中で養われるものではない。挑戦と苦難の経験を通してのみ、心は鍛えられ、夢は明確になり、希望が湧き、成功を手にすることができる。」本物の人格を備えた人は、まさに未来を託すべきリーダーに相応しい人材であり、「社会の宝」であると思います。

 これから始まる皆さんの自分の進む道探しは、挑戦することから始まります。当然のことながら簡単ではないかもしれません。高い目標を掲げればそれだけ困難も伴うはずです。多くの人は失敗や挫折を経験するはずです。しかし、それは当たり前のこと。挑戦する気持ちとやり抜く姿勢、そして何よりも大切な「失敗や挫折を乗り越える経験」を通して、自分の未来、社会の未来を切り拓いていく青年へと成長を遂げて欲しいと願っています。  

 大宮高校は、皆さんの進路実現の先に、日本そして世界の未来を創るという壮大なビジョンを掲げています。私たち教職員は、日々の授業はもちろん、学校行事や部活動を含めたあらゆる教育活動が、社会の未来に繋がっているという思いで、皆さんとともに前進していきます。皆さんも、ぜひその気になって高い目標を掲げ、積極的に充実した高校生活を送ってください。

 最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、重ねて入学のお喜びを申し上げます。この15年間、様々なご苦労があったことと思います。心から敬意を表したいと存じます。 

 本日、大切なお子様を確かにお預かりいたしました。責任をもって、お子様の力をしっかりと伸ばしてまいります。

 高校時代は、生徒一人一人が、自分の人生を自分の力でつかみとっていく大切な時期です。失敗や挫折、成功の経験を重ねながら一歩一歩少しずつ大人へと成長していきます。「子供は大人の話を聞くのは苦手だが、大人のマネをするのはとても上手だ。」これは、あるアメリカの作家の言葉です。どうか保護者の皆様にはどっしりと構え、笑顔で、お子様の成長を後ろから暖かく見守っていただき、力強く支えていただきますようお願いいたします。

 私たち教職員は、大宮高校の教育に誇りをもって全力で取り組んでまいります。家庭と学校との風通しを良くしながら、お子様の成長を後押ししてまいりたいと思いますので、何卒、御支援・御協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、3年後の卒業式の日に、ここにいる新入生が心身ともに大きく成長し、すべての生徒、保護者の皆様が「大宮高校で本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。

 

「相寄りて 鍛え 究め 誓う」

大宮高校らしさ、大高生らしさ、「チーム大宮」の源は校歌にあります。

生徒の皆さんには、これからも校歌を愛し、大高生であることを誇りに、仲間と共にいろいろなことにチャレンジしてほしいと願います。

「相寄りて、鍛え、究め、誓う」。その先には希望があります。

 

【前期始業式】

 皆さん、おはようございます。年度が替わり、学年もひとつ上がって新しい1年がスタートします。3年生にとっては最後の1年、高校生活の集大成となる大切な年です。大高生として充実した日々を過ごしてください。2年生は後輩を迎える立場になります。先輩として温かく迎え、「チーム大宮」とは何かを伝授してください。

 さて、令和7年度、本校は99歳、白寿を迎えます。来年度の100周年に向けては、スローガンやロゴマークの作成が始まっています。今後も生徒の皆さんに関わってもらいながら、いろいろなことに取り組んでいきたいと考えています。ぜひ、歴史ある大宮高校の生徒であることを誇りに、自信を持っていろいろなことにチャレンジしてほしいと思います。

 今日は、これまでの長い歴史の中で歌い継がれ、皆さんも大切にしている校歌の歌詞を基に、皆さんに現在の自分を評価してほしいと思います。評価は4つ。「鍛うているか」「究めているか」「誓うているか」そして、「相寄りているか」です。

 まず、「鍛うているか」です。授業や部活動、学校行事などいろいろなことに対して、全力で取り組んでいるか。現状に甘えずチャレンジしているか。どうでしょうか。やり抜く力を鍛えているでしょうか、失敗や挫折を、柔軟に粘り強く乗り越えようとしているでしょうか。ぜひ自分と向き合い、考え、行動し、成長を重ねてください。

 次に、「究めているか」です。より深く学び、探究しているか。より良いものを創り出そうとしているか。より強くなろうとしているか。どうでしょうか。自分のやっていることや興味・関心のあることに対して、とことん本気になって取り組んでいるでしょうか。妥協せずにこだわりを持って取り組めているでしょうか。ぜひ、これだけは誰にも負けないと自信を持って言える努力を実践してください。

 次に、「誓うているか」です。しっかりと目標を定めているか。自分のすべきことを決意しているか。どうでしょうか。高い目標を掲げ、実現するという強い意志を持てているでしょうか。ぜひ高校生活の中で何を成し遂げたいのか、しっかりと目標を定め、決意してください。そして卒業時には、将来に向けた志を立ててくれることを期待しています。

 これら3つは、高校生活すべてに共通します。大切なのは、ただ時間だけが過ぎていくような日々にしないこと、勉強も運動も文化芸術活動も、趣味や友人との交流も本気になって全力で取り組み楽しむことです。その中で、いろいろなこと経験し、感じ、学び、あらゆる面で人としての成長を重ねていくのだと思います。

 評価の最後は「相寄りているか」です。これは大高らしさの象徴と言えるかもしれません。どうでしょうか。仲間と共に学んでいるでしょうか。高校生活を仲間と共に楽しめているでしょうか。

 「チーム大宮」の言葉に表されるように、大宮高校は、生徒同士が学び合い、励まし合い、支え合いながら、相互に刺激を受け、高め合う環境があります。ぜひ、大宮高校の生徒としてここにいる仲間との縁を、大切にし、活かしてほしいと思います。これからも相寄りて日々の学校生活を送り、大宮高校の魅力を継承してください。

 相寄りて、鍛え、究め、誓う皆さんの行く手には希望があります。今年1年間、皆さんの様々な分野での活躍を楽しみにしています。自信を持ち、思い切ってチャレンジしてください。皆さんの健闘と大宮高校の躍進を期待しています。

→ 校歌はこちら

「四時の序、功を成す者は去る」

偉大な先輩たちは大宮高校を去りました。

そして、学校は後輩の皆さんに託されました。

後輩の皆さん、次はあなたの出番です。

 

【後期終業式】

 

 皆さん、おはようございます。

 あっという間に、一年の終わりの日が来ました。終業式にこうして皆さんの顔を見ながら話ができることをうれしく思います。この冬、インフルエンザや新型コロナの流行が心配される時期もありましたが、皆さんの感染防止への高い意識と行動で、本校では大きく広がることもなく、今日を迎えることができました。

 先週は、スポーツ大会での皆さんの活気ある姿、大きな声援、笑顔を見ることができて、とてもうれしく感じました。秋以降、しばらく3年生たちの黙々と勉強に打ち込む姿を中心に見てきたので、スポーツ大会の盛り上がりは、久しぶりにとても新鮮に感じました。また、それと同時に、緑色のジャージがない風景に、世代が交代したことを実感しました。

 私は、これまで大宮高校の生徒の皆さんを見てきて、先輩から後輩に自然と受け継がれていく大高生らしさや校風を感じてきました。常に上級生の姿を見て、刺激を受け、その姿勢を真似、いつの間にか立派な大高生になっていくという、この学校の雰囲気が私はとても好きです。しかも、先輩と後輩が相互に相手を意識し、互いに高め合っていることが何よりも素晴らしいと感じています。

 その一例が、2年生の有志が受験に向かう3年生に送った千羽鶴です。送られた千羽鶴は、合格祈願の達磨と共に、学校に来て勉強する3年生たちを毎朝出迎えていました。きっと千羽鶴を目にした3年生たちは、大きな勇気をもらったことと思います。また、送った2年生は、来年の自分たちの姿を想像し、3年生になるということを強く意識したことと思います。そしてお互いに、大宮高校の生徒であることを実感し、連帯感を感じたのではないかと思います。

 誰もが知っているアイザック・ニュートンは、万有引力の法則の発見をはじめ、多くの偉業を成し、科学の発展に最も影響を与えた人物の一人です。とてつもなく偉大な人物で、さぞかし自信家なのだろうと思いきや、こんな言葉を残しています。「私が遠くを見ることができたのは、巨人たちの肩に乗っていたからです」。ニュートンの偉業は、自身の優れた着眼や発想、熱心な研究の成果ですが、ニュートンはその成果を、先人たちの研究があってこそだと言っています。偉大な先人を真似て、先人たちを追っていく。そして、その結果先人を超えていく。なんとなく、大宮高校で先輩から後輩に引き継がれていく大高生らしさと、常に前進を続ける大宮高校らしさに通じるものを感じます。

 私は、皆さんにそんな大宮高校の生徒であることを誇りに思ってほしいと思いますし、この環境を活かしてほしいと願っています。大宮高校は「仲間と共に」という言葉が似合う学校だと思っています。同級生はもちろんですが、先輩後輩の関係性にも「仲間」という言葉が似合います。「チーム大宮」の精神が創り上げた大宮高校の魅力だと思っています。

 家庭研修に入ってからも学校に来て、仲間と共に勉強し、互いに教え合っている3年生の姿は素敵でした。どんな時も仲間の存在はありがたいし、心強いものです。皆さんには、勉強や研究も部活動や学校行事も、ぜひ最後まで仲間と共に取り組んでほしいと思います。

 先日の卒業式で、卒業生の代表が、答辞の中で2年生へのメッセージを残しました。この場を借りて、1年生にも紹介します。「もうすぐ創立100周年を迎える大きな節目でもある中、大宮高校の校風を守りながらも、新たな伝統を創る重要な一年を担う意識を忘れないでください。最高学年として、旗を振って、後輩たちを導いてください。今後の大宮高校をよろしく頼みます。」熱い思いが詰まったメッセージです。

 偉大な先輩たちは大宮高校を去りました。そして、学校は後輩の皆さんに託されました。2年生の皆さん、いよいよです。持てる力を存分に発揮してください。1年生の皆さん、先輩の背中を追ってください。すべての皆さん一人一人の前進が、大宮高校の新たな伝統を創ります。

 明日から約2週間の春休みになります。4月からの新年度をどんな一年にするか、しっかり、じっくり考えてください。そして、やる気に満ちたいきいきとした姿で始業式に臨んでください。期待しています。

「志を立てよう。未来のためにも。」

大宮高校の誇りである皆さんの卒業を心から祝福します。

私たちは、皆さんに未来を託します。

誰もがこころ豊かで幸せに暮らせる素敵な未来の創造者になってくれることを願って・・・。

 

 式辞

 穏やかな日差しのぬくもりに春の訪れを感じる今日の佳き日に、御来賓の皆様の御臨席を賜り、保護者の皆様と共に「埼玉県立大宮高等学校第75回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私ども教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。御臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 ただ今、卒業証書を手にした342名の皆さん、卒業おめでとうございます。また、3年間お子様を支え、共に歩んでこられました保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。

 今日、卒業式という晴れ舞台に立っている卒業生の皆さんは、大高生として過ごしてきた3年間を思い出し、感激もひとしおのことと推察します。この日を迎えることができたのは、皆さん自身の弛まぬ努力の成果ですが、これまで愛情を持って育ててくださった御家族の支えに対する感謝の気持ちを大切に、家族と共に卒業の喜びを味わってほしいと思います。

 皆さんは、この大宮高校で、授業はもとより学校行事や部活動などに全力で取り組み、大きな成果を挙げました。皆さんが様々な場面で本校の最上級生として見せてくれた姿は、実に頼もしく、大宮高校の誇りでありました。

