理数科日誌
理数科座談会(9月19日)、募集開始!
イベント詳細、お申し込みは ≪ こちら(理数科Topページ) ≫ からどうぞ!
締切は9月1日(火) 10:00です。先着順ではありませんので、入力内容をご確認の上お申し込みください(メールアドレスの入力間違いには特にご注意ください)。
≪ 学校説明会のページ≫ からもお申込みいただけます。
写真は昨年度の座談会の様子
【理数科日誌】 令和8年度 東大・研究室訪問
7/23(木)、東京大学・研究室訪問を実施しました。(訪問先: 東京大学 本郷キャンパス)
今年度の研究室訪問は、理数科の1・2年生16名に、普通科の1年生9名を加えた計25名で実施いたしました。
今回の訪問先は…
大杉美穂教授(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻・理学部生物学科 発生細胞動態学、写真左)
北川大樹教授(東京大学大学院薬学系研究科・薬学部 生理化学教室、写真右)
大杉教授は本校の卒業生、そして北川教授は とあるご縁 から、様々な場面で以前からお世話になっている先生方です。
お二人の研究室が本郷キャンパス内でもご近所であり、運良くスケジュールの調整もついたことで今回のダブル訪問が実現しました。
【大杉研究室】大杉教授による基調講演。本校の卒業生ということもあり、在学中の苦労話や大学受験に向けて猛烈に勉強したエピソード、そして研究者として活躍するための土台として「高校・大学時代にハードに勉強することの大切さ」が説かれました。筆者も「理系だからこそ国語力が大切」という大杉教授のお話が印象的でした。大杉教授の研究テーマ紹介後の質疑応答では、生徒たちから盛んに手があり、参加生徒の関心の高さが伺えました。
大杉教授によるラボツアーでは、研究テーマ紹介で登場したマイクロマニピュレータ(微細作業装置)を見せてもらえました。顕微鏡下において受精胚などに物理的操作を加える作業(マイクロマニピュレーション)に用いられます。その操作は非常に繊細で、熟練した技術が必要です。
【北川研究室】
北川教授による基調講演。大杉教授と同じく「高校・大学時代にハードに勉強することの大切さ」とともに、「幅広く勉強することの大切さ」が説かれました。現代の薬学・創薬の現場はもはや一つの学問領域に収まらないため、様々な分野の専門家と共同研究するためにも、生物・化学に関する知識だけでなく物理に関する知識が必要であること。そして何より科学研究にAIを活用するためにも数学が非常に重要であることが語られました。
両教授から本校生徒へのメッセージは重なる部分が多かったです。だからこそ選り好みせず何でも一生懸命勉強することの大切さが強く印象に残りました。
ラボツアーでは、北川研究室所属の学生の皆さんからそれぞれの研究テーマや研究設備の紹介をしていただきました。
暗室で蛍光顕微鏡をのぞき込む「いかにも実験」というものから、AlphaFoldでタンパク質の立体構造をシミュレーションするためにハイスペックPCと向かい合う「いまどきな実験」まで、薬学研究のアプローチが多様化していることがよくわかりました。
【研究室所属学生との座談会】両研究室の見学は2チームに分けて実施しました。前後半を入れ替えるタイミングで、両研究室に所属する学生の皆さんと参加生徒との座談会を企画していただきました。
話題は大学受験の苦労話、進学選択(いわゆる進振り)、研究生活まで多岐にわたりました。
研究室訪問当日、都心は35℃を超える厳しい暑さ。座談会は見学の緊張や暑さから解放されるひとときとなりました。
参加生徒(理数科1年生)の感想、一部抜粋
(大杉研究室に関して)
生物系の学部を考えていたため、研究の内容や大杉教授のお話など、大変参考になりました。勉強ももちろん大切ですが、自分の好きなことをとことんやったり、今回設けていただいたような実際に目で見て触れられる体験を大切にしたり、様々な経験を自分のなかに蓄えていきたいと思います。また、哺乳類が植物などとは違い、1倍体では生きていけないことを初めて知り、とても驚きました。研究が進んでいる現代であってもまだ分かっていないことも多くあるのだと改めて感じさせられました。
(北川研究室に関して)