 体育祭ではリーダーシップを発揮して下級生たちをまとめ、一致団結して競技や応援に臨む見事なチームを創り上げました。文化祭では短期間の準備で、驚くほどに高いクオリティの企画を創り上げました。そして、進路実現に向けて高い目標を掲げ、放課後の教室や廊下で黙々と勉強に取り組み、さらには、仲間同士で教え合いながら受験に向かう姿は、まさに「チーム大宮」そのものであり、私たち教職員も「チーム大宮」の一員として、そんな皆さんを心の底から応援したいと思わずにはいられませんでした。これが、皆さんが創り上げてきた大宮高校の魅力であり、強みでもあります。たくさんの中学生が目標としているこの大宮高校躍進の主役として輝き、生徒の力と学校の魅力を広く発信してくれた皆さんに、心から感謝と敬意を表します。

 高校での学びを終えた皆さんは、これからの社会の担い手としてのスタートラインに立ちますが、今、社会は急激な変化が進んでいます。グローバル化、高度な情報化、人工知能の発達、複雑化する社会課題、自然環境の変化。様々なイノベーションによって社会構造も大きく変化しており、先行きを見通すことが難しい時代を迎えています。

 このような複雑に発展していく未来社会を生き抜く力として重要とされているのが、感情や心の内面の働きといった、いわゆる「非認知能力」です。

 非認知能力にはいろいろな要素がありますが、その中に「GRIT(グリット)」と言われるものがあります。これは、アメリカの大学教授が提唱した4つの言葉の頭文字を取ったもので、全体では「やり抜く力」と訳されています。具体的には、「Guts(ガッツ)」困難な課題に立ち向かう度胸や強い気持ち、「Resilience(レジリエンス)」失敗しても簡単にはあきらめない回復力や逞しさ、「Initiative(イニシアチブ)」自分で目標を定め自ら率先して取り組む自発性や行動力、「Tenacity(テナシティ)」最後までやり遂げる執念や粘り強さです。

 「GRIT(グリット)」は、私たちが自分の夢や目標を実現するために重要な要素であり、強い決意によって持続するとされています。皆さんは大宮高校での様々な経験を通して、この「やり抜く力」を身につけてきたことと思います。

 日本の実業家で、松下電器、現在のパナソニックホールディングスの創業者である松下幸之助はこう述べています。「志を立て決意することは大事。だがそれ以上に大事なのは、そうした志なり決意を持ち続けることである」。今、皆さんは新たな夢や目標を持ち、それを実現しようと決意し、新たな世界に挑もうとしています。是非、その強い思いを持ち続け、やり抜いてほしいと思います。

 松下幸之助は、こうも述べています。「志を立てよう。自分のためにも、他人(ひと)のためにも、そしてお互いの国、日本のためにも」。今はグローバル時代ですから、この言葉の「日本のためにも」を「未来のためにも」に変えて、私から皆さんに送りたいと思います。近い将来、皆さんが未来の創造者の一人として社会のどこかで活躍してくれることを心から願っています。

 大宮高校は令和8年度に創立100周年を迎えます。100周年を迎えるにあたってのスローガンも決まりました。『100年先も、大高生。』。皆さんの母校である大宮高校は、これからも未来に向かう皆さんを見守り続けます。皆さんには、末永く母校を、後輩たちを、愛し、そして応援してください。

 結びにあたり、これまで本校教育活動の充実・発展のために、絶大なる御理解と御協力を賜りました保護者の皆様に心から感謝申し上げます。また、御来賓の皆様には、今後も引き続き、特段の御指導と御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 卒業生の皆さんの未来に、幸多からんことをお祈りするとともに、御臨席を賜りました皆様に重ねて御礼を申し上げ、式辞といたします。

 

 令和7年3月15日      

 埼玉県立大宮高等学校長 松中 直司

「自分が創る未来への入口」

新たな発見は、常に探究の先にあります。

新たな発見は、未来を変え、未来を創ります。

あなたが創る未来への入口はどこですか?

 

 

【後期全校集会】

 

 皆さん、おはようございます。

 年が明け、2025年が始まりました。こうして皆さんと新しい年を迎えることができて、とても嬉しく思います。今年2025年を皆さんと共に、充実した実りある一年にしたいと思います。「チーム大宮」で共に前進していきましょう。

  さて、近年、社会の変化や環境の変化も激しく、地球規模での異常気象もその影響が年々増しています。私たちは次から次へと様々な課題に直面しており、今、私たちには未来に向けてできることを探し、実践することが求められています。

  一方で、科学の進歩や技術の革新などの動きも顕著です。

 昨年10月には史上最大の素数が見つかったというニュースがありました。その桁数は4102万4320桁。私には想像もつかないこの素数は、1桁を1秒で読み上げると全部読み上げるのに1年以上かかるのだそうです。

  発見者は、30代のプログラマーの方で、世界中にあるコンピューター数千台をネットワークでつなげて、「(2のn乗)-1」のnにいろいろな数字を入れていく計算を同時進行で大量に高速で行ったといいます。

数学好きの人や科学を追究しようとしている人にとっては、ワクワクする話なのだろうと思います。

  この発見が、人々を救うことに直結するわけではありませんが、数学の発展やコンピューターの発展には、未来の創造という点で大きな意味があると思います。実際に技術革新を促すために10億桁を超える素数の発見に25万ドル(約3700万円)の賞金が懸けられているそうです。

  ちなみに、今回の発見者は、1年という時間と200万ドル(約3億円)の自己資金を投じたそうです。また、発見により3千ドル(約45万円)が与えられたそうですが、それを母校の高校に寄付したというのですから、お金の問題ではないのだということを改めて感じます。

 発見者の素数愛に、壮大な宇宙に新しい星を見つけるのと同じようなロマンを感じます。

 自然科学に対しても社会に対しても、自分が疑問に感じることや調べてみたいと思うことについて、こだわりを持って打ち込むことが、将来的に未来を変えたり創り上げたりすることにつながっていくのだと思います。ぜひ、大宮高校での探究や大学での研究などを通して、自分が創る未来への入口を見つけて欲しいと思います。

 

 ところで、大宮高校は令和8年度に創立100周年を迎えます。これまで多くの先輩たちが築いてきた大宮高校100年という節目を祝うとともに、次の100年に向けて新たな歩みを進めていきたいと考えています。

 そこで100周年を迎えるにあたり、まずスローガンとロゴマークを作成します。作成に当たっては、生徒の皆さんからアイディアやデザインを募集します。詳細は別途お伝えしますが、この作成に協力してくれる生徒の皆さんを募ります。ぜひ、多くの皆さんに関わってほしいと思っています。積極的な参加をお願いします。

 

 最後に、今日はこの場を借りて、大学入試に挑む3年生にエールを送らせてもらいます。

 年末の予餞会では、後輩たちからの「感謝」や「応援」の贈り物がありました。3学年の先生方からの激励もありました。先生たちからのメッセージは3年生の皆さんにしっかりと届いたことと思います。

 皆さんには、家族や仲間、後輩たち、そして教職員が付いています。どうか、自信を持って、いつもの自分で勉強に取り組み、いつもの自分で試験に臨んでほしいと思います。心から応援しています。

 私は、朝や放課後の教室や廊下で、目標に向かって真剣に勉強に打ち込んでいる3年生を見て、毎日感激しています。そして、そんな皆さんを誇りに思います。

 3年生の皆さんの姿には、大宮高校で学んできたことのすべてが凝縮されているように感じます。1・2年生もそんな3年生の姿を見ながら、頼もしい3年生へと成長していきます。ぜひ、後輩たちの道しるべになってください。

 

 それでは、インフルエンザも猛威を振るっていますので、皆さん体調管理を徹底して充実した学校生活を送ってください。

「共に未来を」

朝日が眩しいさわやかな新年です。澄んだ朝の空気に差し込む太陽の光に、大きなエネルギーを感じます。不思議とやる気が湧いてきます。きっとよい一年になるはずです。

今、この時も、目標としている進路実現に向かって頑張っている皆さんに心からエールを送ります。

 

大宮高校の新しい一年もスタートしました。私たち教職員は今年も未来を創るリーダーたちの育成に全力で取り組みます。

リーダーの育成を目指す教育活動は、まさに未来を創る営みそのもの。生徒の皆さんに未来を託します。

生徒の皆さん、保護者の皆様、卒業生の皆様、そして、これから入学してくる中学生の皆さん、「チーム大宮」で、共に輝く未来を創造しましょう。

 

本校は令和7年度に『白寿』を迎えます。地域の皆様に支えられ、多くの卒業生と教職員たちが創り上げてきた100年の歴史を土台に、次の100年に向けた助走を始めます。

 

令和7年1月吉日

朝日に輝く必勝だるま

「誰だって、弱い自分を持っている」

大高生に求める自主自律、それは「自分で考えて、自分の意志で判断・行動し、その結果に自分が責任を持つ」ということ。

自信を持って決断し前に進むためにも、授業や行事、部活動に全力で取り組み、趣味や読書なども含めたいろいろなことを通して知識を深めるとともに、多種多様な経験を積んでくれることを願っています。

でも、誰もがみんな常に自信を持って行動できるものではありません。前に進むことができない自分に自信が持てなかったり、自分を否定したくなってしまったりすることが誰にでもあります。

そんな時は、ぜひ誰かを頼ってみてください。自分の心の内を誰かに伝える一歩を踏み出すことが打開策です。

 

 前期全校集会②

 

 皆さん、おはようございます。

 連日大変な酷暑が続いた夏休みが終わりました。この間、学校では、各種の補習や夏期講習が行われ、多くの皆さんが学校に足を運び、熱心に参加していました。特に、お盆の期間中も集中を切らすことなく講習に参加し、教室で黙々と勉強する3年生の姿は、大高生の頼もしさを感じるものでした。

 また、部活動では、皆さん一人ひとりが、この暑さの中で安全に活動するための工夫をしながら、自分たちの目標に向かって努力を重ねていました。いずれの生徒も、自分の意志で、自分の高校生活を創り上げているという印象を持ちました。「やらされている」のではないというのが、大高生の強みだと感じています。

 勉強や部活動はもとより、何事においても大切なのは、主体性です。自分にとって必要なことは何か、どのようにすべきかを自ら考え、行動することです。親や教員の支援を受けながらも、「自分で考えて、自分の意志で判断・行動し、自分が結果に責任を持つ」ということが、皆さんに求める自主自律の精神です。

 「結果に責任を持つ」ということは「環境や他人のせいにしない」ということですから、自信を持って自分が判断・行動する必要があります。そのためにも幅広く豊富な知識と経験を大切にしてほしいと思います。

 知識は、自信ある行動選択をする際の大切な判断材料になります。とりわけ情報過多ともいわれる今の時代にあっては、正しい情報を見極める上でも重要です。また、知識だけでなく、成功や失敗を重ねた多様な経験が、自分の判断を後押ししてくれるはずです。日々の学びや経験の一つひとつが、人生を創り上げる礎であるということを意識してください。

 ぜひ、授業や行事、部活動に全力で取り組み、趣味や読書なども含めたいろいろなことを通して、知識を深めるとともに多種多様な経験を積んでほしいと思います。

 とはいっても、誰もがみんな常に自信を持って行動できるものではありません。壁にぶつかったとき、自分一人で悩みや苦しみを抱え、前に進むことができない自分に自信が持てなかったり、自分を否定したくなってしまったりすることが誰にでもあります。

 そんな時は、ぜひ誰かを頼ってみてください。友人や親、教員、近くにいる誰かを頼ってほしいと思います。自分の心の中に悩みや苦しみを抱えているときが一番つらいものです。

 誰もがみんな、弱い自分を持っています。弱音を吐くこと、本当の自分の気持ちを伝えること、誰かに頼ることや助けを求めることは、恥じるようなことではありません。自分の心の内を誰かに伝える一歩を踏み出すことが打開策です。周りの人は意外と頼りになるものです。「案ずるより産むが易し」、教職員も必ずあなたの声に耳を傾けますし、校長室に来てもらっても大丈夫です。苦しいときこそ、一歩を踏み出してくれることを願っています。