研究室の中に入って、顕微鏡を観察したりするのは、普通はできないすばらしい経験になりました。今回観察させていただいた顕微鏡は、数百万円すると聞いて、少し怖くなりました。ただ、そのような素晴らしい実験器具をたくさん使用して研究できるところがすごいと感じました。僕も大学に入って、このような環境で実験を行いたいと思いました。そのために、勉強を頑張りたいと思います。
【理数科日誌】 令和8年度 大学セミナー
7/13(月)、東京大学大学院農学生命科学研究科の 齋藤継之 教授 によるセミナーを開催しました。
(会場:本校やまぼうしホール)
今年度の大学セミナーは、理数科の1・2年生41名に、普通科の有志参加生徒9名を加えた計50名で行われました。
今回お越しいただいた齋藤教授は本校理数科の卒業生です。
齋藤教授には【 令和9年度 学校案内 】にもご寄稿いただいておりますので、ぜひご覧ください。
今回のセミナーでは、齋藤教授のご専門である「農学とは何か」「理学・工学との違いは何か」というお話から始まり、研究テーマである「セルロースナノファイバー(CNF)」へと話が進んでいきました。
バイオマスのひとつである木質資源から、いかにCNFへ変換するかというプロセスや、教科書の図から想像されるセルロースと電子顕微鏡で観察される実際の姿との違い、そして適切な化学改質や省エネな粉砕処理の工夫など、化学(ケミストリー)としての面白さを語っていただきました。
板状に成形したCNFプレートが持つ「透明・高強度・難燃性」といった特性や、CNFによるエアロゲル、プラスチックとの複合化など、次世代材料としての数々の魅力を、高校生にも分かりやすくレクチャーしていただきました。
その後の質疑応答では、質問が途切れることなく次々と生徒から投げかけられました。
齋藤教授からは、CNFの長所や将来性だけでなく、実用化と普及に向けた現状の課題についても包み隠さずお答えいただき、生徒たちもより理解が深まった様子がうかがえました。
参加生徒(理数科1年生)の感想
現在、第一線で活躍されている齋藤先生の講義を聞くことができて、とても有意義な時間になりました。実際に、今研究されているセルロースナノファイバーについての性質やメリット、実用に向けてなど、いろいろなことを知れて、自分の将来のイメージが少し見えてきました。
私は大学・大学院に進学して一つの分野について探究することに興味を持っているのですが、今回の講義を通して「研究って楽しそうだな」という気持ちが強まりました。まだまだ将来設計については決められておらず、迷うこともたくさんありますが、いろいろな知識を身に着けて、自分の好きなこと、突き詰めたいことを探していきたいです。
【大高人×理数科推進部】 第3回 微生物実験教室(東京薬科大学)
実施会場 東京薬科大学(東京都八王子市)
実施日 7月10日(金)
本校卒業生、大高人の中南秀将教授(薬学部 臨床微生物学教室)による微生物実験教室が今年度も開催されました!
今回は過去最多、25名の生徒(理数科4名、普通科21名)が参加しました。
例年、中南教授のラボで行われていたこの実験教室。
さすがに25名は収容できない…!、ということで今回は薬学部内の実習室にお邪魔しました。
会場が広くなっても「濃度」は同じ。中南研究室のスタッフの皆さんの協力もあり、実験教室はスムーズに進んでいきます。
まずはガウンの着用から。不織布でつくられた医療用の使い捨てタイプです。理科系部活動で白衣を着たことのある生徒はいますが、医療用ガウンを着るのは恐らく今回が初めてでしょう。体の後ろで紐をしばる都合で、隣り合った生徒どうしで協力して準備を進めます。
実験は「 口内細菌のグラム染色 」です。
綿棒で自分の歯肉から「 サンプル 」をこすり取り、スライドガラスに塗り付けます。
ある程度乾燥したら、メタノールに浸して固定。ここからいよいよ「 秒刻み 」の染色がはじまります。
青色のビクトリアブルーで60秒染色、その後、純粋でやさしく洗浄。
黄色の脱色液で共洗いしてから、再度脱色液をたっぷり滴下して10秒脱色してから洗浄。
最後の赤色のフクシンで60秒染色して洗浄。生徒の緊張感と集中力が最大限に高まるひとときです。
染色が終わったら完全に乾燥させて、いよいよ観察に移ります。
細菌を観察するためには1000倍の倍率が必要です。スライドガラスにエマージョンオイルを滴下し、油浸レンズによる観察を行います。
生物の授業で光学顕微鏡を使ったことのある生徒たちにとっても、油浸レンズは初めての経験です。