  ところで皆さん、この夏休みは「南海トラフ地震 臨時情報(巨大地震注意)」という言葉に驚いた人も多いのではないでしょうか。

 幸い今のところ巨大地震は発生していませんが、神奈川や茨城で震度5弱の揺れを感じる地震も発生しており、改めて私たちは地震大国に住んでいることを実感します。埼玉県もいつ大きな地震の被害を受けるかわかりません。もしもの時は、どんな場所にいたとしても、まずはその場で周りの危険物を確認して、「身を低くする」「頭を守る」「動かない」という身を守るための3つの行動をとり、地震の揺れが収まったら冷静に避難することが大切です。 

 地震はいつどこにいるときに起こるかわかりません。もしかしたら明日かもしれませんし、今日かもしれません。文化祭の最中に大きな地震が発生するかもしれません。もしそうなった場合、あなたはどのような行動をとりますか。その場に教員がいないかもしれません。生徒以外の来校者「お客様」がいます。お客様に何という声をかけ、どのような指示や誘導をしますか。ぜひ想像してみてください。

 もしも、登下校中だったらどうしますか。どのようにして安全を確保し、どこに避難しますか。どのようにして家族と連絡をとりますか。ぜひ想像してください。そして、できる備えをしてください。

 自転車ヘルメットの話の時も言いましたが、自分の未来を守るためにできることは、可能な限り何でもするという意識を持ってほしいと願っています。

 それでは、文化祭から始まる前期の後半戦。メリハリをつけながら高校生活に精一杯取り組み、楽しく充実した毎日になることを願っています。皆さんのはつらつとした姿を楽しみにしています。 

「あの渋沢栄一も期待している」

令和6年度夏休み前の全校集会。

明日から時間を有意義に使うことができる夏休みが始まります。

ぜひ身の回りに目を向け、関心を持ち、身近な課題や問題を考えてみてください。

きっと将来の社会や世界を変える力へとつながるはずです。

やりたいことや夢に出会う夏であってほしいと願っています。

だって、皆さん若者たちに未来を託しているのですから。

 

前期全校集会

 

 皆さん、おはようございます。

 4月の始業式、入学式で始まった令和6年度は、早くも夏休みを迎えます。皆さんにとってのこの3か月半は短く感じたでしょうか?それとも長く感じたでしょうか?1時間は60分、1日は24時間、誰もが同じ時間を過ごしているのに感じ方が違うというのは不思議なものです。

 私は、とても短く感じました。あっという間に感じています。今日までの学校生活の中で、皆さんの頑張る姿、輝く姿、笑顔をたくさん見ることができました。私にとってはとても刺激的で楽しい毎日でした。

 これまでいろいろなことがありましたが、その中で、一番感激し、うれしかったことを紹介します。

 それは、ある日の放課後、教室前の廊下を歩いていた時に目にした光景です。 

 一人の生徒が、廊下においてあるペットボトルのゴミ箱のゴミ袋の交換をしていました。係でも当番でもないのにです。理由はゴミ箱がいっぱいになったから。私は本当にうれしく思いました。まさに「公共心」、他者の幸せ、みんなの幸せです。

 私は、始業式の時に、公共心について話をしました。ぜひ、皆さんには、今一度「公共心」を意識してほしいと思います。 

 さて、先日7月3日に新紙幣が発行されました。皆さんもご存じのとおり、1万円札には、埼玉県が誇る近代日本経済の父、渋沢栄一の肖像が描かれています。

 ところで、その渋沢栄一は、青年(若者)について、次のようなことを述べています。 

「世の中は絶えず動いている。従って社会の進歩発達を期するには、時代に適応した人物を要すること勿論である。時代に適応した人物とは、言うまでもなく新人を意味するものであって、新人が出て絶えず世の中の空気を新しくし、向上進歩を計るところに国家社会の進歩発展があり人類の幸福増進もまたここに育まるるのである。この見地により、私は青年諸君に最も望みを属するものである。」 

 まさに、現在の皆さんに対する期待です。ここにいる皆さんが、未来をリードする人材となる可能性を秘めています。ぜひ、未来を創る人材へと成長してほしいと願っています。 

 そのために重要なのは、内発的な動機やモチベーション。自分のやりたいことや夢を持つことが大切です。

 そこで、夏休みを迎えるにあたって皆さんにひとつお願いをします。

 皆さんには、夏休み期間中に、勉強や部活動以外のことに対して、どんなことでもいいので、興味や関心を広げ、疑問や課題を見つけ、自分なりの思考を深めて欲しいと思います。 

 本や新聞、報道などから社会情勢や自然環境などに関心を持つこともよいですし、身近な課題や困りごとを考えるのもよいと思います。

 例えば、お弁当をつくってくれる親を楽にする方法はないか?おじいちゃんやおばあちゃんの困りごとを解決できないか?など、身の回りのちょっとした課題を解決しようと考えてみる。

 身の回りに目を向け、関心を持ち、隣にある問題を解決しようとする意識と行動が、社会を変える、あるいは世界を変える力につながっていくはずです。

 目の前の問題を解決しようとする。すると何かが変わります。周りが変わり、自分も変わるという経験や自信が、大学受験の先にある将来に向けたモチベーションにつながるのだと思います。

 時間を有意義に使うことができる貴重な夏休みです。明日からの38日間を、毎日ルーティンの繰り返しだけで終わらせてしまってはもったいない。いろいろことに関心を持ち、視野を広げ、思考を深めましょう。何か、自分が食いつきたくなるようなことに出会えることを期待しています。 

 最後にひとつ。皆さんの充実した今、そして、未来を守るために、自転車乗車中のヘルメットをぜひ着用するようお願いします。

 どんなに気を付けていても、事故に遭うリスクがあります。例年多くの高校生が、自転車事故により、命を落としたり、頭に大きなけがを負って、後遺障害に苦しんだりしています。一瞬の出来事で、人生が大きく変わってしまう可能性があるということを、どのように受け止めるか、「想像力」がポイントです。

 事故に遭ってから後悔したのでは遅いのです。皆さんには後悔してほしくありません。自転車ヘルメットに限らず、自分の未来を守るためにできることは、可能な限り何でもするという意識を持ってほしいと願っています。 

 それでは、充実した夏休みを過ごし、心身ともにひと回り成長して、8月27日、元気に会いましょう。

「失敗したっていい。大切なのはその次だ」

凛とした姿の新入生。皆さんの入学を頼もしく感じます。

大高での3年間は、将来に向けた自分探しのとき。

何かに挑戦し、打ち込み、やり抜いてほしいと願っています。

失敗したっていい。「挫折は挑戦の証」ですよね。

 

 式辞

 桜が咲き、若い命が躍動する春がめぐってまいりました。この春のよき日に、本校PTA会長 木太拓志様、後援会会長 玉川信様、同総会会長 笠原清和様、並びに新入生の保護者の皆様方のご臨席を賜り、かくも盛大に令和6年度埼玉県立大宮高等学校入学式を挙行できますことは、本校関係者一同大きな慶びでございます。ご臨席をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可いたしました362名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 また、保護者の皆様方におかれましても、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお喜びを申し上げます。

 本校は、創立98年目を迎えた、長い歴史と伝統を誇る高校です。皆さんは、その本校入学に向け、ひとつの大きな目標を達成するための努力を積み重ねてきました。そして、今日、見事にその目標を達成し、この場に立っています。皆さんには、決して容易くはない大きなことを成し遂げたという自信を手にするとともに、将来への限りない可能性を感じて欲しいと思います。

 皆さんがいるこの場はゴールではなく、将来に向けたスタート地点です。ゴールはもっと先にあります。皆さんはこれから次の目標に向かってさらに前進していきます。今日から始まる高校生活は、皆さんが将来に向けた「志」を持つための様々な経験を積む場です。これまでの経験に加え、「大高生」としての経験一つ一つを大切にし、何かを感じ、何かを考え、自分のなすべきこと、自分が目指す道を見出してほしいと願っています。

 皆さんは、バッグやアパレルの開発・生産・販売をする「マザーハウス」という会社を経営する山口絵理子さんという方を知っているでしょうか。

 この方はさいたま市立宮原中学校出身、高校時代は同じ市内の大宮工業高校で学んだ方です。

 山口さんは、小学校時代、人間関係などでつらい経験をしたそうです。中学時代、柔道を始めましたが、少しグレていた時期もあったとのことです。しかし、中学卒業を機に、もう一度自分をリセットして本来の自分になりたいと、柔道の強豪校である大宮工業高校に進学し、男子柔道部に唯一の女子部員として入部しました。

 当時の顧問に話を聞くと、中学校の大会を観に行った際に、大宮工業の柔道部に入りたいと本人から申し出があったのですが、女子部員がいないことから一度は断ったそうです。しかし、山口さんの強い意志と熱意を受け、初めての女子柔道部員が誕生することとなります。

 山口さんは本当に負けず嫌いで、1年目は「悔しい、悔しい」と毎日のように泣いていたそうですが、人一倍練習に打ち込み、全日本ジュニアオリンピックで7位になるというところまで上り詰めました。

 柔道をやりきった山口さんは、そこで目標を切り替え、慶応義塾大学に進学。そこで途上国開発のテーマに出会います。大学4年生の時に、アメリカの米州開発銀行にインターンシップ留学し、貧困問題を学び、バングラデシュに興味を持った山口さんは、現実の問題を解決するためには現地を知ることが重要であると考え、実際にバングラデシュを訪れます。

 バングラデシュの貧困の現状やはびこる汚職などを目の当たりにした山口さんは、現地の大学院で学びます。そして、「この地に希望の光を灯したい」との思いから、バングラデシュの原料と現地の人の力で作り上げた製品を世界で販売して社会を変えようと決意し、「発展途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げた会社を設立したのです。

 はじめは、現地の人々の理解をえられず、多くの壁にぶつかったといいます、しかし、決して諦めることなく志を貫き、事業を継続してきた結果、今では、日本国内に42店舗、海外に7店舗を構える企業へと成長し、バングラデシュをはじめ、ネパールやスリランカなどの途上国に製造拠点を展開し、現地の人々の雇用を生み出し、生活を支えています。

 一人の女性の志が、社会を変え、多くの人々を笑顔にしているのです。

 先ほど私は、皆さんにとって、今日が将来に向けたスタートであるということを申し上げました。この「将来」について、皆さんに求めたいことがあります。

 それは、「自分の将来」を「社会の未来」に関連付けて欲しいということです。本校は目指す学校像に「高い志と強い使命感を持った未来を創るトップリーダーを育てる学校」を掲げています。つまり、私たちは、皆さんの進路実現の先に、日本そして世界の未来を創るという壮大なビジョンを掲げているのです。まさにこれが本校が目指すゴールです。

 私たち教職員は、日々の授業はもちろん、学校行事や部活動を含めたあらゆる教育活動が、社会の未来に繋がっているという思いで、皆さんとともに前進していきます。

 皆さん、ぜひ大宮高校での3年間で、何かに挑戦し、打ち込み、やり抜いてほしいと思います。その情熱とエネルギーが、皆さんの将来、社会の未来を創り上げていくと信じています。

 最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、重ねて入学のお喜びを申し上げます。この15年間、様々なご苦労があったかと存じます。心から敬意を表したいと存じます。 

 本日、大切なお子様方を確かにお預かりいたしました。責任をもって、お子様方の力をしっかりと伸ばしてまいります。

 入学にあたり、ひとつ保護者の皆様にお願いがございます。それは、ぜひ、お子様に、転んだ時の立ち上がり方を学ばせてあげて欲しいということです。私も一人の親として、つい、転ばないコツ、転ばない道の選び方を伝えたくなります。確かに転ばないことも大切ですが、それ以上に大切なのは転んだ時の立ち上がり方です。

 私たちは転ぶ経験を通して立ち上がり方を学びます。生徒にとっては成功と同様に失敗も貴重な経験であり、大きな財産です。高校時代は、生徒一人一人が、自分の人生を自分の力でつかみとっていく大切な時期でもあります。お子様の成長を後ろから暖かく見守っていただき、力強く支えていただければと存じます。

 私たち教職員は、大宮高校の教育に誇りをもって全力で取り組んでおります。ぜひ、家庭と学校との風通しを良くしながら、お子様の成長に向け、ともに取り組んでいきたいと思いますので、何卒、御支援御協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、3年後の卒業式の際、ここにいる新入生が心身ともに大きく成長し、すべての生徒・保護者の皆様が「大宮高校で本当によかった」と思えることを心から願い、式辞といたします。                 

 

 令和6年4月8日     

 埼玉県立大宮高等学校 校長  松中 直司

「何気ない一つの行動が、みんなを幸せにする」

平成6年度前期の始業式。

大宮高校の新たな1年がスタートしました。

私も「チーム大宮」の一員として、皆さんとともに前進していきます。

よろしくお願いします。

未来を創るトップリーダーに欠かすことのできない「公共心」。

みんなの幸せ、全体の幸せに自分がどう貢献できるか、考えてみましょう。

 

令和6年度 前期始業式

 

 皆さん、おはようございます。

 この4月1日、前任の鎌田校長先生の後任として着任した松中と申します。まもなく100周年を迎えようとする長い歴史と伝統のある大宮高校に着任したことを大変光栄に感じるとともに、身の引き締まる思いです。

 鎌田前校長先生は、大宮高校について、本当に嬉しそうに、自慢の生徒たち、誇れる先生たちのことを話してくれました。私は、その話を聞いて、大高のすばらしさを知り、今、とてもワクワクしています。

 皆さんはすでに大高生として二年、あるいは一年過ごしていて、私から見ると大高の先輩になります。私自身がまずはしっかりと、この「チーム大宮」の一員として、皆さんの仲間入りができるよう、この大宮高校を、皆さんを、知ろうと思います。

 日々の学習や部活動・行事などにおいて、皆さんがどんな振る舞いをしているのか、本当に楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。

 さて、新たな年度の始まりにあたり、「公共心」について、話したいと思います。

  皆さんは、大高の目指す学校像を知っていますでしょうか?

 大高は「高い志と強い使命感を持った未来を創るトップリーダーを育てる学校」を掲げています。 本校で学んだ卒業生たちが、この先の社会をリードし、あるいは支え、未来を創る主体となってくれることを目指しています。

 私は、社会の一員として、主体となって社会を動かす人材を育てる基盤にあるのは、「公共心を持つこと」こと、「公共心について考える」ことであると考えています。

 では、公共とは何でしょうか。公共とはプライベートに対してのパブリック。「個」に対しての「みんな」あるいは「社会全体」ということです。「公共心を持つ」ということは、みんなの幸せ、全体の幸せを考えるということだと思います。

 社会の未来を創ることは、みんなの幸せ、全体の幸せを考えることにほかなりません。私は未来を創るリーダーを育てるこの大宮高校の校長として、皆さんに「公共」を意識し、考え、「公共心」を持ってほしいと願っています。

 例えば、ゴミを捨てない、ゴミが落ちていたら素通りしない、自分優先ではなく、相手を優先する。学校の中には、ちょっとした公共心によって、みんなの幸せ、学校の幸せにつながることがたくさんあります。

 学校の外でも同じです。登下校中の交通マナー、電車の中での言動、他校を訪れた時の振る舞いなど、様々な場面において、他者の立場、全体の立場から見ることができるかが大切です。

 是非、「公共心」について考えてください。みんなの幸せ、全体の幸せに自分がどう貢献するかを考えてください。将来皆さんが、社会の第一線で活躍する上での大切な「トレーニング」になると思います。

 皆さんが、さりげなく「After you.」と言える素敵な大人になってくれることを願っています。

 お互い、今年1年間を充実させましょう。

令和5年度後期終業式

 本日、1,2学年が体育館に集い、令和5年度後期終業式、表彰式、壮行会、グローバルリーダー育成プロジェクト報告会がありました。年度末休業中も各部活動等で大高生は活動を続けます。明日から全国大会に向かう部活動もあります。しかしながら、本日で本年度の学校全体での行事を無事終了することができました。令和5年度は、コロナ禍の影響も少なくなり、予定した教育活動も実施することができました。生徒の皆様、教職員の皆様、PTA後援会等の関係者の皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。終業式の校長挨拶を掲載いたします。 

校長挨拶 

 皆さん、おはようございます。昨日までのスポーツ大会お疲れさまです。こうして一つ一つの行事が終了し、今日は令和5年度を締めくくる終業式を迎えました。皆さんにとって、令和5年度の大高生活はいかがでしたか?1年生は、大高生となって早1年が過ぎようとしています。来月には後輩たちが入学してきます。よき先輩として、新入生に自分たちの経験を話してください。2年生は、間もなく最上級生になります。部活動や行事で下級生たちを引っ張ると同時に、自分自身の夢の実現に向けて、大学受験にもしっかり取り組んでください。

 先週卒業式がありました。1年生は式に参加できなかったので、元生徒会長の守岡さんの答辞の一部を伝えます。「大宮高校で苦楽を分かち合った私たちは、これからも苦難に負けず、仲間を信じて理想へと進むことができます。私たちの歩んだ道が後進の希望となるよう、誇りをもって踏み出します。在校生の皆さん。皆さんもまた努力する逸材です。自分を信じて前向きに進んでいってください。そして困ったときは周りに目を向けてみてください。きっと、皆さんを愛する人々がそばにいます。人と繋がり、これからの大宮高校を担ってください。」このような素敵な答辞でした。さあ、皆さんはバトンを渡されました。皆さんのこれからの活躍を楽しみにしています。

 私からは、皆さんに質問があります。「チーム大宮」という言葉をよく言います。この「チーム」と似ている言葉に「グループ」という言葉があります。「チーム」と「グループ」、この二つの言葉の意味の違いは何でしょうか?言葉の持つ印象の違いで結構です。近くの生徒と90秒間話してみてください。 

 (すぐに意見交換が始まり、意見を発表してほしいと伝えると数人の生徒の手が挙がった。発表してくれた3人の生徒の意見の概要は、「チーム」は、自らの意志で参加し、仲間意識をもって共通の目標を目指す。一方「グループ」は、共通項があるだけの、ただ分類された集団であるという内容であった。) 

 例えば、「チームワーク」という言葉と「グループワーク」という言葉比べると、その意味の違いがはっきりします。「チームワーク」というと、チームのそれぞれが役割を担い、状況に応じて誰もが入れ替わり立ち代わりリーダーシップをとり、他の人の心情を察して叱咤激励をしながら、チーム全員で目標に向かっていくという意味になります。ところが、「グループワーク」というと、ある集団で行う活動という意味になります。「チーム」という言葉には、心や魂が込められている気がしてきますね。

 元世界銀行副総裁の西水美恵子氏は、著書「あなたの中のリーダーへ」(英治出版)の中でグループとチームの違いをこう述べています。

 ●グループは強いリーダーに率いられる。

 〇チームは状況に応じてリーダーシップを分かち合う。

 ●グループは個人が責任を負う。

 〇チームは、誰の間違いでも、全員が共同責任を快く負う。

 ●グループの目標は、指令されるか、所属する組織の目標と同じ。

 〇チームの目標は、チームが自発的に設定し、行動に移す。

 ●グループは各々個人が成果を収める。

 〇チームは個人別の成果に執着せず、全員が共同成果を収める。

 ●グループは能率的に会議を進行する。

 〇チームは、幅の広い開放的な議論と、活発に問題を解決する会議を促す。

 ●グループは、外部への影響力を介して、間接的に業績を見る。

 〇チームは、共同成果を直接評価して、業績を見る。

 ●グループは、議論をし、結論は出しても、実行は委任する。

 〇チームは、議論をし、結論を出して、自ら実行に力を合わせる。

 ●グループは礼儀正しい議論を好む。

 〇チームは率直で正直な会話を好む。

 ●グループはただ黙々と働く。

 〇チームは仕事を楽しみ、笑いが途絶えない。

 ●グループは必要だから集まる。

 〇チームは仲間との集いを待ち遠しく思う。 

 長期休業あけ、新しい年度の始まりが待ち遠しいですね。「チーム大宮」のど真ん中にいる大高生の皆さん、夢を見つけて、その実現に向けての計画を練って、一歩一歩行動に移してください。そして、くじけそうになった時こそ、笑顔を忘れないでください。Dream, Plan, Action and Smile

第74回卒業証書授与式

令和6年3月14日(木)、天候にも恵まれ、第74回卒業証書授与式を厳かに挙行することができました。当日の朝、業務さんに言われました。「昨日の卒業式予行の後、3年生が下足箱を丁寧に掃除をしていたんです。隅々まできれいに拭き掃除をしていました。」これが大高生だと嬉しくなりました。とても寂しいですが、卒業生の前途を祝福し、式辞を掲載いたします。

 

校長式辞                          

 三寒四温を繰り返しながら、気が付けば木々の芽がふくらみ、春の訪れが感じられるようになりました。今日この佳き日に、PTA会長、後援会会長、同窓会会長のご臨席を賜り、保護者やご家族の皆様方とともに「埼玉県立大宮高等学第74回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。皆様、誠にありがとうございます。

 ただ今、卒業証書を授与しました351名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんの3年間にわたる努力と成長に心から敬意を表します。 

 皆さんは、3年前、コロナ禍の県立高校入試を突破し大高生となりました。当時はまだ学校行事や部活動が制限され、宿泊行事や部活動の大会が中止になるなど、辛い思いをした人も多かったでしょう。2年生になってからは、行事や部活動の制限も徐々に緩和され、文化祭や体育祭も実施できるようになりました。しかし、文化祭直前で学級閉鎖になり、感染を拡大させないために登校を禁じられ涙をのんだクラスもありました。準備の途中になったままの教室を思い出します。秋には、沖縄への修学旅行も実施できました。中学時代に経験できなかった修学旅行を大高の仲間と経験できた人というも多く、いつまでも語り合えるよき思い出となったことでしょう。3年生になってからは、部活動の大会や学校行事もコロナ前に戻り、ドイツ姉妹校への派遣も実施できました。皆さんは、最上級生として行事を盛り上げ、部活動では立派な成果をおさめました。体育祭で全団の団長と一緒に選手宣誓ができるとは、、、私にも素敵な思い出ができました。 

 私は、皆さんの授業をよく覗きにいきました。教室の前から、皆さんの真剣な眼差しを見るのが好きでした。教室の緊張感と時折起こる生徒の笑い声も好きでした。生徒同士での活発な話し合いも、聞いていて楽しいものでした。よき仲間、生涯の友ができましたね。ずっと大切にしてください。 

 コロナに翻弄された大高生活でしたが、皆さんはその時々の状況を真摯に受け入れ、今自分たちが置かれている環境の中で最善を尽くしました。これが、大高生のすごいところです。この「現況の中で最善を尽くすこと」はとても大きな力になります。少々不本意ながらも、このままでは十分でないと思いながらも、自分が置かれている環境の中で、努力していると次の扉が必ず見えてきます。これが本当にやりたいことなのかと迷いながら、もがきながらでも、自分ができることに真摯に取り組んでいる人には、別の道が必ず現れます。次の扉を開けたり、別の道に進んだりしても、これまで真摯に向き合い努力してきたことは絶対無駄にはなりません。むしろ、その経験が次に生きてきます。これから、今よりも広く新しい世界に進む皆さん、自分が置かれた環境の中で、楽しみながら最善を尽くしてください。心が折れそうになったら、もっと強くなろうなどと無理をする必要はありません。そんな時は、大高の仲間を頼ってください。 

 大学等に進学し、新しいスタートラインに着く皆さん、皆さんが活躍するフィールドは世界です。世界の同じ世代の人たちがどのような考えを持ってどのような活躍をしているのか、注目してください。高校時代が夢の土台作りの前期だとすれば、大学時代は、夢の土台作りの後期です。土台は広ければ広いほどその上に高いものがそびえます。まずは多くの人に出会ってください。自分と異なる価値観に出会ったら、そむけずにまずは関心を持ってください。価値観が多様に存在する中で全ての人が幸せで持続可能な生活を営むことができる社会を創ることはとても難しいことです。しかし、これが皆さんに求められている命題です。様々な分野で未来を創るトップリーダーとなるための、広い土台をつくってください。 