専用オイルとはいえ、「レンズに油をつけていいのか?」「スライドガラスと対物レンズを接触させてしまっていいのだろうか?」という戸惑いが伝わってきました。
最初はおっかなびっくり操作していたものの、慣れてしまえば手際のよい生徒はピント合わせまでは比較的スムーズ。
ピント合わせに難航した生徒も、中南研究室のスタッフの皆さんの協力により、ついに自分の口内細菌と「 ご対面 」です。
クリスタルバイオレットで青く染色され、脱色されないグラム陽性細菌。
脱色されてフクシンで赤く染色されるグラム陰性細菌。
自分の口内細菌を観察する特別感はもちろん、染色された細菌の観察は、見た目にもシンプルな感動があります。
手書きのスケッチ、スマートフォンのカメラでの撮影。それぞれ記録を残します。
口内細菌の観察後は、中南研究室で培養したさまざまな細菌の観察です。
黄色ブドウ球菌や納豆菌などの比較的聞き覚えのあるものから、肺炎球菌や溶血性レンサ球菌のような代表的な病原菌まで。シャーレに培養したコロニーの様子とともに、顕微鏡で実際の姿かたちを観察しました。
特筆すべきはメチシリン耐性を持つMRSAのシャーレ。
白い円形のパッチにしみ込ませたメチシリン(抗菌薬)をものともしない様子がはっきりと分かります。
興味深そうにMRSAを観察する生徒たちへ、中南教授から耐性菌を生み出さないようにするために、抗菌薬の「 適正使用 」がいかに大切かが説かれました。
細菌の観察後、中南教授の研究室に場所を移してラボツアーを行いました。
研究テーマに関する紹介や、装置や設備の説明を受けます。毎年のラボツアーの目玉でもあるBSL-3(バイオセーフティレベル3)の実験室の見学もさせていただきました(無資格の生徒たちは実験室内までは入れません。実験室手前の通路までが近づける限界です)。国立感染症研究所と共同で研究することもある中南研究室。設備が非常に充実しています!
BSL-3の実験室見学(写真左) と 研究テーマの紹介(写真右)
参加した生徒たちの感想(一部を抜粋)
- 自分の口腔内細菌を実際に観察することができ、さまざまな種類の細菌を自分の目で見ることができて、とても興味深く楽しかったです。また、耐性菌などについても初めて知ることが多くこの分野への興味がさらに深まりました。今回の教室を通して、将来の進路について改めて考える機会になりました。
- ポスターや先生方のお話から、多剤耐性菌など現代医療の最先端に触れられてとても楽しかったです。特に、こちらの質問に先生方から詳しい回答をいただき、微生物への好奇心が加速しました。また、実際の研究室や菌株の保管庫、機材など、研究の現場を直で感じられる貴重な機会になりました。
- 染色体験も面白かったですが、個人的には研究内容やラボの見学がかなり面白かったです。この実験教室を通して薬学に興味を持つことができました。貴重な体験をありがとうございました。
今回も参加生徒から大好評の実験教室となりました。
中南教授、そして研究室のスタッフの皆様、今年もありがとうございました!
【理数科日誌】 理数探究、2・3年生のディスカッション
6月30日(火)、2年生の「理数探究」の授業で今年度も3年生とのディスカッションを実施しました。
画像は数学班の様子、身振り手振りを交え、活発な意見交換が見られました。
昨年度、試験的に始まった2・3年生のディスカッション。
今年度はきちんと年間計画に組み込んで実施しました。
例年のこととはいえ、2年生にとって夏休みを前にしたこの時期は、探究活動もまだまだ手探り状態。
理数科3年生から昨年度1年間の「経験」を2年生にフィードバックしてもらいました。
【物理班】 昨年度の失敗談、研究の難しさや、つまづいた時の突破方法などをレクチャー
【化学班】 テーマ決めに難航したことや、放課後に実験を積み重ねたエピソードを紹介
【生物班】 現在飼育中のコオロギを囲み、2年生から研究の進捗を聴く3年生たち
【数学班】 研究ノートをもとに、現在のテーマについて説明する2年生(手前側の2名)
1年間の理数探究はまだまだこれから。いま進めている研究テーマからガラッと変更することも少なくありません。
2年生にとって、今後の探究活動の見通しを立てる上でも貴重な時間になったことでしょう。
今年度の理数探究も2月の成果発表に期待が持てそうです!