 来年、もう一度チャレンジする皆さんに、42年前に浪人生活を経験した者として私事をお話しします。私の予備校での最初の英語の講義でした。その先生は、小柄でぽっちゃりした男性で、教室に入ってくると生徒たちから笑い声がおこりました。するとその先生はこう言ったのです。「何がおかしい。大学生は学生だ。就職した人は社会人だ。お前たちは学生でも社会人でもない。何者だ。宇宙人か。宇宙人なら合格するまで上向いて歩くな。」強烈でした。私はなぜかその先生に惹かれ、英語が好きになり、英語教師となりました。今の自分があるのは、浪人したあの1年があるからです。浪人というのは、1つの目標だけを目指すことが許されるいわば贅沢な1年です。家族や周囲の人たちに感謝の気持ちを忘れずに全力で挑戦してください。過去の事実は変えることはできませんが、過去に起こった出来事の意味は変えることができます。朗報を待っています。 

 保護者・ご家族の皆様、お子様のご卒業、心からお祝いを申し上げます。コロナの状況が変化していく中で、感染拡大防止と教育活動の継続をどうのように両立していくか、私たちは常に悩みました。後になってみれば、こうした方がよかったという反省もあります。その中で、保護者の皆様のご理解とご協力を得ながら、お子様の成長を共に伴走できたことは、私たち教職員にとって心強い支えとなりました。PTA行事も再開していただき、「チーム大宮」の素晴らしさを改めて感じました。深く感謝の意を表します。ありがとうございました。 

 結びになりますが、卒業生の皆さん、私は、皆さんの真摯に取り組む姿に感動し、皆さんと目と目を合わせての挨拶や笑顔、そして何気ない会話で、いつも元気を頂きました。ありがとう。これからも、誰かに何かを与えられる人であり続けてください。皆さんのこれからの活躍を心から願っています。Dream, Plan, Action and Smile 

                           令和6年3月14日

                               埼玉県立大宮高等学校長   鎌田 勝之

令和5年度 前期全校集会 校長挨拶

  皆さん、おはようございます。先日のスポーツ大会では、皆さんの元気な雄姿を観ることができました。勝ち負けや上手下手ではなく、一生懸命全力でプレーする姿は美しいものでした。クラスメイトを懸命に応援する姿も美しかった。バスケットボールが相手の顔面にあたってしまい、すぐに駆け寄って「大丈夫、ごめん。」と声をかける姿も美しかった。また、「大丈夫、気にしないで。」と返す姿も美しかった。授業中に学び合う姿や部活動で頑張る姿もそうですが、お互いに尊重し合い高め合い、共に喜び楽しむ「チーム大宮」の姿をみることができました。怪我をしてしまった生徒もいましたが、早期の回復を願っています。

 さて、スポーツ大会初日の7月18日(火)12時45分頃、私を訪ねて来校したお客様がいらっしゃいました。白髪の紳士です。その方が正門を入ると、下校する3人の女子生徒に会ったそうです。目が合うと、「こんにちは」と明るく挨拶をしてくれました。「お帰りですか。」と返すと、「はい、帰って勉強します。」とにこやかに応えてくれたそうです。その応対が実に爽やかで、気持ちよく、とても嬉しかったそうです。素晴らしい生徒たちだから是非とも褒めてくださいと仰いました。心当たりの生徒は、是非校長室にお越しください。その白髪の紳士の写真が飾られていますから。その方は、本校の元校長先生です。来校者への生徒の振舞い方で、大宮高校の真の成長を感じたとも仰っていました。そういえば、昨夜の報道ステーションで放映された「騙されない為の教科書」についてインタビューに答えていた3年生も素敵な笑顔で立派に応えていましたね。

 一方で、県民の方から大高生への苦情が入ることがあります。登下校時に広がって道をふさいでいる。電車の中で周囲を気にせずに大声で話をして迷惑だ。そのような苦情です。集団で行動すると、気持ちが大きくなり、責任感や罪悪感が薄れてしまうことがあります。まさに、Everybody's business is nobody's business.です。友人たちと集団で下校する時、ついつい広がって話しながらゆっくり歩いてしまうこともあるでしょう。前からベビーカーを押して歩いている人が来る。高齢の方が歩いている。そんな時は、「みんな片側に寄って!」などと誰かが一声かけられる。後ろから自転車が追い越しづらそうにしている時、「すみません」と誰かが声をかけて皆で端に寄り道を譲る。こんな大高生であってほしいと願います。そんな一声がかけられること、これは未来を創るトップリーダーに大切な資質の一つです。

 さあ、夏休みが始まります。講習、部活動、文化祭準備があって夏休みだって忙しいと思っている1,2年生、腹をくくって本格的に大学受験に臨む3年生、皆さんそれぞれに有意義な夏休みにしてほしいのはもちろんですが、夏休みには、是非、自分のこれからの人生を考える時間をもってほしいと思います。10年後、5年後、1年後の自分の姿を真剣に考える時間をつくってほしい。本校の進路指導部が作成している「進路資料」の挨拶にも書いているのですが、自分の進路を考える時、「これからの人生どのように生きてみたいか?」この問いを繰り返し考えることが大切です。「どんな未来を創りたいか?」、「何をしている時が幸せなのか?」、「自分の長所は?」、「どんな職業があって、どんな職業がないのか?」、「どんな職業が楽しそうか?」こんなことを真剣に、繰り返し自問自答してください。正解はありません。その時真剣に考えた選択がその時の答えです。まずは、その時の答えに進んでくことが大切です。進んでいくとまた悩みます。そして迷い選択をしていく。人生はその繰り返しです。正解がないから、マルチエンディングだから人生は面白いとも言えるでしょう。そのどんな人生を生きたいかの手段として、大学進学があるのです。今年の夏は、自分の人生を考える夏にしてください。

 私も、大学4年の時に迷いました。教員志望で大学に入りましたが、他にも自分の可能性はあるのではないだろうかと考えて、映画配給会社や広告会社を受けました。全て落とされましたが。そんな迷いの中、ある講演会に行きました。編集者で作家の嵐山光三郎氏の講演でした。嵐山氏のある言葉に救われました。「自分のやりたいことがわかったら人生の半分は終わりです。」そうか、迷うのは当たり前のことなんだと思うことができました。

 今は、先行き不透明で、将来の予測が困難なVUCAの時代と言われています。しかしながら、元々、人生は先行き不透明で予測が困難なのです。だからこそ、今できることに大切にして自分のエネルギーをさらに大きくしていきましょう。大高生の皆さんは全員大きな可能性を秘めた素晴らしい人財です。自信をもって自分の人生を考えてください。

  Dream, Plan, Action and Smile !

令和5年度始業式 校長挨拶 

 皆さん、おはようございます。令和5年度が始まりました。3年生は大高生活を締めくくる1年です。大高生として充実した日々を楽しく過ごしましょう。2年生の皆さん、今日の午後には皆さんの後輩が入学します。先輩として温かく迎えてください。

  さて、今、マスクを外して皆さんと対面しながら話ができることをとても嬉しく感じています。オンラインにはオンラインのよさがありますが、こうして直接皆さんを見ながら話をすると、自分の言葉がしっかり届くような気がしてきます。今年度から学校生活でもマスク着用を求めないことが基本となりました。着用しなくてもよし、着用してもよし、一人一人の考えを尊重するということです。私も、場面に応じてマスクを着けたり外したりするでしょう。皆さん、着けた方がよいか外した方がよいか過度に悩むことはありません。他の人が着けているかどうか気にする必要もありません。この3年間、常にマスクを着用していたので、マスクを外すのが恥ずかしいと思う人もいるでしょう。当然のことです。マスクが嫌いで花粉症でもマスクを着けなかった私でさえ、ちょっと照れくさいのですから。昨年の夏休みに私が皆さんに出した宿題を覚えていますか。そうです。スマイルです。一日一回は自分で笑顔になりましょうという宿題です。笑顔をつくると気持ちが前向きになるだけではなく、他の人も幸せにするのです。私は、皆さんから笑顔で挨拶されるととても嬉しくなります。皆さんの笑顔は人を幸せにする力をもっています。そのことは忘れないでください。 

 もう一つ話をします。昨年度1年間、私は皆さん大高生活をみてきました。真剣に授業を聴く姿、隣の生徒との活発に話し合う姿、見事なプレゼンテーションをする姿、部活動で頑張る姿、仲間と協働し学校行事に取り組む姿。皆さんは、誠実で、真摯に物事に向き合い、努力を惜しまない生徒だということがよくわかりました。でも、皆さんにはまだまだ伸びしろがあります。ここで、敢えて皆さんに言いたいことがあります。「皆さん、失敗をしましょう。」これは、わざと失敗しろと言っているのはありません。「失敗してもいいから挑戦してください。」ということです。私は、教員時代はずっとテニス部の顧問でしたが、強くなる選手には共通点がありました。負けて悔しい思いをした後に伸びる部員でした。恋愛でもそうです。失恋した後にその人がどのような行動をとるかで、その人の人間の大きさがわかるというのが私の持論です。誰しも苦い経験をして成長していくのです。勉強も受験も同じです。何校も大学受験に失敗し、最後の最後に国立大学後期試験で合格をする人もいるのです。そのような経験をした人は、合格以上に大切なものを掴んだかもしれません。太陽の塔で有名な、芸術家で哲学者であった岡本太郎氏は「私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた。」と言葉を残しています。困難なほうの道に自分が行きたいならば挑戦する価値があるのです。挑戦したから失敗があるのです。失敗したら挑戦した自分を褒めてください。そして失敗から学び成長しましょう。皆さん、挑戦することに大きな価値があることを覚えていてください。

  さあ、令和5年度を皆さんと一緒に過ごせることをとても楽しみにしています。

 Dream, Plan, Action and Smile

令和5年度第76回入学式 校長式辞

令和5年度の大宮高校が始動しました。部活動の生徒たちが自分たちの部活紹介の看板を持ち声をかけ、吹奏楽部の演奏で生徒を迎え、音楽部が校歌を披露しました。コロナ前の様子がやっと戻ってきたと感じました。式後ホームルームを終えた新入生と保護者の皆さんが、長い列をつくり、次々と正門前のヒラヤマスギに掲げた入学式のボードと記念の写真を撮っていました。皆さんがこの日を待ち望んでいたのだと感じました。

 

令和五年度 埼玉県立大宮高等学校 入学式 式辞

 正門の桜の木も桜色から緑色となり、まさに若葉の季節となりました。これから色濃くなっていく柔らかな緑色をした若葉と本日大高生となった皆さんの姿とが重なります。本日ここに保護者の皆様と共に、令和5年度 埼玉県立大宮高等学校 第76回入学式を挙行できますことは、私たち教職員と在校生にとりまして誠に大きな喜びであります。

ただ今、入学を許可いたしました359名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎いたします。 

 皆さんは、新型コロナウイルス感染拡大が長期にわたる中で、中学3年間を過ごしました。臨時休校から始まり、学校行事や部活動が次々に中止や延期になりました。どこにも当たれない憤りをおぼえたり、もっと青春を謳歌したいと思ったり、自分の感情を抑えることが難しいこともあったと察します。その中で、皆さんは本校の入学者選抜を突破しました。これは、皆さん一人ひとりの努力の賜物です。よく頑張りました。同時に、皆さんの努力は、保護者をはじめとする御家族や、指導していただいた先生方など、多くの人たちの支えや励ましがあって成しえたことでもあります。そんな気持ちを改めて心に刻み、感謝の心を持って、大宮高校での生活を踏み出してください。

  さて、私たちは、今、「答えのない時代」を生きています。グローバル化の進展、目まぐるしい通信技術の進化、生産年齢人口の減少,など,社会構造は大きく,急速に変化しています。また、ウクライナでの戦争は未だ継続し、電力も物価も高騰し、平和で豊かな生活が続くという確信も持ちにくくなっています。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックにより日常生活は大きく変わりました。未来がどうなるのか予測することが困難な時代を生きています。

  こんな時代にだからこそ、私は皆さんに大きな夢や理想を頂いてほしいと強く願います。どんな未来を創りたいか、どんな社会を築いていきたいか、自分はどんな分野で社会に貢献したいのか、真剣に真剣に考えていただきたいのです。なぜなら、皆さんは、様々な分野で未来を創るトップリーダーとなる人材であり、そのために大宮高校の教育があるからです。 

 高校時代というのは、夢や希望を実現するための広い土台をつくる時だと思います。「未知なこと」「予測不能なこと」は日常的に起こります。一つの出来事が複雑に影響し合って事態が思わぬ方向に進むこともあります。将来、このような時代に対応できる力を持つようになるには、今、広い土台をつくることが必要です。皆さんには広い土台をつくって、将来、その上に専門性を高めていってほしいと願います。この土台作りの基本は、全ての授業を大切にすることです。保健や家庭など大学受験科目にない授業も含めて全ての授業を大切にしてください。また、大宮高校の授業には、生徒同士の話し合いの場面がたくさんあります。是非、自分の考えを多くの生徒と話し合ってください。各教科の学び合いで、広い土台をつくり、「自分の頭で考えて自分の考えを持てる力」を身につけてください。先生と生徒が共に学び、生徒同士が学び合えることが大宮高校の最大の教育力です。 

 部活動や学校行事も、皆さんの広い土台づくりにはとても重要です。是非とも、自ら主体的に参加して自主自律の精神を養ってください。また、何をしている時が自分は楽しいのかをよく分析して、是非、得意な分野をつくってください。同時に、苦手なこともどうすれば楽しくできるか考えてチャレンジし、多くの仲間と一緒に、楽ではないけど楽しい大高生活を過ごしてください。一緒に苦楽を共にした大高の仲間は、必ず生涯の財産になります。

 皆さんに、私が好きな言葉を贈ります。

「Dream, Plan, Action」

まずは、夢を持ってください。夢を見つけてください。そして、夢を実現するためには何が必要か、どんなことをすればよいか計画してください。計画したら、立ち止まらず、何でもいいからできることから行動してください。その一歩が、次の新たな一歩を生み出します。 

  最後に私から皆さんへの宿題です。一日に1回自分の笑顔を鏡で見てください。笑顔をつくると気持ちが前向きになります。私は、生徒から笑顔で挨拶をされるととても幸せな気持ちになります。皆さんの笑顔は、自分も人も幸せにする力があるのです。笑顔を大切にすること忘れないで、大高生活を過ごしてください。

「Dream, Plan, Action and Smile」

  ここで、保護者の皆様に申し上げます。皆様の大切な宝物をお預かりいたします。教職員一同全力で支えていきます。家庭と学校は、いわば車の両輪です。「子供の成長をともに喜びあう関係」を築くことができたらうれしい限りです。本校への御理解と御協力をお願い申し上げます。 

 結びになりますが、3年後、大きく成長した新入生の皆さんを保護者の皆様と祝福する日を祈念いたしまして、式辞といたします。

 令和5年4月7日 

                                    埼玉県立大宮高等学校長 鎌田 勝之

令和4年度 終業式挨拶(3/24)

 皆さん、おはようございます。令和4年度を締めくくる終業式に二つのことをお話しします。

  一つ目は、現在本校に来校中のドイツの姉妹校、ルドヴィッヒ・ライヒハート高校との姉妹校交流の歴史です。1995年、埼玉県はドイツのブランデンブルグ州と友好関係を結びました。同年、ブランデンブルグ州コトブス市にあるルドヴィッヒ・ライヒハート高校の校長が大宮高校を訪れました。その校長先生は、日本語や日本文化を学ぶことを授業に取り入れたいと考えていて、大宮高校との交流を希望しました。翌年の1996年に、大宮高校の当時の校長(第16代松井校長)がライヒハート高校を訪問し姉妹校の調印式が行われました。姉妹校提携に関する協定書にはこう書かれています。「Ludwig-Leichhardt-Gymnasium, Cottbus, Germany, and Saitama Prefectural Omiya High School, Japan, hereby proclaim the linking of the two schools in a sister relationship. Through the sister relationship, both schools pledge to cooperate in various exchanges and strive to deepen the mutual understanding and trust of each other so that lasting friendly relations will evolve in the years ahead.(埼玉県立大宮高等学校とLudwig-Leihhardt-Gymnasiumは、ここに姉妹校提携を結ぶことを宣言する。この提携により、両校はさまざまな交流を通じて協力し合い、相互の理解と信頼を深め、将来にわたって友好親善関係を発展させるため努力することを誓う)」

 1996年の姉妹校提携以来、これまで両校のそれぞれ約300名の生徒が短期や長期の留学を経験しています。今回、3年ぶりに直接の交流を再開し、14名の生徒が来校してくれたことに大きな喜びを感じています。皆さんのような若い時期に多くの人と出会い、多くの価値観や考え方に触れることはとても重要です。多様な物の見方や考え方に触れると、自分の物の見方や考え方が見えてきます。これが重要なのです。ましてや、言葉も文化も異なる海外の人と話をしたり、意見を交わしたりすると、皆さんの世界はとても広がり、同時に自分自身を見つめることができます。ことはとても素敵なことなのです。皆さん、是非姉妹校の生徒たちと話をしてみてください。

 先ほど1995年にライヒハート高校の校長先生が大宮高校を訪れたと言いましたが、その校長先生は、今、ドイツ生徒を引率しているヴェゲナー校長先生です。姉妹校調印をしてから27年が経ちます。27年間、大宮高校との国際交流を大切に育てていただいているのがヴェゲナー校長先生だということも覚えていてください。

 

 二つ目は、先週16日に行われた卒業式の話です。式に臨む卒業生たちの姿はとても立派でした。皆さんを代表して出席した現生徒会長の送辞にも感動しました。その送辞に応えた前生徒会長の答辞の中に、皆さんへのメッセージがありましたので、ここで皆さんにお伝えします。

 「在校生の皆さん。今ここで皆さんにこの答辞を直接届けられないことが非常に残念です。ただ、私の思いが届くと信じて伝えます。この先、皆さんが何かと衝突し思い悩む時は必ず訪れます。そんな時に苦しむ必要はありません、それでも決して諦めないでください。自分のしてきた事が正しかったのか分からなくなり、自分の進むべき道が分からなくなっても、何度でも何度でも立ち上がってください。不安に悩む時も、自分の事だとしっかり受け止めて行動してください。諦めずに立ち向かっていれば、きっと新たな突破口が見つかります。なぜなら、大宮高校では、高め合う人と人との架け橋がいつでも皆を繋いで導いてくれるからです。どうか繋がりを大切にしてください。皆さん一人一人がこの学校のリーダーです。自分はどうなりたいのかを自ら追い求め、あなただけの特別な高校生活を、仲間たちと高め合って、創り上げてください。これからの大宮高校を頼みます。」

 皆さんは、卒業した先輩たちから大宮高校を託されました。皆さん一人一人がその自覚をもって、令和5年度を迎えてほしいと思います。 Dream   Plan   Action

第73回卒業証書授与式 式辞

校長式辞                                       

 木々の芽もふくらみ、春の訪れを感じる今日この佳き日に、保護者、ご家族の皆様方とともに「埼玉県立大宮高等学校第73回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない喜びでございます。ご臨席誠にありがとうございます。

 ただ今、卒業証書を授与しました350名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんの3年間にわたる努力と成長に心から敬意を表します。振り返れば、皆さんの大高生活は新型コロナウイルスと闘かった3年間でした。臨時休校に始まり、分散登校となり、体育祭、文化祭、修学旅行等々の学校行事、部活動の多くの大会も中止や延期となりました。溢れてくる不安や怒りの感情をどこにぶつけてよいかわからない日々も多くあったことでしょう。しかし、皆さん、自分を律し、自らの心をよく整えて見事に大高生活を送りました。本当に立派です。

 「No more 青春泥棒」をスローガンにかかげた大高祭。皆さんにとっては最初で最後の大高祭でした。クラス企画の準備をする皆さんの生き生きとした姿、それを嬉しそうに見守る先生方の笑顔、来場者に楽しんでいただくことを最優先に考えた皆さんのおもてなしの精神、全てとても素敵でした。私も学校行事の意義を改めて感じながら、大高祭を実施できる喜びに浸りました。グランドに打ちあがったフィナーレの花火は皆さんの心に焼き付いていることでしょう。この大高祭のようにコロナ禍の中で皆さんが築いた一つ一つが、後輩に引き継がれ、大宮高校の新たな伝統となっていきます。

 皆さんは、当たり前だと思っていた日常がどれほど大切なものだったかを痛いほど感じました。その分、大高での思い出は、皆さんの心に鮮明に刻まれているはずです。先生と一緒に真剣勝負を繰り広げる授業、意見を交わす仲間との話し合い、リモートで参加した授業、廊下にあるロッカーでの立ち勉強、仲間と切磋琢磨した部活動の練習や大会・初めての校外合宿、自ら挑戦した科学系オリンピック、等々、皆さんはいつも努力と挑戦を続け、誠実に、真摯に、勉強、部活動、学校行事に向き合ってきました。その姿を見て、私はこの1年間ですっかり皆さんのファンになりました。ファンですから、これからも叱咤激励し、応援を続けます。

 大学等に進学し、新しいスタートラインに着く皆さん、皆さんが活躍するフィールドは埼玉県ではありません。日本でもありません。世界です。世界各国の同じ世代の人たちがどのような考えを持って活躍をしているのか、是非注目してください。高校時代が皆さんの夢の土台作りの前期だとすれば、大学時代は、夢の土台作りの後期です。土台は広ければ広いほどその上に高いものがそびえます。まずは多くの人に出会ってください。自分と異なる価値観に出会ったら、そむけずにまずは関心を持ってください。価値観が多様に存在する中で全ての人が幸せで持続可能な生活を営むことができる社会を創ること、これはとても難しいことですが、これが皆さんに求められている命題だと思います。様々な分野で未来を創るトップリーダーとなるための、広い広い土台をつくってください。

 来年、もう一度スタートラインに着くためにチャレンジする皆さん、40年程前に浪人生活を経験した者として私事を一つお話しします。私の予備校での最初の英語の講義でした。その先生は、小柄でぽっちゃりした男性で、教室に入ってくると生徒たちからかすかに笑いがおきました。するとその先生はこう言ったのです。「何がおかしい。大学生は学生だ。就職した人は社会人だ。お前たちは学生でも社会人でもない。何者だ。宇宙人か。宇宙人なら合格するまで上向いて歩くな。」強烈でした。私はなぜかその先生に惹かれ、英語が好きになり、英語教師となりました。今の自分があるのは、浪人したあの1年があるからです。浪人というのは、1つの目標だけを目指すことが許されるいわば贅沢な1年です。家族や周囲の人たちに感謝の気持ちを忘れずに全力で挑戦してください。朗報を待っています。

 保護者の皆様、お子様のご卒業、心からお祝いを申し上げます。この3年間は感染拡大防止と教育活動の継続をどうのように両立していくか、私たちは常に悩みました。後になってみれば、こうした方がよかったという反省もあります。その中で、保護者の皆様のご理解とご協力を得ながら、お子様の成長を共に伴走できたことは、私たちに教職員にとって心強い支えとなりました。特に、今年度は、多くのPTA行事を再開していただきました。「前例踏襲ではなく、形が変わってもできることをやりましょう。」というPTA会長のお言葉のもと、多くの方々に協力を頂き、「チーム大宮」の素晴らしさを改めて感じました。深く感謝の意を表します。ありがとうございました。

 結びになりますが、卒業生の皆さん、私は、皆さんの真摯に取り組む姿に感動し、皆さんと交わす何気ない会話や挨拶で元気を頂きました。ありがとう。これからも、誰かに何かを与えられる人であり続けてください。そしてこの学び舎で共に過ごした仲間を生涯大切にしてください。皆さんのこれからの活躍を心から願っています。

 Dream   Plan   Action

 

                        令和5年3月16日 埼玉県立大宮高等学校長   鎌田 勝之

前期再開 全校集会 校長講話

夏季休業期間が終わり、令和4年8月29日(月)から前期を再開しました。リモートでの全校集会校長講話を掲載いたします。

 

皆さん、おはようございます。

 夏休みも終わり、前期が再開します。皆さん、長期の休みを有意義に過ごせましたか。夏休み中も、多くの生徒が登校し、部活動や講習に熱心に取り組んでいました。部活動では、この後、報告会や壮行会が予定されていますが、多くの部活動で素晴らしい成果の報告を受けています。よく頑張りました。

 一方で、新型コロナウイルス感染症や怪我等で、大会への参加ができなかった生徒もいます。本当に辛い日々を送ったと思います。辛い経験を乗り越えたとき、人は成長します。新たな気持ちで、前に進んでほしいと願います。

 1年生は、ひと夏を越して体力がついた実感はありますか。長時間の通学にも慣れ、学校から家に帰るとそのままバタンと寝てしまうことはもうないはずです。勉強、部活動、学校行事に積極的に取り組みましょう。2年生は、学校の中核です。部活動や学校行事にリーダーシップを発揮してください。3年生、今年の夏は集中して勉強に取り組むことができたでしょうか。家族の方とは進路について話をしていますか。受験シーズンになると思い出す話があるので紹介します。17年程前に新聞に掲載された中学3年生女子生徒の投稿です。『高校受験を控えて、母親が勉強のことを言ってくるのがうとましく感じて、あまり話をすることがなくなった。でも、お弁当をつくってくれたり、受験を応援してくれたりする母親に、心の中では感謝している。感謝の言葉をなかなか口にできないから、ありがとうの気持ちを込めて、毎朝、元気な声で「いってきます」と言って学校に行く。』このような内容の投稿でした。皆さん、元気な声で「いってきます」と家族に言って、登校しましょう。

 前期を再開するにあたり、皆さんへのお願いが2つあります。

 一つ目は、長期休業明けは、悩んだり、不安になりやすい時期です。悩み事や不安に感じることがあったら、一人で悩まずに、担任、部活動の顧問、教科担当の先生、誰でもよいですから、相談できる人に話してください。悩みのない人はいません。ドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラーの『友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする』という名言がありますが、まさしくその通りです。一人で抱え込まずに、まずは誰かに話してみてください。悩みや不安は、立ち止まっていると膨れてきます。何もしないでいると理由もなく大きくなっていくものです。心の持ちようも大切です。よい例ではないかもしれませんが、自宅の庭の草取りの話をします。猫の額ほどの庭に草が生えてくると、今週末草取りをしなきゃと思うわけです。週末になると、炎天下で、いいや来週にしようと思うわけです。サボっていると、やらなきゃと悩むわけです。自分はダメな人間だなんてことも思うようになります。ところがある日の朝、何の気なしに1本の草を抜くと、そのまま一気に草取りができてしまう。実に不思議です。不安で立ち止まっていると思ったら、できることからを始めてください。その第一歩は誰かに話すことかもしれません。

 二つ目は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。まず、発熱等の風邪症状がみられる場合や家庭内に体調不良者がいる場合は、休みましょう。また、教室や部活動や文化祭の活動場所の換気を徹底しましょう。窓を開け、換気扇、エアコン、サーキュレーターで空気の流れをつくり、室内に空気がとどまらないようにしましょう。食事や更衣などマスクを外す必要がある時は、会話をせず、細心の注意を払いましょう。文化祭や修学旅行等、これから予定されている学校行事が実施できるよう、生徒も教職員も感染防止対策としてできることを徹底していきましょう。

 

 最後に、私からの宿題を確認します。夏休み中、一日一回は笑顔をつくった人、手を挙げてください。ある先生が笑った日にスマイルマークを手帳につけていますと報告してくれました。話を聴いていただけたと嬉しくなりました。私は、皆さんには笑顔が素敵な大人になってほしいのです。笑顔は、自分も前向きな気持ちになれて、人も幸せにできるのです。私も、生徒の皆さんの笑顔と挨拶からたくさん元気をいただいています。さあ、笑顔で有意義な学校生活にしていきましょう。Dream、Plan、Action!

 

 

「英治出版」でのインターンシップ

 8月1日から5日までの5日間、渋谷区恵比寿にある英治出版で、本校2年生1名がインターンシップを経験させていただきました。英治出版は、「学習する学校(ピーター・M・センゲ著)」「あなたの中のリーダーへ(西水美恵子著)」など、教育分野でも話題となる本を多数出版している会社です。

 8月5日(金)、インターンシップ最終日に英治出版を訪問させていただき、インターンシップ報告会に参加しました。一緒にインターンシップに参加した島根県立高校の生徒さんは、「どこで働くかよりも誰と働くかが大切であり、仕事に対して新しい視点をもつことができた。」と話していました、本校から参加した生徒は、「企画会議や書店回りにも参加させていただき、一つの本を出版するまでに多くの人々がかかわっていて、働くということはどういうことなのかを初めて実感した。」と話していました。2人の進路は大学進学ですが、高校時代に企業でのインターンシップを経験することで、大学卒業後を見据えた大学選びや、大学進学後も充実した学生生活が送れるのではないかと思います。

 さて、英治出版代表取締役社長の原田英治氏を紹介していただいたのは、独立行政法人国際協力機構(JICA)の高田健二氏でした。高田氏は、埼玉県教育委員会が実施したブラジルやフィリピンへの草の根技術協力事業で大変お世話になった方です。2017年4月から2021年5月まで島根県海士町に出向し自治体職員として活躍していました。その高田氏より、「英治出版の社長を紹介したい。素敵な方です。大宮高校の卒業生ですよ。」と連絡があり、5月中旬に会うことができました。原田氏は、海士町での親子島留学に参加し、海士町や髙田氏と深い絆ができたとのことでした。初めてお会いした原田氏は、話題の本を数々出版している社長でありながら、実に自然体な方で、「仲間とつくる現実は理想を超えていく」という理念が実に印象的でした。

 実は、大宮高校にも昨年度一年間、島根県に派遣された教員がいます。その先生が今回のインターンシップに本校生徒が参加できるよう働きかけ、実現することができました。年度当初、教育課程外で探究活動ができないかと考え、全校生徒に募集をかけ、9名の生徒とともに「グローカル探究」の活動を始めました。過日、不動岡高校と共同開催した「ウィキペディアタウン」のフィールドワークも「グローカル探究」の一環です。今回のインターンシップに参加した生徒もメンバーの一人です。島根県で学んだ地域との連携した探究学習を積極的に進め、一年間の派遣の成果を発揮しています。

 海士町の自治体職員として活躍したしたJICAの高田氏、海士町の親子島留学に参加した英治出版の原田社長、島根県に派遣された本校教員、今回のインターンシップは、人と人との繋がりで実現されたのだと思います。仲間とつくる現実は理想を超えていくと、人との繋がりを大切にしている英治出版の原田社長とスタッフの皆様のお陰で、参加させていただいた生徒は、本当に充実した5日間を送り、成長することができました。心より感謝申し上げます。

前期全校集会 校長講話

7月22日に実施した前期全校集会での話を掲載いたします。

 

  皆さんおはようございます。家庭で参加している3年8組の皆さん、元気に過ごしていますか。夏季休業前に学級閉鎖となりましたが、こうして全校生徒に向けて話ができることをたいへん嬉しく思います。今日は、三つの話をします。一つ目は、新型コロナウイルス感染症対応について、二つ目は、私の高校時代の話、三つめは、校長から皆さんへ夏休みの宿題です。

 

  一つ目は、新型コロナウイルス感染症の対応についてです。今年度は、四月より、オリエンテーションキャンプ、遠足、芸術鑑賞、体育祭等々、学校行事が開催でき、学校行事の意味や素晴らしさを改めて感じました。一昨日までのスポーツ大会でも、皆さんの雄姿を見ることができました。女子サッカーで見事なゴールを決めた瞬間は、思わず「すごい」と声をだしてしまいました。印象的だったのは、勝敗を決めるバスケのフルースローを外した時、サッカーのPKを外した時、チームのみんなが声をかけてその選手を励ましていた光景です。本当に心根の優しい生徒たちだと思いました。こうした行事に全力で取り組む大高生は素晴らしい。

 しかしながら、全国の感染者数は急激増えています。今回、国や県は、行動制限を行わず一人一人が感染防止に取り組んで、感染拡大を抑えていく方針を出しています。生徒の皆さんも私たち教職員も、感染拡大防止のためにできることを徹底して行うことが必要です。大高は、夏休みでも様々な活動を実施します。明日から始まる通いでの学習合宿、夏期講習、部活動の練習、大会、校外合宿 等々、自分が体調不良の時、家族に発熱等がある場合は登校しない、参加しないことを徹底しましょう。体調はよいのだが、万が一感染していたらと不安になっている人は、任意で無料の抗原検査を活用することができます。大会や合宿に参加する場合や、感染の不安を解消したいと思っている人は活用するのもよいでしょう。リーフレットや申込書の様式は大高HPに掲載してあります。

 

 二つ目は、私の高校時代の話です。自分の恥ずかしい過去ですが、しくじり先生だと思って聞いてください。私は、加須市に生まれ育ちました。小学校は家から歩いて3歩、中学校は徒歩10分、高校は自転車で10分。高校までは、ほとんど加須市の中で生活していました。時々、大宮のラケットショップに行き、ハタシネマで映画を観ることが当時の私にとってはちょっとした冒険でした。何の迷いもなく地元の高校に進学すると、高校入学の説明会で春休みの課題が渡されました。

 ここでしくじりポイント①、「入学前の課題を全くやらなかった」 入学すると、課題テストなるものがあり、学年の順位が発表されました。今でもその順位をはっきり覚えています。436位。当時は、一クラス45人学級で10クラスでしたから、450人中436位だったのです。その結果を踏まえ、私は、自分は勉強しない奴というキャラクターを自分に設定しました。勉強しないだけで、やればできるという逃げ道も設定していたように記憶しています。軟式テニス部に所属し、毎日部活動に精を出し、友人にも恵まれ楽しい牧歌的な高校時代を過ごしました。

 しくじりポイント②、「欠点をとらなければよいという思いで授業を受けた」 勉強は何のためにするのかなどは全く考えることなしに、欠点をとらないように最低限の勉強しかしませんでした。当然、好きな教科も得意な分野も私の中に生まれることはありませんでした。

 しくじりポイント③、「依然として加須市の中で生活していた」 インターネットもない時代でしたので、情報源は、新聞雑誌、テレビ、ラジオでした。世界の、日本の、埼玉県の同世代の人間がどんな活躍をしているのか、どんな意識を持っているかなどまったく気にもせず、知りたいという意識もありませんでした。大学の情報すら自分から求めることをしませんでした。6月に部活動を引退しましたが、夏休みは文化祭の準備に明け暮れ現実逃避は続きました。秋になって初めて、大学を受験するという現実に直面しました。当時の大学は、現役生より浪人生の方が多かった時代だったので、浪人は当たり前だという意識でいましたから、当然のごとく大学はすべて不合格でした。当時、大宮高校の近くに新設された一橋学院早慶外語という予備校に通うことに決まりました。

 予備校入学金の支払いに行くため、親からお金の入った封筒を受け取りました。30数万円入っていたと思います。上着の内ポケットに入れ、取られないように気を付けながら電車に乗り、大宮駅を降り、落とさないように気を付けながら一橋学院まで歩きました。窓口で、入学の書類を確認してもらいながら、お金の入った封筒を渡した時です、なんとも情けない、申し訳ない気持ちが湧いてきました。「もっとまじめに勉強していれば、こんな大金を親に支払わせることはなかった」 その時の気持ちは、40年以上経った今でも、しっかり記憶にあります。その気持ちがきっかけで、予備校では勉強し、三番目に入学したい大学に合格することができました。大学で教員免許を取得し、教職について36年目の今があるわけです。

 40数年前の自分に助言ができるなら、まずは「入学前の課題をやれ」と言います。そして、「勉強は良い成績をとるためではない、まして欠点をとらないためではない、勉強は自分の人生を豊かにするためであり、社会に尽くす喜びがもっと得られる」と伝えたい。自分に数学や理科系の教科の知識があれば、もっと世の中を観ることができて、もっと多様な考え方ができ、社会に貢献できるだろうと今も感じています。

 大高生の皆さん、「人生はマルチエンディング」です。人生のゴールは決まっていません。今、皆さんは、それぞれ、自分の目標に向かって努力しています。しかしながら、その目標が常に100%叶うわけではありません。叶わなかった時、目標を修正して、脇道に逸れてもいいから、歩みを止めないでください。脇道で素敵な出会いがあるかもしれません。うまくいかなかった時、悩んだ時、小さな一歩でいいから歩みを止めないこと、これがしくじり先生からの話です。

 

 三つ目は、皆さんへの夏休みの宿題です。それは、「SMILE」 夏休み中、一日に一回は、笑ってください。口角をあげて、笑ってください。笑っているところを家族に見られたなら、校長からの宿題だと言ってください。

 

 皆さん、有意義な夏休みを過ごしてください。8月29日に、全員元気に会いましょう。

 「DREAM、 PLAN、 ACTION」

第1回学校説明会

 6月18日(土)の午後、令和4年度第1回学校説明会が開催されました。二部構成にして、各部に200組を限定させていただき開催させていただきました。授業や施設見学はなく、1時間に凝縮させていただいた説明会となりましたが、来校いただいた皆様ありがとうございました。また、抽選に漏れてしまった皆様、たいへん申し訳ございません。本校の説明会は今後も開催を予定していますので、次回の機会によろしくお願いいたします。校長の挨拶でお伝えしたかったことを以下に掲載させていただきます。 

 

 

 皆さん、こんにちは。校長の鎌田でございます。本日は、ご多用の中、大宮高校の学校説明会にお越しいただき、ありがとうございます。心から歓迎申し上げます。 

 本日ご参加いただいているのは中学3年生ばかりではありませんが、まずは、高校受験に挑む中学3年生にエールを送ります。皆さんが中学校に入学した時、2か月の休校からはじまりました。授業、部活動、行事も制限される中で、つらい中学時代を過ごしたかもしれません。しかし、様々な制限の中で、工夫して授業や行事を実施してきたこと、仲間と励ましあって難局を乗り越えてきた経験は、これからの人生に必ず活かされます。皆さんは、コロナ禍で、忍耐力だけでなく、新しい知恵と未知なるものに挑むエネルギーを得ています。是非とも、自信をもって高校入試に挑んでください。入れる高校ではなく、「入りたい高校」を見つけて、目標としてください。自分の夢や進みたい分野がある人は、その夢が実現できる高校を。まだ、見いだせない人は、夢が見つかる学校を選ぶ。どんな環境で高校生活が送れるのか。授業、部活動、行事、在校生、教職員、施設設備を考えて高校を選んでほしいと思います。 

 大宮高校は、決して最新の施設設備を備えた高校ではありません。(生徒のHRがある校舎は改修工事が終わり、トイレも含めきれいになりましたが) 本校の最大の教育資源(魅力)は教職員と生徒です。本校の生徒(大高生)は、授業だけでなく、部活動や行事にも一生懸命に取り組みます。授業では、多くの科目でペアワーク「隣の生徒と話し合ってみてください」という活動が頻繁に行われます。男女問わず、積極的な意見交換がすぐさま始まり、隣の生徒がいない生徒には、近くの生徒が声をかけ3人のディスカッションが行われます。このように、生徒同士が学びあいながら成長していきます。このような生徒同士の学びあいを仕掛けるのは教員なのですが、本校の教職員は生徒の成長を願い、支援していこうという想いが非常に強い。このポテンシャルの高い生徒と生徒愛に満ちた教職員に、保護者の理解と協力が加わって、歳月を積み重ねてきた結果、現在の大宮高校となってきました。このように、「チーム大宮」で教育力を向上させきた学校です。

 最後に、高校を受検する皆さんに伝えたいことがあります。それは、今受けている中学校の全ての授業を大切にしてほしいということです。これは、調査書の学習点をあげるためではありません。皆さんが新しい未来を創り、将来幸せな生活を送っていくためです。中学校、高校で学習するすべての内容は、それぞれの分野の基礎、基本であり、各教科の学習内容は、どこかで繋がっていきます。その総合的な知識が本当に大切なのです。私立を受検するから3教科だけ頑張ろうではなく。県公立を受検するから5教科を頑張ろうではなく。中学校の全ての授業でしっかり学んでください。大宮高校は、各分野で未来を創るトップリーダーになる皆さんをお待ちしています。

校歌に想う

 「武蔵野の野辺に風薫り はるけき道はわれを呼ぶ」で始まる本校校歌は、昭和27年11月に制定されました。昭和26年2月に埼玉県大宮女子高等学校と埼玉県大宮第一高等学校が統合され、埼玉県立大宮高等学校となりましたが、統合した当初は、新校の校歌はまだなかったようです。

 本校創立70周年記念誌に、昭和27年当時に勤務していらっしゃった先生の回想記を見つけました。以下抜粋します。

「昭和27年頃、私は埼玉県立大宮高等学校に奉職していたが、その年「大宮高校に校歌を」という声が生徒の間にもち上がり、6月に応援団役員の発議で具体化し、全校生徒の署名を以って学校側に申し入れがあった。職員会では意義なくこれを可決し、専門詩人に作詞を依頼することを満場一致できめた。」

 昭和2年創立の成均学園大宮高等女学校から変遷を辿った大宮女子高等学校と昭和4年設立の大宮農園学校から変遷を重ねた大宮第一高等学校(男子校)、この2校が統合したわけです。当時を勝手に想像してみると、かなりの混乱があったはずです。教育方針の異なる女子校と男子校が統合したわけですから、当時の先生方は、とても悩みながら新生大宮高校が進む道を考えていったのでしょう。そんな状況下で、生徒から新しい校歌を求める声があがり、生まれたのが現在の校歌です。大宮高校の校歌は、まさに大宮高校をひとつにまとめる大きな役割を担ったのだと思います。回想録は、校歌発表会の様子を次のよう記しています。

 「当日は、午後1時より発表会を開会し、まず日新(ひよし)校長から作詞者(神保光太郎氏)・作曲者(宮原禎次氏)の紹介があり、ついで神保・宮原両氏のあいさつ、花束贈呈、神保氏の校歌並びに自作詩朗読、最後に宮原氏指揮による校歌の合唱を以って幕を閉じた。希望に燃える若人たちの合唱が大講堂を揺るがして、大宮高校の前途を祝福するようであった。」

 「あたらしき使命にもえて 相寄りてここに誓う」あれから70年の歳月を経て、今でも大宮高校には、生徒の歌う素敵な校歌が響いています。大高生には、時代の想いも感じながら、あたらしい未来を創ってほしいと思います。

 

二度目の着任(ご挨拶)

 遅ればせながら、着任のご挨拶をさせていただきます。令和4年4月1日に加藤校長の後任として着任しました鎌田勝之(かまたかつゆき)と申します。大宮高校には縁があり二度目の着任となります。平成10年度に英語科の教諭として着任し、教員の30代を大高生と共に過ごしました。大高生に負けられないという思いから、授業研究と部活動指導に明け暮れる日々を過ごしました。その毎日が自分を成長させてくれたと思っています。今、大宮高校に二度目の着任できた喜びを味わいながら、授業や部活動の様子を観て回っていると、教室やグランドで教員と生徒のまさに真剣勝負が行われています。その様子を目の当たりにして、校長として決意を新たにしているところです。大宮高校に関わる全ての皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 

入学式式辞(令和4年4月7日)

    桜の花、そして木々の柔らかな緑に春の息吹が感じられる今日の佳き日に、保護者の皆様と共に、令和4年度 埼玉県立大宮高等学校 第75回入学式を挙行できますことは、私たち教職員と在校生にとりまして誠に大きな喜びであります。 

 ただ今、入学を許可いたしました355名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎いたします。

 さて、皆さんは、新型コロナウイルスの感染拡大が長期にわたる中で、高校入試に臨みました。二年前の突然の臨時休校、登校して先生や友人に会えず、学校行事や部活動が次々に中止や延期になりました。不安で、心を整えることが難しかったことも多かったでしょう。その中で、皆さんは本校の入学者選抜を突破しました。これは、皆さん一人ひとりの努力の賜物です。よく頑張りました。同時に、皆さんの努力は、保護者をはじめとする御家族や、指導していただいた先生方など、多くの人たちの支えや励ましがあって成しえたことでもあります。そんな気持ちを改めて心に刻み、感謝の心を持って、高校生活を踏み出してください。 

 皆さんは、高等学校教育の節目の年、さらに言うと時代の大きな変化のまさに中心にいます。皆さんの学年から高等学校の新しい学習指導要領がスタートします。この指導要領では、未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成することを目指しています。「情報」や「公共」などの新しい科目も学びます。また、成年年齢や裁判員等の対象年齢が十八歳に引き下げられました。皆さんは、高校在学中に成人になり、社会に参画する力も求められます。そして、社会に目を向ければ、インターネットで全ての人とモノがつながり、人工知能により様々な課題が克服される輝かしいソサエティ5.0を目指すとしながらも、現実は、新型コロナウイルス感染症との戦いが未だ続き、連日、ウクライナでの惨劇が報道されています。 

 今こうして、壇上から皆さんに話しをしていると、心に湧きあがってくる想いがあります。それは、「皆さん、この大宮高校で、一生懸命学んでください。心身ともに逞しく、大きく成長してください。そして、これから平和で素敵な世の中を築く人になってください。私たち大人もまだまだ頑張りますが、未来を皆さんに託します。」言葉にするとそのような想いです。 

 皆さんが、高い志と強い使命感をもったトップリーダーへと成長するために、私たち教職員一同は全力で皆さんを伴走します。授業、部活動、学校行事、キャリアガイダンス等々、皆さんの成長の場をたくさん用意します。是非とも、自ら主体的に参加して自主自律の精神を養ってください。また、何をしている時が自分は楽しいのかをよく分析して、是非、得意な分野をつくってください。同時に、苦手なこともどうすれば楽しくできるか考えてください。 皆さんの先輩は、大宮高校を「楽ではないけど、楽しい学校」と言っています。多くの同級生、先輩、後輩と一緒に、楽ではないけど楽しい大高生活を過ごしてください。一緒に苦楽を共にした大高の仲間は、必ず生涯の財産になります。 

 最後に、新入生の皆さんに私の好きな言葉を贈ります。

「Dream  Plan  Action」

まずは、夢を持ってください。夢を見つけてください。そして、夢を実現するためには何が必要か、どんなことをすればよいか計画してください。計画したら、立ち止まらず、何でもいいからできることから行動してください。その一歩が、次の新たな一歩を生み出します。

「Dream  Plan  Action」 

 ここで、保護者の皆様に申し上げます。皆様の宝物をお預かりいたします。教職員一同全力で支えていきます。家庭と学校は、いわば車の両輪です。「子供の成長をともに喜びあう関係」を築くことができたらうれしい限りです。コロナ禍で難しい決断が必要となる局面もあるかと存じます。本校への御理解と御協力をお願い申し上げます。 

 結びになりますが、三年後、コロナも終息し、大きく成長した新入生の皆さんを保護者の皆様と祝福する日を祈念いたしまして、式辞といたします。

   令和4年4月7日

                                     埼玉県立大宮高等学校長 鎌田 勝之